こんにちは、アキです。
早く雪山登りたいです。でもチキンなのでなるべく低山に積雪してくれるのを待っています。そんな低山での冬登山では軽アイゼンよりもチェーンスパイクが便利だという話をします。
アイゼンっていうのは爪の付いた登山用具で、靴に取り付けて雪上を歩く際の滑り止めとして使用します。4本爪から十数本の爪のついたものがあり、積雪量によって選びます。
アイゼンとチェーンスパイクの関係
結論からいうと『使い分け』というのが一番正しい使い方です。
爪の長いアイゼンは “斜面” に強い。斜面の登り降りにおいてチェーンスパイクよりも “踏ん張り” が効きます。深い雪にも対応できるというメリットがあります。ベルト固定による安定感も踏ん張りに繋がっています。その分、着脱が少し面倒になる。
一方チェーンスパイクは稜線などの “平地” に強い。アイゼンに比べ爪が短いがとにかく歩きやすい。アイゼン装着時における独自な歩き方に対してチェーンスパイクなら普段通りの歩き方で対応できる。平地を始めなだらかな斜面でもチェーンスパイクで事足りることが多い。そして着脱はラバー部分を靴に被せるだけで非常に簡単。片足数秒で装着できる。なので頻繁な着脱がしやすい。
チェーンスパイクの低山における圧倒的なメリット
チェーンスパイクとはアイゼンに比べて短い爪が10本ほど網状のチェーンになって付いている。装着はラバー部分を登山靴に覆いかぶせるだけ。なので『靴下を履く』ような感覚で簡単に装着できる。手袋をしていても装着が簡単だ。
片足10秒かからずに装着できる。ガチで。
写真は使用品なので汚くてすみません(汗)
そして低山とチェーンスパイクの相性の良さは抜群。
積雪したとしても低山となると雪のある場所と無い場所が頻繁に現れること。軽アイゼンを装着したままでの歩行には不便を感じるはず。とくに岩場だったり板等で整備されていたりと爪の刺さらない箇所などはむしろアイゼンでの歩行はバランスを崩しやすく危険で、かと言ってその度にアイゼンを装着したり外したりを繰り返すのは非常に面倒かと思う。
チェーンスパイクなら着脱がしやすく素早く対応できる、それどころか爪が短いために装着したままで雪のない場所や岩場を違和感無くやり過ごすこともできる。
整備された箇所が「木の板」だった場合は木を痛めてしまうのでアイゼンでもチェーンスパイクでも外して歩くことをオススメします。(丹沢などでよく見るアレ)せめて避けましょう。
4本爪、6本爪の軽アイゼンの出番が減る
モンベル(mont-bell) スノースパイク6 ブラック 1129619 BK 1129619
踏み跡の無い深い新雪上や余程の急坂がない限り低山ではほぼチェーンスパイクで対応できてしまうため4本爪とか6本爪の軽アイゼンは中途半端な存在になるかと。チェーンスパイクでは不安な斜面、アイゼンに頼りたい斜面の対策として買っておくんだったら10本爪だったり12本爪アイゼンがオススメ。不意な雪の多い場面でも使いまわせますからね。
チェーンスパイクと12本アイゼンくらいの組み合わせが最強だと思う。
ありがちな『階段状の登山道』が続く山なんかでもチェーンスパイクが歩きやすい。階段状の登山道ではアイゼンによる “踏ん張り” は大して必要ないですね。歩きやすさと着脱のしやすさを優先してチェーンスパイクがおすすめ。
本来、軽アイゼンは低山用という感じなのかもしれないけどわりとチェーンスパイクでカバーできてしまう。完全な雪山でないならチェーンスパイクの方が使いやすいはず。
低山でチェーンスパイクを使ってみた
今年の2月くらいですね。塔ノ岳へ登った時に初めて使いました。バカ尾根の途中から雪が出てきてチェーンスパイクを装着。とても快適でした。もちろん雪のない場所と雪で滑る箇所が交互に出てくるのでチェーンスパイクはとても使いやすい。
チェーンスパイク付けっぱなしでも歩きやすい。
歩く時のザクザクという感触が気持ちがいい。
木の階段、傷めないようにチェーンスパイクは外すなり避けて通るなりしたいところ。
なだらかな斜面なのでチェーンスパイクで全然平気。
この翌日に塔ノ岳から蛭ヶ岳まで縦走してみました。雪が多く正直チェーンスパイクでは不安になりました(汗)縦走なので斜面も少なくてまったく滑るようなことはなかったんですけどね。端から見たら「舐めすぎだろ」と言われそう。
このレベルなら素直にアイゼンを使ったほうが無難な気もするけど、斜面の少ない縦走だからチェーンスパイクで正解だった気もする。非常に歩きやすい。
蛭ヶ岳方面の鬼ヶ岩付近に鎖場が一箇所あってけっこう危険。アイゼンだったら外さないと怖いかも。チェーンスパイクならそのまま行ける。
視界の悪い中頑張って歩きました。
アイゼン云々よりもワカンの方が歩きやすいのかな?
今見返してみると素人がこの天候でよく行ったな…。
まとめ:結局は “両方” 常備しておけばいいって話
用途としては斜面はアイゼン、稜線などの平地はチェーンスパイクって認識で良いです。
チェーンスパイクで事足りても、いざという時のためにアイゼンもザックに突っ込んでおくのをオススメします。登山において “備え” は命取りになることがありますからね。準備しておいて損はない。
アイゼンに限らず山の上では「使いたい時に無い」っていうのが一番怖い事態ですよね。
あと偉そうなこと語ってますが塔ノ岳くらいでしかチェーンスパイク使ったことがないです。静岡方面はなかなか雪が無くてね(汗)
以上が低山におけるチェーンスパイクのメリットの話です。歩きやすいので良かったら試してみてください。