こんにちは、アキです。
KANIの「スターシャインフィルター」を購入。
スターシャインフィルターは写真撮影における光源(星・夜景など)から光条を発生させてキラリ感を表現できるKANI製クロスフィルターです。
光条の本数・形状は基本的にレンズ(絞り羽根)に依存する部分。
レンズはそのままに数種類のレンズフィルターを使い分けることでシチュエーションに合った光条の本数・形状を選択できるのは画期的です。
- 望遠レンズで天体撮影をする人
- 望遠レンズで夜景撮影をする人
- 撮影で光条を自在に操りたい人
KANI製品と言えば角型フィルターで有名なメーカーですが、特殊で面白そうなクロスフィルターだったので試してみたくなりました。
僕なりに使用してみた使用レビューです。
スターシャインフィルター5種類とセット内容
【第一弾】スターシャインフィルターセット
セット内容は3種類のスターシャインフィルターと、2種類のアダプターリングの計5点が同梱されています。
フィルター1枚毎に専用ケースが付属しています。
- Sharp 4#25(4本光条)
- Sharp 4#44(4本光条)
- Sharp 8#21(8本光条)
- ステップアップリング(86-95mm)
- ステップダウンリング(95-86mm)
フィルターサイズは大きめの95mmと大きめなサイズ。
従来のレンズ(82mm以下)には装着不可のためステップアップリングも付属しています。
僕が購入したセットです。
【第二弾】スターシャインフィルターセットII
2022年4月には第二弾「スターシャインフィルターセットII」が新発売しました。第一弾の「Sharp 8#21」に新パターン2種が追加された3種セット。
- Sharp 8#21(8本光条)
- Sharp 3#84(6本光条)
- Sharp 5#24(10本光条)
第一弾にはなかった6本光条と10本光条の2パターン追加されて表現の幅が広がりました。
しかも第二弾のフィルターは1枚ずつの単体販売も可能。
ちなみに今回のセットにはステップアップリング類は同梱されていない様子ですが、これは第一弾の購入者をメインターゲットにしているのだと思います。
セット第二弾が発売されました!
スターシャインフィルターの種類と特徴
ガラスフィルターとは異なった特殊な構造で、格子状のパターンに沿って光が広がって光条になるようです。
スターシャインという名の通り天体撮影を主体として、明るめの星(金星・木星・シリウス等)を撮影すると綺麗な光条になるそうです。 もちろん夜景の光源でも使用可能。
このフィルターの効果発生には使用条件があります。
これ以外の条件では綺麗な光条になる保証はありません。
使用条件は100mm以上の望遠レンズとなっていて、パッケージ表紙の「富士山と星」のドアップ写真のような撮影を想定して作られたフィルターです。
スターシャインフィルターは3種類あり、格子パターンの違いで光条の形状も変化します。撮影シチュエーションに合わせて光条を使い分けることができ、重ねて組み合わせても面白いと思います。
さっそく3種類の格子パターンを撮り比べてみました。
①Sharp 4#25(4本光条)
「Sharp 4#25」を使用。
従来のクロスフィルターのような十字タイプの4本光条です。
「迷ったらこれを使っておけば間違いない」というようなオーソドックスなタイプ。
船から手前にある大きめな光源にだけ光条が発生して、従来のクロスフィルターよりもギラギラ感が少なくて自然に仕上がっていますね。
②Sharp 4#44(4本光条)
「Sharp 4#44」を使用。
縦横で長さの異なる4本光条です。
真っ直ぐで使用するよりは少し角度を付けて、イルミネーションや夜景にキラキラ感を出したいときに向いていそうですね。
写真のように格子パターンが横向きになるようにセットしたのに、映り込んだ光条は縦向きなんですよね。なんか不思議です。
③Sharp 8#21(8本光条)
「Sharp 8#21」を使用。
格子パターンが八角形になので8本光条が発生。
4本の十字を主体にして小さめな4本光条がクロスしています。
4本光条だとどうしても“クロスフィルター感”を拭えないですが、8本光条になるとレンズの絞り羽根によって発生する光条に近い印象となり、自然に仕上げたい風景撮影では1番使いやすそうな格子パターンじゃないでしょうか。
僕が撮り比べた感じでは1番お気に入りです。
ガラスじゃないので解像に影響がない?
従来のクロスフィルターはレンズにガラス1枚追加することになり解像力の低下、ゴーストの発生などの悪影響を及ぼす可能性がありますが、格子状のスターシャインフィルターにはガラスが無いので描写に悪影響がありません。
描写はクリアなまま使用可能なクロスフィルターなのです。
もちろんトゥインクルスターなどにはソフト効果もあって使用目的が異なります。シチュエーションで使い分けるものなので、どちらが良いとか悪いとかではないです。
あくまでも「使い分けるもの」です。
デメリットがないように思えたけど、実際にスターシャインフィルターを撮影に使用したところ描写に致命的なデメリットがあったので後述します。
別途ステップアップリングが必要
先述した通り、フィルター本体は95mmサイズです。
一般的なレンズはほとんど82mm以下なのでステップアップリングが必須になります。しかし同梱するステップアップリングは「86-95mm」なので82mm以下のレンズには使用不可。
追加で「○-86mm」のステップアップリングを用意しなくてはならない。
僕の場合、67mmレンズで使用したいので「67-86mm」を購入しました。
後々「82-95mm」のステップアップリングを購入。
95mmから一発で82mmに変換できます。
多くのユーザーは同梱されるならこれが1番欲しいかもしれない。
82mmにさえ変換してしまえば可変ステップアップリング(67-82mm)が使用可能になり、複数枚のステップアップリングを持ち歩く必要がなくなります。
マグネット化すると便利
スターシャインフィルターは回転機構がないことが欠点。
従来のクロスフィルターはくるくる回して光条の角度を自在に変更できます。スターシャインフィルターにも回転機構があるだけで利便性は向上すると思います。
ねじ込み式フィルターなので緩めておけば角度調整は可能ですが、緩めた状態で運用するのが心許ないです。緩めておくことで外れて紛失したり、知らないうちに角度が動いていたり、風の影響でガタついてブレに繋がる可能性などのリスクがあります。
くるくる回せるように工夫してみました。
動画のようにマグネット式にしました。
回転機構がなくても簡単にくるくる回すことができて脱着は一瞬。
マグネット式はめちゃくちゃ便利。
マグネット化には上記2つのアイテムを使用してマグネット運用しています。
可変ステップアップ+マグネット式ブラックミストの組み合わせです。
スターシャインフィルター用にマグネットアダプタ的なキットを製品化すれば、けっこう需要があるんじゃないかと思います。
KANIさん、どうぞよろしくお願い致します。
撮影に使用してみた感想
使用回数はまだ少ないけど作例の紹介です。
木星土星の大接近を撮影
焦点距離300mmで撮影。
2020年12月撮影の「木星土星の大接近」を富士山と一緒に捉えたもので、製品パッケージの写真と同じシチュエーションでの使い方をしました。
もう1年前なんですよね…。
これ以来ずっと使用せずに眠っていました、すみません。
1年前なのでどの格子パターンを使用したのか思い出せませんが、4本光条の「Sharp 4#44」だと思います。当時はまだ違いを理解せずに使用していたけど、今の知識なら「Sharp 8#21」を使用しますね。
撮影記録はこちら
光源のある風景を撮影
焦点距離200mmで撮影「Sharp 8#21」使用。
2021年12月に近場の海辺にてプチ夜景と富士山を撮影。フォーカスを置いた灯台と、オマケの船の光源だけが光条を発生して、遠くの夜景には効果は出ていない。
ギラギラ感がなくて自然で良いですね。
なかなか好みなシチュエーションで撮影できたと思っていたら…
格子状フィルターのデメリットに気が付いた。
この1枚の写真からお気付きでしょうか?
格子の映り込みがデメリット
先ほど紹介した作例には、格子が映り込んで黒く影になっています。
パッと見だと「周辺減光を強めに加えてるな」くらいには感じたと思う。言われなければ気が付かないレベルかもしれないが、撮影をした本人からは左右と真ん中に3本の格子がはっきりと見えています。
これでも段階フィルターで軽減させて周辺減光っぽく見えるようには努力はしています。
でも一度見えてしまうと気になって仕方がない。
この場合の解決策としては、左右を切り取って縦構図にしてしまうこと。
これで映り込みはほぼ誤魔化せたと思う。
がっつりトリミングするとなると高画素機が欲しくなります。
さらに広角にして焦点距離100mmで撮影。
これはハッキリと格子の映り込みが見えます。
使用条件には「焦点距離100mm以上」「絞り値開放」とありますが、あんまり広角だったりF値を絞りすぎると「格子が映り込んでしまう」という理由からの使用条件だったのかもしれない。
それでも100mmは公式の推奨する最低焦点距離なので広角すぎるわけでもないはず。
もっと見えやすくLightroomで「かすみ除去+100」にしました。
完全に格子です。
このレベルは致命的なので使い方には気をつけたい。
焦点距離100〜200mm程度だと格子が映り込むため風景撮影で運用するには少々厄介。
映り込みの影響を減らすには焦点距離200mm以上、可能な限り開放F値の明るいレンズでの使用、トリミングを前提に構図を決めるなどの工夫が必要です。あとはなるべく夜空や天体撮影で使うことでしょうか。
まとめ
少々癖の強いクロスフィルターだけど、ばっちりハマればカッコいい写真を撮影できます。
僕はパッケージ写真みたいな星の撮影はしないと思うので、なんとか風景撮影に上手く取り入れたいです。場合によっては他クロスフィルターの方が使いやすいこともあるだろうし、上手く使い分けていけたらと思います。
KANI製スターシャインフィルターの紹介でした。
8本光条が人気でおすすめ!