富士登山2018:須走ルートを弾丸ナイトハイクしてパール富士を狙う

6回目の富士登山

こんにちは、アキです。

8月下旬、初めての須走ルートで富士山ナイトハイクをしてきました。

今回の富士登山での狙いはパール富士です。

タイミングよく満月を撮影しつつ富士登山をエンジョイしようという回になります。

須走口5合目までのアクセス

須走多目的広場駐車場

須走ルートで富士登山をする場合は須走口五合目からスタートするのが一般的です。

マイカー規制中は『ふじあざみライン』が一般車両乗り入れ規制のため『須走多目的広場』から運行しているシャトルバス・タクシーに乗車して須走口五合目まで移動することになります。

※平成30年のマイカー規制は7月10日〜9月10日

名称 須走多目的広場
所在地 静岡県駿東郡小山町須走484-116 Google Map
駐車台数 約500台
駐車料金 1台1回につき1,000円
運賃
  • シャトルバス:往復1,800円(小人900円)
  • タクシー:3,570円〜4,140円(夜間2割増)

※タクシーは24時間利用可能

時刻表 【乗換駐車場→5合目】朝5時〜夜20時
【5合目→乗換駐車場】朝6:45〜夜19:45
【所要時間】30分
【運行時間】30分間隔(一部60分間隔)

平成30年度マイカー規制パンフレット(PDF)

詳細HP 静岡県/富士山マイカー規制
備考
  • 「道の駅すばしり」から約200m
  • トイレあり
  • 自動販売機あり

マイカー規制中は『道の駅すばしり』から約200mのグラウンドが『須走多目的広場』として登山客用の駐車場に使用されます。グランドなので地面は舗装されておらず雨天時はぐちゃぐちゃになるような場所です。

ナイトハイクをする場合は最終の20時までのシャトルバスに乗車する必要があります。最終を逃すとタクシーでの移動になるため注意です。(僕は18時発のシャトルバスに乗車しました。)

シャトルバスの往復券は吉田口(2,000円)よりも200円安い。

  • 駐車場代:1,000円
  • バス往復券:1,800円
  • 保全協力金:1,000円
  • 合計:3,800円

シーズン中の須走ルートをマイカー利用で富士登山をするには最低でも3,800円の費用がかかります。富士山が好きなのであれば保全協力金には必ず協力しましょう。

富士登山の記録

登山日程:2018年8月26〜27日

8月27日の御来光は5時ちょい過ぎ、それまでに頂上でスタンバイすれば良いので時間には余裕がある。夜は長いので朝まで時間をかけて登っていきます。

高山病対策に飲水はペットボトル5本(合計2.5L)を用意したので、寒くてもこまめな水分補給は欠かさないように心がけた。

コース詳細はヤマレコ投稿からどうぞ。寒さでiPhoneが落ちてしまい登山ログが記録できなかったけど、記録写真の撮影時刻からだいたいのコースタイムを手入力しました。

富士山を弾丸ナイトハイク(須走ルート) – 2018年08月26日 [登山・山行記録] – ヤマレコ

初めての須走ルートをナイトハイク

須走多目的広場のシャトルバス

スムーズに須走多目的広場へと到着したので18時発のシャトルバスへ乗車。同じくナイトハイク目的のハイカー達も乗車していた。

この標高では霧が発生しているが高いところでは晴れている。天気予報やGPV等はチェック済み。

須走口5合目

シャトルバスに揺られること30分、須走口5合目に到着。

須走口は小ぢんまりとした茶屋が数件並んでいる程度なので吉田口ほど賑わっていない。それでもナイトハイク組ハイカーが高度順応をしながらスタンバイしている。僕も食事をしたりダラダラ過ごしていたところであることに気がついた。

須走口5合目は標高1,970mである。

富士宮口(2,400m)や吉田口(2,305m)と比べると335〜430mほど低い位置にいる。須走ルートで高地順応をするならもう少し高いところまで登った方がよかったかもしれない。

須走口5合目で富士山保全協力金

高度順応で1時間滞在したところでそろそろ出発。

その前に保全協力金1,000円を支払って缶バッチを頂いた。

須走口5合目では登山道入り口に検問のように支払場所があるので支払いをスルーするのは難しいだろう。ナイスだと思う。深夜は無人かもしれないけどなるべく協力しましょうね。

須走口5合目からナイトハイク

19時45分、登山スタート。

須走ルートは「自然を満喫できる」という特徴があり、富士登山でありながら序盤は樹林帯の中を歩けるコースになっています。しかし夜なので何も見えない。

須走ルートで富士登山

ライトで照らせば周囲が樹林帯であることが分かるが、考えてみると富士登山以外では樹林帯を歩くことが多いのでとくに新鮮味は感じない。

登っていくと砂払5合目 吉野屋へ到着したが何かおかしい。吉野屋は下山コース上にあるはずだから僕はコースを間違えていたことに気がついた。

須走ルートでは登山用・下山用とコースが分かれている区間があり、僕は間違えて下山コースを登っていた。分岐を見逃した上に下山コースに気が付かずに砂払5合目まで来てしまった。(このまま登っても問題はありませんが。)

ヤマレコMAPの「みんなの足跡」のおかげで登山コースへの合流道が見つかりすぐに軌道修正することができた。

しかし反省点が1つ。

ナイトハイクはもっと慎重にならないとなぁ。

須走ルートの樹林帯

新鮮味のない樹林帯が続く中でメリットに気が付いた。

木々が風を遮る「風除け」になってくれたので樹林帯の中では寒さを感じずに登ることができる。気温の下がるナイトハイクでは樹林帯がありがたい効果を発揮していた。

須走本5合目

スタートから約1時間、新6合目 長田山荘(標高2,425m)に到着。

小屋前には外人パーティとソロハイカーの2組が休憩している。僕も少し休憩。標高的にはここで高度順応するとちょうど良さそうだ。

須走ルート太陽館

7合目 太陽館(標高3,090m)

高山病にかかりやすくなるリミット標高(3,000m付近)を超えた。こまめな水分補給をとることが高山病対策になるというのは前回の富士登山で検証済み。

喉が乾いていなくても水を飲んでおきます。

須走ルートからの夜景

満月の月明かりが下界を明るく照らす。

ヘッドランプ無しでも登れそうなくらい周囲の状況がよく見えている。ブレているけどコンデジの手持ち撮影でも照らし出された夜景を撮影できた。

この地点ではハイカーも山小屋も少なく静かで登りやすい。

須走と吉田の合流地点

吉田ルートとの合流地点が近くなり賑やかな雰囲気を感じられる。賑やかというのは山小屋の発電機のブーンという音が増えてきたということです。

0時40分、本8合目 胸突き江戸屋(標高3,370m)を通過。スタートから4時間が経過しているがペース的にはかなり遅い。だがそれでいい。

富士山吉田口頂上

2時28分、吉田口頂上に到着。

標高差1,800mを約7時間かけて登ったけど、御来光までは2時間以上あるのでもっとゆっくり登ってもよかったなと思う。御来光までの時間を正直に頂上で待つ必要がない。トイレを確保できる場所で時間を潰した方がいい。

しかし頂上にあるトイレは朝4時まで入れないと思っていたけど、吉田下山コース入り口前のトイレが夜中でも入れたので助かった。これで頂上で待機していてもトイレには困らない。

富士山頂でパール富士狙い

iPhoneアプリで満月の位置を確認しながら撮影場所を探すわけだけどまさかのトラブル。

寒さでiPhoneが落ちた。

iPhoneが使用できないだけで随分と不便になる。撮影場所の確認ができなくなる以外にもヤマレコMAPの登山ログが中断した。もしも初見の山だったらGPSマップアプリが使用不可なのもイタい。

僕のiPhoneはバッテリーの劣化で尚さら寒さに弱かったのです。後日Apple認可修理店でバッテリー交換をしました。

年内はiPhoneのバッテリー交換が3200円に減額!予約方法や持ち込み時の注意点など

剣ヶ峰に沈む満月

寒さと強風を凌げる場所で待機しつつ頃合いを見て移動。ある程度は撮影場所を把握していたからiPhone無しでも困ることはなかった。事前の情報収集は大切です。

しかし満月は左寄りに沈んでゆく。

撮影可能な登山道からだと崖や岩山が遮る関係でこの位置がどうしても限界だ。

富士山頂上からパール富士

これより右へズレると撮影不可になる。

少し岩山をよじ登れば位置調整をして撮影できそうだが、登山道から大きく外れるのはモラル的に良くないと判断して止めておいた。どちらにしても強風をもろに浴びる場所へ出るのが危険だ。

180827_DSC_3341
馬ノ背を転がり落ちるコロコロパール富士を激写。

数分早かった御来光が剣ヶ峰や山肌を赤く染めてゆく。赤富士パールと言えばそうなる。剣ヶ峰付近から御来光を眺めているハイカー達に言いたい。志村〜!うしろ〜!

地上からは見えない富士山の裏側にはユンボまであるんですよ。

それにしても手ぶれ補正も意味をなさない強風でブレブレ写真を大量生産してしまったな。

富士山から御来光と山中湖

満月が5割沈んだところで振り返って御来光の撮影。

太陽の放つ光のシャワーが地表に降り注ぐ様子が光芒で表現される。この光のシャワーを1番ありがたく思うのは自分。あったけえ。

山中湖に少し被っている岩影は紛れもなく富士山の一部なのでこれは富士山写真である。

みんなこの景色を見るために世界中から登りに来るんですよね。僕も何度見ても飽きません。

お鉢巡りの話

富士山のお鉢巡り

例のごとく尿意がハンパないので撤収して富士宮口頂上のトイレ(300円)を目指した。

ふと思ったけど、山小屋やトイレの閉まっている時期に富士登山をするハイカーはトイレはどうしているのだろうか。携帯トイレ…ペットボトル…立ちs…ふーむ。

富士登山

馬ノ背の前まで来ると剣ヶ峰を目指すハイカー達の行列ができていた。剣ヶ峰の火口対岸からスタートしたので出遅れてしまったのだ。

みんな目指す場所は一緒。もうひと頑張り。

行列のできる剣ヶ峰

行列のできる剣ヶ峰。

剣ヶ峰もインスタ映えスポットなのだろうか。

僕はどうしても立ち寄りたいわけではなかったのでスルーしました。お鉢巡りでは御来光の前に剣ヶ峰に来てしまうのが行列を回避する効率的な回り方である。

お鉢巡り

行列を過ぎると登山道はガラガラになり剣ヶ峰人気の高さが伺える。

剣ヶ峰の次はスーパー影富士スポットを目指します。このコースを歩き進めれば圧倒的存在感を放つ影富士に誰もが目を奪われ立ち止まってしまうだろう。

影富士

天候に恵まれ影富士はくっきりと浮かび上がり圧巻。

空気が澄みわたり南アルプスの向こうまで見渡せるほどで、赤石山脈や安倍奥の山域がはっきりと視認できるレベルです。七面山の大崩壊地『ナナイタガレ』が目立っている。

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影富士の頂上左側に見えているのは田貫湖。

ダイヤモンド富士の期間を終えたばかりでまだ近くにあるが、期間中であれば影富士の中心に田貫湖が重なるわけです。来年は中心に重ねた『逆・田貫湖ダイヤ』の撮影に挑戦したい。

田貫湖には湖岸から撮影している富士山カメラマンがいるはず。これが撃ち合いというやつか。

下山の話

お鉢巡りする前にはすでに持参していたペットボトル5本は飲み干していたので下山前に頂上の500円ドリンクを購入した。次回は6本以上は用意しておかないとな。

6時半頃、お鉢巡りを終えて下山開始。

下山コース入り口は吉田口と須走口は同じになる。8合目でそれぞれにコース分岐するので間違えないように注意したい。

吉田口・須走口の分岐地点

シーズン中なので案内人が分岐地点で待機していた。

眺めているとほとんどのハイカーは吉田ルートへと進むため、須走ルートへと進む数少ないハイカーに声掛けをしている様子だ。この声掛けで外国人ハイカーの道間違いが減少しているだろう。

須走の下山道

しばらくは吉田ルートと同じようなジグザクの下山コースが続いた。

砂礫の道はクッション性があり歩きやすくサクサク足が進む。

砂走り

7合目の太陽館を過ぎると『砂走りエリア』が始まる。

ふかふかな砂礫がクッションとなり駆け下りても脚への負荷を軽減してくれる。砂払5合目付近まで続く砂走りを駆け下りれば下山タイムを短縮できます。

あくまでも「走ることができるだけ」なので走れば当然疲れる。無理に走る必要はないと思う。

少し走ってみたが須走ルートの『砂走り』は大きめな石が多く走りづらい。砂礫に混じった大きめの石を踏めば足を挫いてしまう危険もあるので無理をしないことをおすすめします。
須走ルートから見た富士山

砂走りが終わると砂払5合目に着き、この先は再び須走ルート特有の樹林帯に入るためここで文字通り全身の「砂を払う」ことになる。

樹林帯に入る直前に振り返ると富士山がドンと構えているのでお別れの挨拶。登りはナイトハイクだったから見られなかった景色だな。

須走ルートの樹林帯

下山時間3時間で須走口5合目へ帰還。

タイミングよく下山直後にそのままシャトルバスに乗車したので記録写真はこれでおしまい。今回の須走ルートでの富士登山を無事に終えました。

まとめ

初めての須走ルートだったので樹林帯など新鮮な富士登山でした。

序盤にルート間違いをしてしまったが、もし別の山だったら致命的なミスになりかねないため反省点として今後の登山の課題にしよう。(もっと予習をしてコース状況を頭に入れておくなど。)

狙いのパール富士はイメージに近いシチュエーションで撮影でき、それ以外の景色も毎回見ているようで毎回違うんですよね。富士登山は登る度に新しい発見があって楽しい。

須走ルートは空いていて静かで自然の中を歩けるルートです。吉田ルートの人混みにウンザリしたという方、来年の富士登山は須走ルートを選択肢に入れてみて下さい。

須走ルートでパール富士狙いで富士登山をしてきた記録でした。