遭難対策にjRO(ジロー)に加入しました!低山ハイカー向けのリーズナブルな山岳保険

こんにちは、アキです。

僕はこれまで山岳保険に未加入で登山をしてきました。危機管理の甘さに恥ずかしさを覚えつつも、山岳保険各種を比較してどこかへ加入しようと検討してみた。

選んだのはjRO(ジロー)日本山岳救助機構です。

ジローのサポート内容は少し特殊な制度であるため詳細をまとめました。

jRO(ジロー)の特徴とサポート内容

jRO(ジロー)は日本山岳救助機構合同会社の運営する会員制度です。

年会費がリーズナブル

ジローは『捜索救助費用』をサポートするシンプルプランであるため山岳保険の中では年会費が安い。入院、死亡、個人賠償責任、物品補償などが含まれないので注意して下さい。

初年度 2年目以降
入会費 2,000円
会費 2,000円
事後分担金 750円〜1,500円の見込み

初年度のみ入会費2,000円がかかりますが、通常は会費2,000円+事後分担金というかたちです。この安さで捜索救助費用をサポートしてもらえる。(事後分担金については後述します。)

国内であればハイキングから冬山のクライミングまでがサポート対象になる他にも、スキー&スノボ、マウンテンバイク、山菜狩り&きのこ狩り、渓流釣りなどジャンル季節を問わず幅広い分野がカバーされる。

価格を考慮すればサポート内容は充実しているのではないでしょうか。

会員の受けられるサポート
  • 捜索救助費用 上限330万円まで
  • 遺体搬送費用 上限30万円まで
  • 関係者駆けつけ費用 上限10万円まで
  • 遭難対策等の講習会、講演会、コンサル
  • 登山用具のレンタル
  • 山小屋の宿泊代の割引き

捜索救助の高額請求を回避したい

山岳遭難事故で出動する救助隊は公的機関(警察・消防・自衛隊)と民間の山岳救助隊が行い、国内でのヘリコプター救助は公的機関と民間ヘリコプター会社によって行われます。

公的機関は税金で賄われるため無料ですが、民間の山岳救助隊やヘリコプターが出動した場合は遭難者が費用を負担します。(※埼玉県では公的機関でも有料)

民間の山岳救助隊の人件費は日当1人当たり2万〜5万円に加えて、宿泊費、食費、保険料、消耗品費、交通費まで負担することになる。民間ヘリコプターの出動費用は東邦航空の場合は1時間当たり46万5千円だという。

これらの高額請求をサポートするための山岳保険。

ジローは捜索救助費用を上限330万円まで補填してくれます。山岳保険としては最低限のサポート内容であり、高額請求の回避を目的としたシンプルプランです。

サポートされる主な名目

救助隊の日当、宿泊費、食費、保険、消耗品費、交通費(ヘリコプター代含む)
関係者現場駆けつけ費用・遺体搬送費・謝礼費用

入院費、個人賠償責任など問題は残るが「ケガなどは自腹でいいから捜索救助の高額請求だけはとにかく避けたい!」という方にジローはおすすめです。

会員同士の相互扶助という制度

ジローの特徴は相互扶助(カバレージ制度)である。

会員の捜索救助費用は『会員みんなで負担する』というシステム。

会員の誰かが遭難したときはジローが上限330万円まで補填し、その費用総額は会員人数で割った金額を事後分担金として会員1人1人が支払う。(年度末に算出)

会員同士の相互扶助の精神で成り立っている。

会員は7万人を超えており負担額は少なく過去の事後分担金は2008年の900円が最高額で、2015〜2017年は3年連続で500円となった。さらに会員が増え続ければ1会員当たりの負担も減っていく傾向だろう。

年会費2,000円+事後分担金が数百円(+入会費2,000円)

これで高額な捜索救助費用が補填されるのなら安いとしか言えない。

上限額330万円を7万人で割ると1会員当たり約47円となる。事後分担金500円だとするとジロー会員だけでも年間10回以上の遭難者が出ていることになる。明日は我が身です。

ジローがおすすめな人
「低山なら平気、保険は必要ない。」と油断しがちな低山ハイカーにこそシンプルなジローだけでも加入を推奨したい。たとえ1時間の登山だとしても何が起こるかわからないのが山です。最後に困るのは自分なので山岳保険の大切さを考えて下さい。

加入方法と支払い方法まとめ

登山・山岳遭難対策制度|jRO(ジロー)日本山岳救助機構

加入前には必ず公式HP内の規約や説明に目を通して下さい。

ジロー入会の流れまとめ
  1. 「入会お申込み」にアクセスする。
  2. 規約に同意して必要事項を入力する。
  3. 支払い手続きを完了させる。
  4. 決済完了日の午後6時から適用。
  5. 1週間から10日で会員証が郵送される。

基本的に必要事項を入力するだけで即日で入会できます。支払い手続きを済ませた後に「決済完了メール」が届けば決済完了日の午後6時からサポートが適用される。

メールが届かない場合は申込みが無効となり、登録のやり直しになる。

ジロー会員証

会員証や規約書などは決済完了日の1週間から10日で郵送されるということですが4日後に届きました。規約書や会員証が入っています。

同封されているメンバーズカード山岳遭難ピンチカードを登山時に持ち歩くことになる。あらかじめ個人情報や緊急連絡先を記入しておきましょう。

Gmailアドレスで登録したところ申込明細メールが迷惑メールフォルダに入っていたことに翌日になって気が付いた。Gmailアドレスで登録する方は注意して下さい。

ジロー+αのススメ

他サポートプランに同時加入する方法もあり、僕の検討しているプランを紹介します。

ジロー+短期補償型プラン

南アルプスなど3,000m級への山行を考慮するともう少しサポート内容の厚い山岳保険にも加入したくなってしまう。個人賠償なども馬鹿にならないためジローだけでは不安が残る。

そんなときは1泊から加入ができる短期補償型の山岳保険があります。

例えばモンベル野あそび保険であれば1泊2日500円で加入でき補償内容が手厚い。年間のジローに加入しつつも3,000m級への遠征時のみ短期補償型に加入するという考えです。

僕が高山へ入る傾向は7月〜10月に富士登山と南アルプスを合わせても2〜4回ほどしか行かない。これだけ回数が限られていれば短期補償型がお得である。

ジロー+ココヘリ(ジロココプラン)

ジローが公式コラボしているのがココヘリというヘリコプター連携サービス。ジロー加入後であればココヘリの入会費3,000円が無料になるというコラボプランです。(ココヘリ通常年会費は3,650円)

ココヘリ会員には発信機が貸与され、遭難時には提携ヘリコプターが発信機からの電波をキャッチして早期発見できる連携システム。

専用の発信機は20gの軽量ボディで最大3ヶ月持続のバッテリー搭載。

遭難したら遺体が回収されるまでは「失踪者扱い」となり、生命保険金が受け取れないなどの問題も出てきます。遺体が発見されて「死亡認定」されるまで何年もかかったケースもあるそうです。(今現在も行方不明者はいます。)

まずは生きているうちに発見されたいのでココヘリの同時加入も検討したい。

まとめ:保険未加入の怖さ

自動車の任意保険加入がドライバーのマナーなのは「絶対に事故はしない」と思っていても避けられない事故はいくらでも起こるからです。同じことの言える登山において山岳保険がいかに大切なのかに気付かされます。

ぜひ自分の登山スタイルに合うプランを探してみて下さい。

そして救助要請はあくまでも最後の手段であること。まずは遭難しないための登山計画と準備、自身のスキルアップを心がけるのが最優先です。救助隊は常に命がけなのです。「保険があるからいいや」と安易に考えてはいけない。

山岳保険のジロー日本山岳救助機構に加入したという話でした。