こんにちは、アキです。
5回目となる富士登山の記録です。2014年に “はじめての登山” として富士山を登ったのが早いことに4年前の話。その後に自分で決めた『毎年恒例』という行事化も継続しています。
今回は少し事情があり富士宮ルート以外で登ることになった。
富士宮ルートしか登ったことがなかったため今回は無難なところで吉田ルートを選びましたが、今回はそれに加えて弾丸ナイトハイクにも挑戦してみました。宿泊無しでの富士登山は初めて。
富士登山の記録
登山日:2018年7月23日〜24日
弾丸ナイトハイクなので日を跨いでいますが宿泊無しです。富士登山ではよく「弾丸登山は禁止」と声掛けされていますが、僕のケースはそれに該当しないため自粛する必要はないと判断しています。
僕は昼に睡眠をとってきたので問題はありません。弾丸登山を「徹夜」とするなら僕のケースは「夜勤」なので少し事情が違う。弾丸ではなくただのナイトハイクと言えばそうなる。
無茶はしないようにお願いします。
コースタイム詳細などが気になる方はヤマレコの山行記録もどうぞ。
富士山を弾丸ナイトハイク(吉田ルート) – 2018年07月23日 [登山・山行記録] – ヤマレコ
富士スバルライン5合目までのアクセス
吉田ルートで富士山を登山するには富士スバルライン5合目からスタートするのが一般的です。
マイカー規制中に富士スバルライン5合目へとアクセスするにはバスやタクシーを利用する必要があり、僕のようなマイカーの場合は富士北麓駐車場を利用することになります。駐車場からはシャトルバスかタクシーで往復することができます。
名称 | 富士北麓駐車場 |
所在地 | 山梨県富士吉田市上吉田字剣丸尾5597-84 Google Map |
駐車台数 | 約1,400台 |
料金 | 1台1回につき1,000円 |
運賃 |
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時刻表 | シャトルバス時刻表(PDFファイル) |
詳細HP | 山梨県立富士北麓駐車場のご案内 |
備考 |
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土日祝日やお盆連休の時期は駐車場が満車になる可能性があるので予定よりも早めに訪れることをおすすめします。
ナイトハイクをする場合は最終までのシャトルバスに乗車する必要があるので、時刻表にて最終時刻を確認しておいて下さい。(PDFで配布されていますが富士北麓駐車場でも貰えます。)遅い時間だと手段がタクシーになりますが、料金がかなり高額になってしまうのでタクシー移動は避けたいところ。
僕は18時発のシャトルバスに乗車して富士スバルライン5合目へと出発しました。登山客はガラガラだったけど明らかに登山をしない外国人観光客ファミリーなども乗車していた。
バスに揺られること40分程で富士スバルライン5合目へ到着した。1時間くらいかかるかと思っていたが早いことに越したことはない。
富士山を見上げると月が沈もうとしていた。高山病対策のためにここで1時間以上は滞在して高度順応してから登山スタートになります。まずは食事をしたりして時間を潰した。
この時間のうちに富士山保全協力金1,000円を払っておいた。富士スバルライン5合目で保全金を払うとまさかの木札が手に入った。これまで缶バッチしか貰ったことがなかったので地味に嬉しくさっそくザックにぶら下げた。
高度順応のために座り込んでぼけーっとしていると同じくナイトハイカーがぞろぞろとスタートしていくわけですよ。中には保全金を払わずにスルーしていく人もいてガッカリします。人の手で整備されている登山道をこれから登ろうっていうのに保全金をスルーできる神経が理解できない。
20人位の団体のリーダーぽい人が「ああ、下山した時に払うよ」と言ってぞろぞろ行ってしまった。それ絶対払わんやん。徴収のおじさんも分かっているようで「また逃げられたハハハ」と。胸が痛む…「また」って…
徴収は頑張ってもらいたいが闇雲に声掛けしても協力者からもヘイトが集まるだけな気もするので、ザックに缶バッチ・木札が付いているかどうかくらいはチェックした方がいいと思う。
- 駐車場代:1,000円
- バス往復券:2,000円
- 保全金:1,000円
- 合計:4,000円
マイカー利用でシーズン中に富士登山するためには宿泊無しだとしても最低でも4,000円の費用がかかることを頭に入れておいて下さい。保全金には協力しましょうね。
吉田ルートでナイトハイク
20時頃、暗くなった富士スバルライン5合目をスタートしました。
今回の富士登山では1つ検証したいことがあった。
調べていると高山病対策にはこまめな水分補給が大切だということを知ったので、水分補給に重点を置いての登山になる。過去には山頂までペットボトル500ml×2本ほどの水分補給で登っていたところ、今回は5本は用意しておいたのでガンガン飲もうと考えている。
こまめな水分補給で本当に高山病対策になるのかどうか。(結果は後ほど)
というか5合目で滞在している間に500mlを1本すでに飲み干していた。残り4本。
初めて登る吉田ルートで驚くのが山小屋の多さ。少し調べただけでも吉田ルート側だけで5合目〜山頂までに20件以上 の宿泊可能な山小屋がありました。
ちょっとした旅館街のような感じ。それもあってナイトハイクでもかなり安心感があります。
分かっていたがやはり外国人ハイカーがとても多い。山小屋の中だったり外のベンチで休憩しているのはほぼ外国人だ。5合目で見かけていた日本人ハイカーは何処へ…というレベルで。
夜になると富士山は冷え込みます。7合目まで登ってくると半袖ではキツくなるのでフリースやウィンドシェルなどを着込んだ。
周囲には寒そうなスカート姿の外国人女性の姿もありました。ビニールガッパを防寒具に着ている人もいるがまだへっちゃらそうだ。外国人は本当にタフだな。日本人とは体の作りが違うのだろう。
8合目の太子館(標高3,100m)前にて。いつの間にか標高3,000mを超えていましたが今のところ頭痛は無し。ペットボトル500mlは3本目です。けっこうなペースで水分補給しています。
22時頃になるが山小屋の売店が開いている。ここでカップヌードルを購入している外国人ハイカーが多かったが想定外の寒さに驚いているのかな。御来光まではまだ長いので無茶はしないでもらいたい。
山小屋の売店は何時まで開いているのだろう。こういった登山客が夜中ずっと居ることを思うと24時間営業なのだろうか。けっこう儲かるだろうな。カップヌードルの需要が高すぎる。
僕的に1番良い雰囲気だなって思った山小屋は『本八合目胸突 江戸屋』かな。
(外装しか見ていませんが)夜中のライトアップの雰囲気とか佇まいとか少しお洒落に感じた。他の山小屋と違って建物の前のスペースが広々としているのもGoodだ。
須走と吉田の分岐辺りにある山小屋です。
深夜0時50分に吉田口頂上へと到着、5合目から僕の足で5時間くらいかかりました。
2018年7月27日には富士登山競走が行われてなんと1位のタイムは2時間39分という。しかもスタート地点が富士吉田市役所前(標高770m)からの標高差3,000mコースなんです。変態やな。
吉田口頂上はまだガラガラで誰もいない。日の出が近くなれば登山道が渋滞したりと混み合うのでガラガラの時間帯に登ってしまうのが1番良さそう。
富士山の頂上で富士山撮影
今回の富士登山一発目の撮影は剣ヶ峰から登る天の川と月の入り。
吉田口頂上から時計回りで剣ヶ峰を目指す際に月が現れたので急遽カメラをセッティングして撮影タイムに入った。5合目で見ていた月は沈んだはずだったが頂上まで登ったら再会することとなった。
強い月光があっても肉眼でも見えるレベルの天の川が綺麗でした。もう少し位置をズラせば剣ヶ峰パールになるけど、けっこう息を切らしていたので動くのはやめた。
途中で撮影タイムを挟みつつも深夜1時50分頃に剣ヶ峰に到着。正真正銘の3,776mです。
この時間にはまだ誰もいなかった。独り占めの剣ヶ峰でバルブ撮影をして時間を潰すことに。
試し撮りをしてみると北極星があったので構図に入れて30分のバルブ撮影をしました。バルブ撮影を一発で成功させるために使用しているのは『長時間露光計算君』というスマホアプリです。適正なシャッタースピードを算出できるので、あまり星撮りをしない僕でもミスなくバッチリ撮影できるので重宝している。
長時間露光計算君!計算アプリを使用して星の軌跡をバルブ撮影してみた
何枚か撮影をしたところであまりの寒さだったので、風の当たらない場所へと退避して明るくなるまで待機することにした。あとは御来光を拝むだけ。
ただ1つ気がかりだったのが「尿意」である。結構きつい。高山病対策に水をガブガブ飲んだのと寒さのせいでトイレが近いのだ。トイレへ行くには少しだけ下山する必要があり、馬ノ背をもう一度登り返すのが非常にダルいから動きたくなかった。(しかも山頂のトイレは朝4時に開くから結局待たされる。)
4時を回って御来光まであと30分というところまで悩んでいたが、この時間にトイレに下山してしまうと剣ヶ峰まで登り返す時間はないが…
僕はトイレを選んだ。
剣ヶ峰で最後に撮影したのはこの1枚。
正確には9枚を合成していますけど。
剣ヶ峰から火口全体を撮影するにはけっこうな広角レンズじゃないと収まらない。僕の手持ちレンズ最大で16mmだったけど全然収まらなかったので3枚をパノラマ合成したわけですが、そのパノラマ合成用の3枚も1枚1枚はHDR合成(3枚)しているので全部で9枚になります。
御来光を諦めて馬ノ背を駆け下りた僕はトイレ(300円)に直行。
トイレを済ませて外へ出ると北側の空に広がる雲がオレンジ色に染まっていた。トイレ正面の火口前でカメラをセッティングをして撮影を始めた。あのまま剣ヶ峰にいたら見られなかった光景だと思う。(ピーカンの西側の空ばかり集中していたため。)
トイレ前から朝焼けと剣ヶ峰を撮影。その後「御来光だー」なんて歓声の聞こえる中、僕のいる場所からは御来光は見えず。次回にお預けとなった。
でもトイレまで下山したからこそ見ることのできた景色もあるわけなので結果オーライということで。御来光は過去にも見ているし。と自分に言い聞かせる。
影富士を見るために再び馬ノ背を登り返している途中すでに影富士が見え始めていた。この日は太陽を遮る雲が皆無だったのでクッキリとした影富士が期待できるぞ。
ちなみに『馬ノ背』というのは剣ヶ峰を目前に現れる急登です。傾斜はさておき滑りやすいのが怖い。最後の最後に現れる馬ノ背は富士登山におけるラスボスのような感じです。(お鉢巡りを反時計回りに進めば急登は回避できます。)
馬ノ背を登りきり剣ヶ峰はスルーしてお鉢巡りコースを進む。もう少し進んだ先の「西安河原」周辺が影富士ポイントになる。富士山頂にはいろいろ名称があるので登山マップを見ればすぐに分かる。
今年は残雪が少ないな。
目の前にもう一つ富士山があるかのようなクッキリとした影富士は圧巻。正直言うと御来光よりも影富士のが楽しみなんです。富士山のこのシルエットが好きなんです。
7月24日の御来光の時刻が4時50分くらいとして、この影富士の撮影時刻は5時40分です。御来光から50分後の撮影でしたがこの後もしばらくは影富士は見えているので、御来光を見てからでも余裕を持って移動することができます。
影富士撮影に満足したら下山口までのお鉢巡りを再開しますが、目の前に広がる雲海が綺麗で足が止まってしまう。現像時に気がついたけど幻日も現れています。
この景色を見ながらオニギリを頬張るが寒いところだと米が固くなって美味しくない。失敗したな。パンにしておけばよかったな。
ここで下山前に検証結果です。
5合目〜剣ヶ峰までに飲んだ水はペットボトル5本(2.5L)とかなり飲んだ気がします。持参した5本を飲み干したので下山前に山頂の自販機で500円の水を購入したほど。
高山病が付き物だった富士登山を快適に登ることができるようになった。こまめな水分補給は大切です。富士山は寒くて発汗量も少ないのでトイレが近くなるのが難点である。
下山時の話
吉田ルートには『下山専用コース』があります。吉田・須走へと下山する場合はこちらのルートで下山スタートすることになる。登ってきた場所と降り始める場所が違うので注意して下さいね。
朝6時に下山スタートしたが、すでに下山するハイカーで混み合っていた。
下山専用コースだけあってめちゃくちゃ下山しやすいように整備されている。そのかわりに山小屋やトイレの数が非常に少ないので注意して下さい。下山開始前にトイレを済ませて飲み物も補充しておくこと。
吉田から下山する人が多いため砂埃がすごい舞っていてマスクを忘れたのを後悔した。砂走り並みに舞っているんじゃないかな。口の中がジャリジャリする。
同じよう区画が繰り返されるだけの登山道は面白くはなかった。ちょっと退屈するし人混みが落ち着かない。
6合目くらいまで下山したところでトンネルが登場。
富士宮ルートでは見たことのないアトラクションに少し歓喜した。このトンネルは落石避けのためのトンネルです。落石が不安な方はトンネル内を歩きましょう。
2時間で富士山スバルライン5合目へと到着。下山は歩きやすくあっという間でした。
存在は知っていたが富士山スバルライン5合目にはお馬さんがいる。7合目花小屋下まで乗馬できるということです。下山時にも何頭かのお馬さんとすれ違いました。大人しくてかわいい。眠そうだ。
この写真を撮った後しばらくするとこの場所を登山客が埋め尽くしていた。吉田ルートすごい人気だ。そんな人混みを横目にシャトルバスで富士北麓駐車場へと出発。
バスの帰りは30分位で着いてしまった。
今回の富士登山を無事に終えました。
まとめ:高山病には水分補給
今回の富士登山では『水分補給で高山病を克服する』ということを実証できましたが、その時の体調条件でも症状が左右されると思うので油断せずに高山病には警戒が必要。マジで水分補給は大切です。デメリットとしてトイレが近くなることを覚えておいて下さい。
ザックに酸素缶を入れる容量があるならそこに水を入れていった方がいい。酸素缶は吸い続けていないと効果が持続しないので根本的な解決にはならない。(個人差があることをご理解下さい。)
富士登山の記事は毎年長くなってしまいますが最後までお付き合いありがとうございました。もう少し簡潔にまとめられるようにライティングスキルも精進していきたい。
以上が5回目の富士登山の記録でした。参考にでもなれば幸いです。
富士登山における弾丸登山というのは『十分な休息をとらずに夜通しで富士山を登山すること』などが該当します。(仕事終わりに休息をとらずに車やバスで移動して登山を始めるといった行為。)
観光庁も自粛するように声掛けしたりすることで弾丸登山をする人が減少傾向にあるそうです。それでも外国人観光客による弾丸登山が依然として目立っているという。