厳冬期の富士山登山はエベレスト級の難易度!?アイスバーンによる危険性とは

厳冬期の富士登山

こんにちは、アキです。

この寒い季節に富士登山での滑落事故って定期的にありますね。

滑落の大学生死亡 富士山

(2016/11/21 12:27) 富士山須走口9合目付近で男性2人が滑落した事故で、御殿場署は21日、7合目付近で心肺停止状態で発見されたのは山口県光市三井、大学生の男性(18)で、死亡が確認されたと発表した。また、山梨県警山岳遭難救助隊は同日、行方不明になっていた広島市佐伯区美鈴が丘西、職業不詳の男性(64)が心肺停止状態で吉田口7合目付近の沢で倒れていたのを発見した。

同署によると、2人は20日午前6時ごろ、他の男性4人と一緒に山梨県側の吉田口6合目から山頂を目指した。山頂手前で職業不詳の男性(64)が先に滑落し、安全な場所に戻ろうとした大学生の男性(18)も体勢を崩して滑落したという。
大学生の男性は携帯電話で110番したが、その後さらに滑落したとみられる。現場付近はアイスバーン状態だった。一緒に登山していた広島市の20~66歳の男性4人にけがはなく、自力で下山した。
同署によると、富士山では21日午前、長野県の30代男性が心肺停止状態で発見された。男性は数日前に登山し、滑落したとみられる損傷があったという。

(引用:静岡新聞 NEWS)

あの真っ白くなった冬の富士山。実はあの世界最高峰の “エベレスト” と同じくらいの難易度だったんですというお話。

エベレスト登山と言えば

インド北部(ネパールと中国の間)ヒマラヤ山脈の中にあり標高8848mという世界最高峰の山。

「チョモランマ」って聞いたことありますよね?それエベレストのことです。中国側ではチョモランマと呼ぶそうです。それぞれ別の山かと思ってました。

富士山の3776mの倍以上ですよ。絶対にやばい。

8000mを超えるとそこは地上の三分の一の空気濃度となり酸素ボンベを使わないと人類が踏み込めない場所。別名デスゾーン。登頂した際に喜びすぎて酸素を使いすぎてそのまま亡くなった方もいます。そんな世界。

ぜったいに「エベレスト デスゾーン」で検索したら駄目!ぜったいに。

中にはそんなデスゾーンを酸素ボンベを持たずに登頂を目指す変態もいます。「無酸素」での登頂はもの凄い偉業。マジで変態。

現在もエベレストの無酸素による登頂に挑戦し続けている栗城史多さん。何回か前からの挑戦から密かに応援しています。この方、凍傷によって両手の指9本を無くしています。iPhone操作のために指出しグローブをしていたからだとかどうとかで、けっこう叩かれてる。プロ下山家だとか言われたり。プロ下山家なら何が何でも生きて帰ってきてほしいものです。家に帰るまでが登山です。

そんな半端なくヤバいエベレスト登山と富士登山が同じ難易度?

冬季富士山の特徴

今年の富士登山者数は24万人。日本一の山とは言えかなりポピュラーだ。そして標高もエベレストの半分以下。

そんな富士山も「冬」になるとエベレスト級の山に豹変する。まず見た目で分かるように富士山は冬になると上部が白くなりますよね?雪と氷によるもの、驚くことにこの状態の富士山を登る人達がいるんですよ。

滑落したら10分で下山できる?

冬季の富士登山。何が危険かというとアイスバーンだ。

カッチカチに凍った斜面はアイゼンが刺さらないほどという。風が不喫茶らしで雪が日光で溶けるも強風により凍結。これを繰り返しカッチカチの氷の斜面になる。

アイゼンの刃で何度も蹴ったりピッケルで削ったりして足場を作りながら登るようですね。もちろん日によって氷のコンディションも違ってアイゼンが刺さり登りやすい日もある。

そんなカッチカチな斜面、一歩でも足をを滑らそうものなら永遠と滑落します。富士山の斜面は絶望的にデカい “氷の滑り台” だと思ってください。一度滑落したら岩にぶつかるまで止まれないと聞きます。そうなったら「10分で下山」できるそうです。

滑らせないように足場を確保しながらその滑り台を何時間も登り続ける精神力と体力が必要。もちろん障害物がなく強風がダイレクトに滑落を誘ってくる。その難易度はまさに「エベレスト並み」だと言われています。

冬山ってレベルじゃないっすね。特殊すぎる。

そんな危険な状態の富士山になぜ登るのか?

高地順応のため

エベレスト含む「七大陸最高峰」に挑戦するような人が、国内で高地順応も兼ねたトレーニングするなら富士山がベスト。エベレスト級ですからね。むしろ冬富士登山の挑戦はそれはそれで一つのアドバンテージになるんじゃないのかな。

エベレスト登山を目指す栗城史多さんも高地順応の国内トレーニングで富士山頂で宿泊をしている。

国内で最難関の登山

とくに海外の山へ挑戦を考えていない、けど難易度の高い山に挑戦したいって人も冬富士登山に挑むのではないでしょうか。「七大陸最高峰」となると入山料が高いし、一人でどうにか挑戦できるレベルじゃない。エベレストなんて入山料が100万円近くするとかどうとか。

衝撃を受けた冬季富士山の事故

  • 1ページ目 「チェコ人・スロバキア人の富士山遭難事故」
  • 2ページ目 「真っ暗闇の積雪期夜行登山」
  • 3ページ目 「日差しを浴びて快調に登る!」
  • 4ページ目 「九合五尺付近で滑落しそうな遭難者を発見・救助」
  • 5ページ目 「Sさんと富士宮の山頂へ」
  • 6ページ目 「チェコ人遭難者と共に下山・救助隊と合流」
  • 7ページ目 「予想外の悲しい結末」

参照:富士登山の服装・持ち物・装備の初心者向け準備ガイド

この冬季富士山の遭難事故、三名の登山者が偶然通りかかることにより遭難者のチェコ人を無事に救助するというもの。この三名がブログなりヤマレコなり記事に残しているのでそれぞれのリアルな心境が分かる。

難易度エベレスト級とも言われる冬季富士山に現れたのは、ジーンズにスニーカー姿というチェコ人。単独登山だった第一発見者は、9合目付近でその遭難者を発見し “助ける” かどうしようかと葛藤していた様子を綴っている。登山は「自己責任」という世界。見捨てるのも選択肢の一つですよね。自分の身の安全の確保するだけでも手一杯な状況下ではなおさら。

そうこうしているとペアの登山者もその現場に。一人が登山ガイドだったこともありなんとかチェコ人を無事に下山させるという救助活動が始まります。活動内容はとても勉強になる内容です。

そしてまさかの結末。現実に引き戻されます。

まとめ

厳冬期富士山怖い、変態の登る山だ。

厳冬期はぜったいに無理だけど、5月6月くらいの残雪期なら登りたいな。限りなく登山シーズンに近い状態で人も少なくて楽しそうだ。

厳冬期の富士登山がエベレストなみに危険だという話でした。