携帯トイレは最低限のマナー。富士登山客のモラルとトイレ事情について思うこと

携帯トイレは富士登山のマナー

こんにちは、アキです。

富士山では登山シーズンが終わると山小屋やトイレが閉まります。先日の富士登山で疑問に思った『登山者のトイレ問題』について1人の登山者として考えたところ携帯トイレの導入に至った。

登山者それぞれの価値観の違いはあれど僕なりのマナー考察です。

6回目の富士登山

登山時のトイレ事情

富士山が登山客で賑わう一方で『排泄物の放置問題』が言わずとも知れた話題。

高山では微生物の力では分解されず残ってしまうため排泄物が放置されていると厄介です。富士山だけでなく標高2,500mを超える山域では人間の排泄物は植物の分解処理能力を超えてしまい植生の環境汚染に繋がるそうです。

山ではなるべく野外排泄を避ける必要がある。しかし食べたら出てしまうのが人間、やむを得ない場合だってあるのが事実。トイレのない場所で排泄するしかない。

そうなった場合、持ち帰るように携帯トイレを用意しておくのです。

低山の場合は微生物が喜んで食べてくれる。肥料になりむしろ環境に良いように思えるがティッシュは持ち帰って下さい。排泄物は土や落ち葉で埋めることが前提。

富士山は特別な山である

富士山頂で朝焼け

前提として富士登山では『野外排泄』は禁止事項です。

この禁止事項はシーズン中に限った話なのかどうかで判断が曖昧になると思う。そこで「シーズンオフはトイレがないのだから立ちションするしかない。」と考える登山者もいるはず。

野外排泄を避けるために富士山には公衆トイレがたくさん存在しており、それが使用できないと分かっていてシーズンオフに富士山に入る。ならトイレ対策は十分にできるはずなんです。

ここで富士山について思い出して下さい。

「その辺の山で立ちションをする」ことと「世界文化遺産で立ちションをする」というのは事情が違う。富士山は世界文化遺産、普通の山と同じに考えてはいけない。

小便であっても携帯トイレを持参するのが富士登山のマナーだと僕は思います。

富士宮市は携帯トイレの推奨した上で、シーズン外の登山客のために富士宮五合目に『携帯トイレ回収BOX』を設置しています。ありがたく利用させて頂きましょう。

携帯トイレの推奨について | 静岡県富士宮市

携帯トイレを導入しました

人生で初めて携帯トイレというものに手を出しました。富士山だけでなく普段からザックに常備しておこうと思います。

携帯トイレは種類が豊富で『登山用』に適したものを探して選んだ製品を紹介します。とくに大便と小便は別々で用意したいところ。

ミニトイレ(小便)

携帯トイレ

緊急ミニトイレという製品。

アウトドア、登山、災害、交通渋滞、介護など様々なシーンで使用できる小便用の携帯トイレ。最大吸水量は600mlで大人も子供も使用可能。男女兼用。

吸水バッグの中に排泄すると高吸水性ポリマーによって尿がゲル化されます。使用後は付属のゴミ袋に入れて持ち帰って処分します。

携帯トイレ

1セット無駄になりますがさっそく500mlの水を投入してみます。

携帯トイレ

最大吸水量600mlなので余裕がある。

説明では最大容量に満たしていなければ満杯になるまで繰り返し使用可能ということです。量が少なければ大人が2回くらいは使えそうです。

携帯トイレ

20〜30秒すると水が見えなくなりました。早いです。

吸水中にモミモミすると高吸水性ポリマーへの浸透が早いような気がしました。感触で水がずっしりとした固形物に変わったことが分かる。

携帯トイレ

水はゲル化しているため横にしても溢れることがない。

感触からして安心感があり、例えるなら凍っていない大きめの保冷剤。ひんやりブヨブヨとして気持ちがいい。(実際に使用する際は尿なので生暖かいだろう。)

携帯トイレ

付属のゴミ袋に入れてザックに閉まって持ち帰るだけ。

そのままでも溢れる心配はなさそうですが、ゲル状の物体が溢れたり臭いを防ぐためにゴミ袋に入れましょう。ザック内で袋が破損しないように二重にするという意味もあります。

使用済みの携帯トイレは各自治体のルールに従い「燃えるゴミ」で処分します。

富士山頂上で携帯トイレ

(追記)さっそく富士山頂上にて携帯トイレを使用。

標高3,776mでの放尿は爽快でした。富士登山では高山病対策に水分をガブガブ飲むようにしているため下山までに全部で5個の携帯トイレを消費した。

 

モンベル携帯トイレ(大便)

モンベル携帯トイレ

大便用に選んだのはモンベル ODトイレキット(3個セット)です。

大便用の携帯トイレは登山を想定して慎重に選ぶ必要があります。袋がもろければ破れて中身が出てしまったり、防臭効果が弱ければ臭いが問題になってしまう。

そんな時に参考になる記事を発見したので紹介させて頂きます。

参考にした記事

なんと6種類の携帯トイレを実際にウンコをして比較レビューされています。登山に向いているかを見極めるポイントなどが解説されており大変参考になりました。

【実録】 携帯トイレ使用比較レビュー 【登山・アウトドア】 – のぼるひと

あくまでも登山用なので、携帯性・防臭パックの耐久性を考慮してモンベル ODトイレキットに決めました。そもそもモンベルなので登山用に設計された携帯トイレである。

モンベル携帯トイレ

iPhoneと並べてもこのサイズ感は非常にコンパクトでザックを圧迫しない。

モンベル携帯トイレ

広げてみると防臭袋×1、便袋×1、吸水ポリマー×1というセットになっています。

モンベル携帯トイレ

使い方は簡単。便袋に排泄をして吸水ポリマーを振りかけて水分をゲル化させます。吸水ポリマーを使用するので多少の小便や緩い排泄物でも問題ないということです。

排泄物を固めたら便袋を結びますが、まだ臭いがあるので防臭袋へと収納します。

モンベル携帯トイレ

ダブルチャックの防臭袋へ密封したら一安心。

触ってみた感じ防臭袋の耐久性は安心できる厚さであり、ザックの中で簡単には破けたりはしないだろう。まだ実践していないので防臭効果は確認できていない。

不安なら何枚か追加でビニール袋やジップロック的な袋を用意しておくといい。

モンベル ODトイレキットの欠点は、排泄時に身を隠すためのポンチョが付属していないので必要な方は別途用意しましょう。携帯性の代償です。

 

排泄ゴミ用の外付けバッグ

モンベルガベッジバッグ

携帯トイレを探していると関連商品に便利そうなアイテムを発見。

モンベル ODガベッジバッグ4Lという外付けバッグをポチりました。

携帯トイレとモンベルガベッジバッグ

ザックへの取り付けは簡単。

これはザック内に入れたくないゴミ類を収納するための外付けバッグで、使用済みの携帯トイレゴミを収納する使い方ができます。ザック内で荷物に圧迫されたゴミ袋が破損する可能性もあるため外付けバッグはナイスアイデアだと思う。さすがモンベル。

もちろん食事ゴミ(カレーとか)なども臭いや汚れが心配なときはガベッジバッグが有効です。

※リンク貼ろうと思ったら在庫切れでした。

まとめ:ゴミの山 富士山

「ゴミの山」とも呼ばれた富士山が世界文化遺産に登録されたのも多くの人の環境保全活動があっての結果。しかし『自然遺産』ではないという事実。富士山の環境問題にはまだ課題が残っており、今も保全活動に勤しむ方々に水を差すようなことはできない。

「形に残らないからいいだろ。」と言わず、一人一人の姿勢が大切だと思う。いつも「美しい」と言って撮影している富士山に小便を垂れ流すのっておかしいじゃないですか。

僕には『保全協力金を払うこと』と『ゴミを残さない』くらいしかできることはありませんが、でも皆がこれだけのことを守れたら富士山はもっと綺麗なんだろうなと思います。無理だけど。

いつ便意に襲われてもいいように携帯トイレは常にザックに1つ忍ばせておきたい。交通渋滞や災害時にも役に立ちますよ。

以上、携帯トイレを導入したという話でした。