こんにちは、アキです。
第16回フォトマスター検定の準1級と2級をダブル受験してみました。
フォトマスター検定の詳細や、受験の経緯などをまとめました。カメラ知識を付ける良いキッカケになって面白いものですよ。
フォトマスター検定について
フォトマスター検定とは写真・カメラの実用基礎知識を測るための写真愛好家のための検定です。
受験資格は年齢や経験に関係なく受験資格があり、3級・2級・準1級・1級・EXの5階級から選んで受験できます。年1回の試験で、同日に2階級の受験が可能。
どんな検定なの?
フォト検は、こんな方々が、こんな形で受験しています。
- 趣味の写真の世界で着実に一歩前進したい方
- 生涯学習の目標やレベルアップをめざす初級~上級の写真愛好者
- 中学・高校・大学などの写真部(サークル)単位
- 一般写真サークル・クラブ単位でのレベル別受験
- 一般写真サークル・クラブ等で指導的立場にある方
- 編集・デザイン・マスコミ関連の専門学校単位、あるいは学生個人
- 編集・デザイン・マスコミ関係職種従事者
- 写真関連メーカーで営業・販売・事務職に従事する方、あるいは会社・部署単位
- 写真関連小売業の従業員、あるいは会社・店舗単位
- カメラ店・プリントショップの経営者や、パート等を含む従業員
これと言ってフォトマスター検定を必要とする状況・仕事はないと思っていいです。あくまで「それなりに知識があって検定に合格していますよ」という証明です。
写真やカメラに携わる職種の方が受けているケースが多いようです。やはり検定を持っているか持っていないかでは説得力が違うのだと思います。
個人で受験する場合は、知識のレベルアップをしたい場合などに勉強するキッカケになります。
合格者には合格証明証と認定カードが交付されます。
フォトマスター 3級
基本的な知識と技法を学ぶ
基礎・基本を確実にするステップです。
基本的な知識と技法が身につきます。
フォトマスター 2級
一般的〜中程度の知識と技法を学ぶ
より写真の知識を深め、楽しむステップです。
一般的〜中程度の知識と技法が身につきます。
フォトマスター 準1級
上級程度の知識と技法を学ぶ
大きく差をつけるステップです。
上級程度の知識と技法が身につきます。
フォトマスター 1級
他人の指導を前提としたレベル。写真とカメラに関して、正しく科学的に解説できる。一例としては、撮像素子の構造、撮像素子の高画素化と高密度化による画質への影響、高感度ノイズと長秒ノイズの違い、クイックリターンミラーの特徴、ストロボのTTL調光と外光式調光の違い、焦点距離・口径・F値の計算など。
引用:デジカメ Watch
全5階級ありますが、基本的には「3級・2級・準1級・1級」の4階級から選んで受験します。
「EX」は1級の合格者だけが受けられる特別な階級です。試験内容は「作品提出」や「小論文」によるもので “写真の達人” を目指す、写真家を名乗るような人達のレベルですね。
フォトマスターEX (エキスパート)とは│フォトマスター検定
フォトマスター検定は知識を測る検定なので、1級に合格したからと言って写真が上手くなるわけではないです。
合格するのは難しいの?
- 3級・2級は全60問。準1級は全70問。1級は全80問。
- 回答方法は2〜3択の選択問題のマークシート方式。
- 試験時間は4階級とも80分。(途中退出可)
- 正解率7割が合格ラインとされています。(非公式データ)
1級に関しては全80問あるので、1問にかけられる時間が1分しかない。時間との勝負でもありますが、選択問題なので分からない問題でもカンでマークしておけば正解することもある。
公式HPには階級毎の「過去の出題例」が掲載されているので、興味が湧いた方はまず出題例に目を通してみてください。
過去の出題例|フォトマスター検定
実施データを見ると「3級・2級」と「準1級・1級」にはそこそこ大きな壁があると思います。
さっそく今年度の実施データが公開されていますが、やはり「準1級・1級」の合格率は高くはないです。(前回よりは合格率は上がっています。)
1級に関しては3人中2人以上が不合格という難易度。
H.30 | 受験者数 | 合格数 | 合格率 |
1級 | 1,046名 | 299名 | 28.59% |
準1級 | 983名 | 400名 | 40.69% |
2級 | 1,957名 | 1,461名 | 74.66% |
3級 | 946名 | 816名 | 86.26% |
僕が受験した第16回の実施データです。
主観になりますが「3級・2級」は、エントリークラス以上のデジタル一眼を使用してLightroomでレタッチをしている方なら簡単かと思います。
いつどこでやってるの?
フォトマスター検定の試験は毎年11月に実施されます。現在(平成30年)で全16回の試験が実施済みです。
年1回ということは、不合格になると次回チャレンジが1年後になる。不安な方は2階級の同日受験が可能なので、滑り止めを受けておくと良いかもですね。
会場は全国主要都市に設けられ、申込時に好きな地域を選択します。
- 3級(4,000円)
- 2級(5,200円)
- 準1級(6,300円)
- 1級(7,100円)
受験料もかかるので、無駄にしないためにも確実に合格を狙いたいところ。
準1級&2級をダブル受験しました
過去問題集を見る限りで今回は様子見で準1級を目標にしました。そして不合格だったときに何も貰えないのがつまらないので2級も受験しておきました。
静岡会場で受験したけど、家から20分位の会場で楽ちんでした。静岡市の「もくせい会館」とかいう施設でしたが、過去試験の記事を見ると毎年同じ場所とは限らないようです。
午前に準1級、午後に2級のダブル受験で、頭の回っていない午前に本命の準1級だったので少し不安でした。
結果から言うと、準1級&2級にダブル合格しました。
カメラ・写真の知識を形に残すにはフォトマスター検定しかありません。ただ一番の理由としては「検定を持つこと」よりも、試験のために勉強することでカメラ知識を培うことがきること。
普段の趣味の写真撮影やレタッチ作業だけでもかなりの知識が身に付きます。でも写真趣味と言っても様々なカテゴリーがあるので知識分野にはどうしても偏りがあります。
僕は富士山を撮影するための最低限の知識はあったけど、まったく分からない分野があることも事実。
- フィルムカメラ
- フィルムの種類や現像
- 色彩
- ストロボ適正距離の計算
覚える必要のなかった知識だけど『フォトマスター検定』をキッカケにして知識量を増やす機会を得られました。
何もエサがなかったら勉強しようなんて思わないでしょ。
自分の活動分野における必要最低限の知識だけあれば困らないですからね。重い腰を上げるためのキッカケになります。
ちなみに合格証書は年が明けてから送られてきました。
正解率7割で合格なので敷居は低いと思います。僕も不正解は多かったですが、それでも合格してしまいます。
合格さえすればいいという方は正解率7割ギリギリでもいいし、知識量を測りたい方は満点を狙って勉強をしてもいい。挑み方は自由です。
試験では失敗したこともあります。
試験時間が余ると問題を見直して、曖昧だった問題の答えを変更したりします。ここで「正解だった答えを不正解に変更してしまう」という致命的ミスを何問かやってしまう…。その逆もあったのでプラマイゼロですが。
ただし満点狙いをするのなら自分の弱い分野を勉強しておく必要がある。2級と言えど知らない分野においては解けない問題もあります。
普段からカメラを触っている趣味カメラマンなら準1級まではすいすい解けるはず。しかし合格率は高くはないので油断は禁物で、やはり弱い分野を勉強しておかないと正解率7割を切ってしまうかもしれません。
勉強方法について
ちなみに今回、準1級&2級を受験するにあたって要した勉強時間は1日。
試験前日まで重い腰が上がりませんでした。
勉強方法としては過去問題集を繰り返し読み解くしかありません。
普段から趣味で写真を撮影していればそれだけで知識が付いているので、そこまで大変ではないかと思います。初めて見る問題でもなんとなくで正解できるものが多い。
僕が購入したのは日本カメラ社の過去問題集です。前年度の問題が解説付きで紹介されています。そしてページの半分は解説ページなので、分からないワードを調べることもできます。
用意したのは30年度と27年度の2冊です。実は27年度にもフォトマスター検定に興味が湧いて本だけ買っていて、受験はしないで終わりました。
過去問題集は数年分を用意することをおすすめします。
ポイントは「なんとなくで正解できても意味がない」ということ。正解していてもちゃんと原理を理解しておかないと、類似した問題で引っかかる可能性もあります。正解不正解に問わず解説ページを読んだりググったりして理解しておくと確実です。
問題文は無駄な言い回しが多くて長々と読みづらい。センサーのことは「撮像素子」と言い換えられています。
問題内容
撮影方法、撮影技法、カメラのメカニズム、レンズ等の光学問題、露出の決定方法、撮影周辺機器・機材、ライティング、被写体に関する知識、関連法規、マナー、写真史、写真家、プリンターに関連問題、デジタルカメラ関連問題、フォトレタッチ関連問題、フィルムカメラ関連問題など、写真とカメラにまつわる役立つ実用知識。
引用:試験問題の構成|フォトマスター検定
問題内容はカメラ・写真に関わるほぼ全てのジャンルから出題されます。
「カメラが好き」「写真が好き」と言っても触ったことのない分野に関しては全くの未知の場合もあるので、そういう自分の弱い分野でも勉強しないといけない。
実際にどんな問題が出題されるのかは本番にならないと分からないので、勉強よりも経験が物を言う試験だと思う。普段からカメラに携わっている人が有利。
僕にとってフィルム関連が難関となる。フィルムカメラの経験は無いし、今後もフィルムカメラを始める予定もありません。触ったことのない分野を文章だけで学ぶのってけっこう難しい。カメラは実技ありきで覚えるものだと思います。
ブログを書くことで予習していた話
過去問題集を読んでいると1つ気が付くことがありました。
出題問題をすでにブログに書いて予習していたということ。
普段の富士山撮影には必要ないような知識でも、ブログを書いていただけで勉強するキッカケになっていたわけです。なのでろくに勉強せずに準1級までは合格ラインに入れたようなもの。
中には「あ、これブログに書いたな」という問題があります。
ピンホールレンズの針穴の適正サイズなんて知っていますか?
たまたま興味本位でピンホールレンズを自作してブログに書いていたおかけで簡単に解けた。ブログをやっていなければ知ったこっちゃないムダ知識でした。
これ2017年に出題されているんですよ。
ピンホールレンズを自作してフルサイズ一眼レフD810で撮影してみた結果
SDカードの種類についても高確率で出題されます。
SDカード・SDHCカード・SDXCカードの規格についての詳細を覚えておく必要があります。内容が違ってもSDカード関連の問題は過去問でも本試験でも出題されました。
これからの時代はUHS-IとUHS-IIの規格の違いについても出題されるかもしれないです。(今回は出ませんでしたが。)
ブラケティング撮影についてもブログにまとめています。というかけっこう多用している。
ブラケット機能はHDR合成ありきの撮影方法だったりするので、撮影カテゴリーによっては使わないかと思います。今はHDR撮影をカメラ側でやってくれたり、ハーフNDで対応することがあるので実用していない人には難しいかもしれない。
「ブラケット撮影」の解説!HDR合成で写真の明暗差を無くせる
レンズ構成は実際にレンズを分解して手で触っているので具体的にイメージできた。
NDフィルターは「なんとなく」で使っていたけど、NDの減光量と絞り値の関係などを理解しておくと試験に役立ちます。よく使用する機材でもしっかりと理解していないものがあったりする。
Super-Multi-Coated TAKUMAR 55mm/F1.8のレンズを分解清掃してみた!
NDフィルター(ND1000)で日中スローシャッター!水流を幻想的にする方法
学校の授業だって聞くだけより自分でノートに書いてまとめた方が覚えやすかったりしますよね。それと同じことだと思いました。
まとめ
1級を受けるかどうかはまだ決めていませんが、準1級という中途半端さが今の僕にはピッタリじゃないかなとも感じる。
勉強するのが面倒くさいかもしれないですが、ポイントとしては『興味が湧いた段階でさっさと申し込む』ことをおすすめします。
申し込んで支払いをしてしまえば後には引けないので嫌でも受験するしか無いです。(欠席者も多く見られたけど。)
カメラ写真全体の知識を強化するも良し。勉強せずに今の知識レベルを測るも良し。興味があればフォトマスター検定に挑戦してみてはどうでしょうか。