こんにちは、アキです。
平成最後の富士登山にてはじめてのシーズンオフに挑戦してきました。
7月に吉田ルート、8月に須走ルートを登っており今年は月1ペースで3回登った。ただしそれ以外の山は登っていない。登る毎に富士登山の楽しさを発見してしまい何度でも登りたい衝動に駆られてしまったのです。
これまでと環境とは異なる閉山後の富士登山のために整えた準備や、守るべき注意事項もまとめています。
もくじ
シーズンオフの富士登山について
閉山後の富士登山は「万全な準備」が必要になる。シーズン中と違って山小屋は営業していない、6合目以上にはトイレもない。食事や飲水も買えないことも計算に入れないといけない。
僕はシーズンオフに備えてあらためて整えた「万全な準備」が3つあります。
- 携帯トイレの導入
- 登山計画書を提出する手段の導入
- 最低限の山岳保険への加入
富士宮口五合目に関しては携帯トイレ持参を推奨した上で回収BOXを設置している。厚意を無駄にせずに携帯トイレを必ず使用しましょう。
食事類、服装や防寒具はシーズン中でも同じことの言える当たり前なことなのでとくに「万全な準備」には含みませんでした。
- 万全な準備をしていない場合は登山禁止。
- 携帯トイレを持参して排泄物は必ず持ち帰る。
- 登山計画書を必ず作成・提出すること。
富士宮口5合目までのアクセス
シーズンオフのメリットはマイカー規制がなく富士宮口五合目まで車で行けること。
駐車料金やシャトルバス料金が不要のため閉山直後の9月はまだ登山客で賑わう。星の撮影に訪れるカメラマンも増えるため深夜でも車が多い。
週末などは駐車場が混み合うこともあるので注意したい。
名称 | 富士宮口五合目 |
所在地 | 静岡県富士宮市北山 富士宮口新五合目 Google Map |
標高 | 2,400m |
駐車場 | 約350台 |
駐車料金 | 無料 |
営業施設 | 五合目レストハウス
7月中旬~8月下旬:食堂6:00~18:30 売店6:00~21:00 |
詳細HP | |
備考 |
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マイカー規制が終わると水ヶ塚公園の駐車場は無料開放にもどる。富士宮口五合目までの富士山スカイラインの通行料は無料である。(吉田側の富士スバルラインは有料になる。)
保全協力金を支払う必要もなく入山できる。インターネットやコンビニからも納付はできるが徴収期間は6月〜閉山までとなっている。
駐車料金:0円
通行料金:0円
保全協力金:徴収期間外
合計:0円
閉山後の富士宮ルートで登山するには基本的に無料でした。
富士登山の記録
シーズン中とは事情が異なるため無難な登山計画を立てた。
僕にとって9月の富士山の寒さは未知。
その環境で「御来光待ち」という待機時間を作ってしまうのは危険に思い、登っている途中で御来光を見つつ頂上を目指すという計画にした。2時頃に出発して9合目〜頂上くらいで日の出を迎えれば無駄に足を止めずに済む。
今回はiPhoneのバッテリーが落ちることなく登山ログを記録できたのでコースタイム詳細などはヤマレコをどうぞ。
富士山(富士宮~御殿場~宝永山)初のシーズンオフ – 2018年09月19日 [登山・山行記録] – ヤマレコ
寒さを警戒して遅めのスタート
行動食は『柿の種』と『チョコフレーク』を混ぜたもの。本当は『柿の種チョコ』を混ぜたかったがコンビニに置いていなかったのでチョコフレークで妥協した。
フルグラには飽きてしまった。
深夜2時頃に登山スタート。
もちろん登山計画書をオンラインで提出した。登山届け・下山届けがスマホ1つで完結するのは便利な時代ですね。
義務化に備えて!『コンパス』で登山計画書をオンライン提出する方法
富士宮ルートでは6合目から通行禁止になっていた。
閉山後も宝永山遊歩道コースは開放されているため6合目までは誰でも訪れることができる。(日中は6合目の宝永山荘、雲海荘も営業していた。)
写真のトイレ裏から登山道に抜けられることをヤマレコで確認していたのですぐに分かった。抜け道といってもガイドロープの張られた正式な回り道です。
新七合目御来光山荘(標高2,780m)
閉山後の山小屋を見るのは新鮮だ。山小屋前にあったベンチやガイドロープも撤去されているので、踏み外せば段差から落下してしまうので夜間は注意が必要。
最初の休憩がてらドリンクの紹介。
高山病対策にガブガブ水分補給をするようになったが500mlペットボトルをたくさん用意するのはコスパが悪いことに今更ながら気がついたのです。
今回は2Lペットボトルを持参してナルゲンボトルに補給していく方法にしてみた。500ml×4本よりも圧倒的に安い。(ミネラルウォーターでよかったなぁ。)
元祖七合目山口山荘(標高3,010m)
最短ルートなのであっという間に標高3,000mを超えた。わずかにある風が冷たくソフトシェルの下にフリースを着込むが登っていると暑くなる。
今のところ別ハイカーに会うことがないが、頂上方面を見上げると先行者のヘッドライトがチカチカ光っているのが見えていた。
八合目池田館(標高3,250m)を過ぎると、そろそろヘッドライト無しでも登れる明るさに。
過去の富士登山ではすべて頂上で御来光を見ていたが、この時刻にまだ登っているという計画も新鮮で良いものだ。少し計画を変えるだけで富士登山の楽しみ方が増えていく。
九合目万年雪山荘(標高3,460m)
5時半頃、日の出前には9合目に到着。思い出の詰まった山小屋だ。
この辺りでようやく1人の先行ハイカーに追いついたり、後発のハイペースなハイカーに追い抜かれたりして登山客の気配を感じられた。
9合目を少し過ぎると計画通りの御来光となり撮影タイム。
一面に広がるふわっふわの雲海が3,000m近くまでありそうだ。
無風に近くて寒いこともなく、気温が上がり始めて気持ちが良い。8月の富士登山の方が強風で寒かったくらいだ。
九合五勺胸突山荘(標高3,590m)
宿泊するのなら一番好きなのが胸突山荘。混雑していても寝具がシュラフなので助かるし、頂上まで近いので気が楽である。
過去に2回お世話になっている。
太陽が低いと足が長く見えるからいいよね。
15頭身以上はあります。
振り返ると絶景だもんで足が進まなくなる。ここでのペースダウンは計算外。
山小屋や宝永山火口を見下ろす構図でいかに雄大な雲海景色なのか伝わるかな。
もたもたしていると先行の2パーティが下山していった。
6時50分、富士宮口のゴールとなる最後の鳥居に到達。
約5時間とコースタイム通りというペースだ。
「コースタイムを短縮するのが正義」だと思っていた時期もあった。最近は登山ペースが遅くなった気がするが「バテない登り方」を意識しているところもある。
タイム重視というガチ勢の楽しみ方もあるが、僕はあくまでもエンジョイ勢。
頂上へ登ることに体力を使い切るというのは危険なこと。そこはまだ折り返し地点なのだから。ましてこれから撮影もしたいわけなので、いかに体力を温存して登るかを意識するようになった。(宿泊のときは別だけどね。)
力の許す限りの全力ペースで登っていた数年前よりも登り方が変わったな。若さでカバーできなくなったということか。しみじみ…
頂上浅間大社奥宮へ到着。
居たのは途中で追い抜いていったハイペースハイカーさんだけ。ガラガラで新鮮だ。
ここで休憩しているハイカーさんを抜き去り、僕は剣ヶ峰へと向かう。
まさにウサギとカメ。
(僕が勝手に競い始めただけ。)
ガラガラの山頂が新鮮
カラッとした秋のような空気感が気持ちがいい。
写真中央にある小汚い水溜りは『コノシロ池』という名前のある池だったことを最近知った。ググってみればコノシロ池に映る「逆さ富士」の写真も出てくる。
富士登山は奥が深いな、まだ知らないことだらけだ。
過去の富士登山の記録にもたびたび名前だけ登場していた富士宮口頂上トイレさん。
何度もお世話になっている思い出のトイレだが当然閉まっている。今日は携帯トイレを持参しているので好きな場所で放尿できるのだ。
携帯トイレは最低限のマナー。富士登山客のモラルとトイレ事情について思うこと
携帯トイレの紹介記事には、ゴミ用外付けバッグをザックへ取り付けている様子などの写真を追加しています。
剣ヶ峰まで誰とも会わず独り占め。
測候所は少し改修された様子で、真新しい木製の壁が目立つ。荷物を置いたり人が乗ったりしていた段差が塞がれているようだ。(そういった意図なのかな?)
飛び込みたくなるようなふわっふわの雲海。
雲の上にあるのは富士山だけのようだ。
剣ヶ峰から見た三島岳。
富士山頂上には八神峰という8つの峰があり、剣ヶ峰も三島岳も含まれる。
望遠レンズで覗いていると「これだ!」と発見した構図をがっつりと好みのレタッチで仕上げてみた。三島岳から雲海へのまっすぐな視線誘導ができたんじゃないかな。理想としては、ハイカーが歩いていたらスケール感が伝わりやすくてよかった。
ピークに鳥居があるのがお気に入りポイント。あそこまで行けるらしい。
これも立派な富士山写真だ。好きすぎてiPhoneの壁紙にした。
剣ヶ峰を満喫したら恒例のお鉢巡りタイム。
登山道にはところどころ霜が降りていたが、無風のため寒いという印象はない。この日はダウン類を一度も取り出していないほど。
ピーカンだと思っていたが、いつの間にか広がった雲が太陽を遮ってしまい影富士は撃沈となりました。
この時間に見えていたのか分からないけど。
太陽が隠れると空気が冷たく感じるが、動いていればどうということはない。
誰にも会うことなくお鉢を歩き進める。
吉田口の頂上付近でようやく他ハイカーに遭遇した。
山小屋の影でテント泊している方もいました。何泊するのだろうか。
そもそもテントはいいのかな?
東側も大雲海が広がる。
富士山頂上から見ると360°すべて大雲海で埋め尽くされていた。
御殿場口〜宝永山ルートで下山
8時50分頃、御殿場ルートで下山開始。
頂上には約2時間ほど滞在していた。
富士宮口も御殿場口も通行禁止になっているが避けて通ることになる。
どこまで雲海が広がっているんだろう、と思わされる景色を眺めながら下山していく。
というかこの雲海を抜けて下界に帰るのです。
その雲海の中へ突入。
7合目からガスってきたので3,000mの雲海だったようだ。
御殿場ルート名物の「砂走り」が始まる。
足がズボッと沈むことで一歩を大きく駆け下りれるという道。
勢いよく駆け下りて分岐を間違えないように注意。
この分岐で宝永山火口(右)へ進む。過去に一度だけ分岐を左に駆け下りてしまった経験がある。視界が悪いときは注意が必要だ。
宝永山火口底まで来るとハイカー達で賑わっていた。
宝永山遊歩道コースが人気のようだ。
小学校かクラブの大勢の子供達とすれ違ったが、ちゃんと指導されているようで9割くらいの子供たちが挨拶をしてくれた。こちらが上り坂だったため大勢の挨拶を返すのがしんどかった。
12時前には5合目へ到着。
コンパスから下山通知を完了させて無事に富士登山は終了。
なぜか下山後の5合目が一番寒いという結果に。
まとめ:まだ半分も楽しめていない
かれこれ7回目の富士登山でしたが登るたびに新しい発見があります。何回も登らないと富士登山のすべてを楽しむことはできない。
来年はまず八神峰ピークハントに、残された御殿場ルートでの登頂や、数あるマイナールートにも挑戦してみたいな。焼印コンプリートも楽しそうだ。
まだまだ冒険ができると思うとワクワクが止まらない。(厳冬期は絶対に挑戦しないけど。)
こうして平成最後の富士登山が終わりました。
①【富士登山2014】初登山が富士山!なぜか雨の中を単独で富士登山した話
②【富士登山2015】一人で登ったのに下山時は三人だった富士登山の話
③【富士登山2016】初の二人での富士登山と初の “影富士” の話
④【富士登山2017】富士山の頂上で食べるカップ麺は格別だった
⑤【富士登山2018】一番人気の吉田ルートではじめての弾丸ナイトハイクをしてきた
⑥【富士登山2018】須走ルートをナイトハイクしてパール富士を狙ってきた
⑦【富士登山2018】平成最後!富士宮ルートではじめてのシーズンオフ