こんにちは、アキです。
KANIフィルターのハーフNDを導入しました。僕もようやくハーフNDに手を出したわけですが、今回導入したホルダーやハーフNDの詳細や使用レビューをまとめます。
ハーフNDを使う目的とは?
主に風景写真を撮影をしていて朝方や夕方などの時間帯で、空が明るくて前景が暗くなってしまう場面ってあると思います。
どちらかに露出を合わせると「空が白とび」したり「前景が黒つぶれ」してしまいどうにもならなかったりします。
そんな明暗差の激しいシーンで、白とび黒つぶれを抑えて撮影するために使用するのがハーフNDです。
一般的なレンズ前面に取り付ける丸型フィルターとは違って四角い角型フィルターであるのが大きな特徴です。
この角型フィルターは上下でND効果が違います。見て分かるように半分だけND効果があり、もう半分にはND効果がありません。それが上下グラデーションになっています。
明るくて白とびする部分だけにND効果ありに、暗くて黒つぶれする部分にはND効果なしにできるという使い方ができます。
未使用に比べてハーフND使用の方が空の白とびも前景の黒つぶれも緩和されていると思います。
このように白とび黒つぶれを限りなく抑えるためにハーフNDを使用します。明暗差の強さによってハーフNDの種類も選択ができます。
KANIフィルターを購入した
僕が揃えたのはCPLフィルター付きのホルダーセットと、ハーフND(SOFT GND0.9)です。
ホルダー類
レンズ経が82mm、角型フィルターは100mmサイズに対応しているホルダーです。
クッション素材の専用ケースに入っていました。
丸型フィルターを取り付けるのと同じようにレンズ前面にネジ式で取り付けられます。
出目金レンズ用のホルダーとは別なので気をつけて購入しましょう。
このセットにはステップアップリングが3種付属しているので、レンズ経82mm以外に67mm、72mm、77mmにも対応しています。
僕が主に使用するレンズは77mmと82mmです。
すでに所有していたKenkoのステップアップリングでも使用できました。ホルダー専用ではなく普通のステップアップリングのようです。
ホルダーにはフィルターを2枚までセットできますが、付属の部品を取り付けることでフィルター3枚まで対応できるようになります。
予備の遮光スポンジも入っているので、もしスポンジが劣化してきたら修復ができます。
ハーフND(SOFT GND0.9)
ハーフNDにも種類があるのですが、今回僕が選んだのはSOFT GND0.9です。GND0.9はND8相当で、強すぎず弱すぎずと無難な1枚だと思います。
GND0.6(ND4)、GND0.9(ND8)、GND1.2(ND16)という表記になっているので注意して購入してください。
ハーフNDの種類は主にハード・ソフト・リバースと3種あります。様々なシーンで使い分けられるようになっていて、今回はソフトを選びました。
ハードタイプは境界線がくっきりとしていて、明け方の地平線や水平線のように明暗差のある境界線がはっきりとしているシーンで使用します。(※写真はKenkoの製品です。)
ソフトタイプは境界線が緩やかなグラデーションになっているので、山々が前景に入っていて境界線がはっきりしていないシーンに使用します。富士山撮影では主にソフトタイプの使用がメインになります。
リバースタイプは、明るい→暗い→明るいという3段階のグラデーションになっている特殊なタイプです。僕は所有していないので説明は省きます。
KANIフィルターは透過率が高いのでスローシャッターなどで青味が出にくい設計となっている。ガラス面には防油、防水、防塵のコーティングが施されていて、一般の布で強く吹き上げても問題ないとのことです。
吹き上げ用のクロスなどは付属していませんでした。
ホルダー裏のつまみを緩めれば回転するので、風景に合わせてND効果をかけたい場所を調整ができます。斜めに明暗差のあるシーンでも簡単に対応できます。
ちなみに100mmサイズのホルダーには、他メーカーの角型フィルターでも100mmサイズであればセットすることができました。
CPLフィルター(86mm)
別売りでの購入も可能なホルダー用のCPLフィルターです。僕はこのCPLフィルターもセットのホルダーを購入しました。
専用ケース付きのCPLフィルターは、丸型のよくあるレンズフィルターですが86mmと大きめサイズです。
この丸型のCPLフィルターのどの辺がホルダー用なのかと言うと、
レンズではなく、このようにホルダー本体に取り付けるためのフィルターなのです。ハーフNDなどの角型フィルターとCPLフィルターの重ね付けができます。
レンズ前面に取り付けるとケラレの心配がありますが、ホルダー本体に取り付けることでケラレを限りなく回避できるようです。
必要であればCPLフィルター付きのホルダーセットをおすすめします。
ケラレ問題と解決方法について
実際に撮影で使用したところちょっとした「ケラレ問題」が発生する条件がありました。一応、解決もできたので少し記録しておきます。
ケラレが発生した
僕が使用したレンズはNikon AF-S NIKKOR 16-35mm f/4G ED VRです。レンズ経は77mmなのでホルダーの使用にはステップアップリングを取り付けることになります。
まずは、レンズに保護フィルターを取り付けた状態でステップアップリング+ホルダーを取り付けてみました。
最大の16mmでは四隅ががっつりとケラれましたが、これは予想していました。保護フィルターだけでなく丸型のNDフィルターやPLフィルターとの重ね付けは難しいですね。
次は保護フィルターを外して、ステップアップリング+ホルダーだけで撮影してみました。
丸型フィルター無しでも16mmではケラれてしまいました。これはステップアップリングの使用によってホルダーが少し前に飛び出している状態なのが原因です。
ただ、Lightroomのレンズプロファイル補正で歪みを修正するとケラレは消えましたが、撮影データ上ではケラれていることには違いないです。撮影時にプレビューで確認する際もばっちりケラれています。
僕の所有する77mm経の広角レンズではステップアップリングが必須なので、ケラレのことを考慮して撮影することになるのは少しスッキリしませんね。
35mmで撮影。ズームしてしまえばケラレは消えます。
広角レンズでステップアップリングを使用する際はケラレに注意です。
ケラレを解決できた
家に帰ってからKANIフィルターのレビュー記事などを調べていたら、ちょうど僕と同じNikon 16-35mm F4でKANIフィルターを使用した方の記事を見つけました。
その記事によると、同じ条件なのに「ケラれなかった」と記載されていました。しかも保護フィルターを取り付けていてもケラれないという。
あれ、おかしい。同じレンズなのに。
「僕の取り付け方がおかしいのかな?」ともう一度ホルダーを確認。
そこで、いくつか改善できそうなことを試してみました。
まずは2枚セットできる固定アダプタを1段に減らしてみました。
このようにフィルターの固定部分を1段にすることで、ホルダーの飛び出しが少し減りました。もしかしたらこの部分が画角に入り込んでいたのかもしれないと思ったのです。
しかし、これでも16mmで撮影をするとケラれてしまいました。ほぼ変わらず。
もちろん保護フィルターも付けていません。
次に、CPLフィルター取り付け部分にある「輪っか」を取り外しました。
ホルダー本体のCPLフィルター取り付け部分には「輪っか」が付いています。これはガラスの無いフィルターのフチだけのようなもので、ダミーフィルターとでも言うのでしょうか。
これを外したらケラレが無くなりました。
この「輪っか」が悪さをしていたのです。このダミーフィルターはCPLフィルターを使用しない時の飾りだと思うので、外していても何ら問題ないはずです。
とりあえず、これで16mmでもケラれなくなりました。
あ、でもCPLフィルターを付けたらケラれちゃいますね。どうしたものか。
そして相変わらず保護フィルターを装着するとケラれますが、少し緩和されました。もっと薄枠タイプの保護フィルターならケラれないのかもしれません。試してみたいですね。
もし僕と同じように広角レンズでケラれてしまった場合は試してみてください。輪っかを取り外すだけで改善できるかもしれません。(16mm以下では検証していないのでご了承願います。)
まとめ:写真のクオリティが上がるよ
ほとんどの人は撮影後に結局はレタッチすると思います。ハイライトを落としてシャドウを持ち上げたり、段階フィルターでハーフNDと同じ効果をかけたりと。
しかし撮影時になるべく高品質に撮影していれば、レタッチした後も高品質な状態で仕上げられるかと思います。撮影時にできる努力はしておいて損はないのです。
角型フィルターとして流行りだした「KANIフィルター」のハーフNDの使用レビューでした。