プロソフトンクリアで星はふんわり風景はクリアに!星景撮影に丁度いいレンズフィルターの登場。ケンコー・トキナー

こんにちは、アキです。

ケンコー・トキナー様より6月12日に発売された「プロソフトンクリア」を提供していただきました。星をにじませるソフト効果と、空以外の風景をクリアに描写させることのできる星景撮影に適したソフトフィルターです。

外出しづらい状況だったり長い梅雨に突入したりと撮影機会に恵まれずこのタイミングでの使用レビューになりました。僕の撮影スタイルにピッタリで満足のいく効果をもたらすフィルターだったので作例や感想など紹介します。

プロソフトンクリアについて

プロソフトンクリア

「プロソフトン」は明るい星をにじませ、たくさんの星の中から星座をはっきりと浮かび上がらせる効果があります。星空の写真に欠かせないフィルターとして数多くのプロやアマチュア写真家に愛用されています。
星空と風景を一緒に写す「星景写真」で、「山や建築物などの風景にはソフト効果をかけたくない」という要望に応え、従来のプロソフトン(A)の約半分のソフト効果にあたる「PRO1D プロソフトン クリア(W)」を発売いたします。

引用:PRO1D プロソフトン クリア(W) | ケンコー・トキナー

 

プロソフトンクリア

「PRO1D プロソフトン クリア(W)」は、ねじ込み式の丸形フィルターで49〜82mmがラインナップしています。一番大きい82mmを買っておいて、レンズサイズに合うステップアップリングを用意しておけば、プロソフトンクリア1枚で様々なレンズで使用できます。

はっきり言うと、僕は丸形フィルターが好きです。角型フィルターのような専用ホルダーが必要なくてコンパクトで携行しやすく、レンズに直に装着できて“登山時”の利便性が高いのがメリット。荷物は最小限におさえたいのです。

 

プロソフトンクリア

ガラスはソフトフィルター特有のザラザラした表面になっており、パッと見ではわからないけど触れば分かります。(あんまり触らないほうがいいですけど)

実は「ハーフプロソフトン」のようにソフト効果の無い部分があるわけではなく、フィルター全体にソフト効果がかかっています。星がにじむのは当然として、風景にもソフト効果がかかるので「あれ?風景がボヤけるんじゃ?」と思いますよね。

安心してください、風景はクリアです。

仕組みは、従来のプロソフトンAの約半分のソフト効果になっているので「従来のソフト効果よりも風景がクリア」という意味なのです。僕の認識では、星はなるべくにじませて、山や建物などの景色はなるべくクリアに見せるという感じ。「なるべく」がポイント。

星空と風景をきっちり分けたい場合は「ハーフプロソフトン」をおすすめします。

 

 

「天の川」を撮影

まずは「天の川」の撮影に使用しました。

ソフト効果で星がにじむのは当然のことで、風景も多少ボヤケてしまうのは分かっている。細部を拡大してにじみを検証するようなことはしません。全体的に「イイ感じ」になったかどうかニュアンスを感じてください。プロソフトンクリアはそういう感じでいいと思います。(手抜きしたい言い訳)

細部の検証はすでに公式ページに掲載されているのでそちらを参考にどうぞ。

PRO1D プロソフトン クリア(W) | ケンコー・トキナー

NIKON D810 (17mm, f/2.8, 15 sec, ISO6400)

※クリックで拡大

フィルター無しは“撮って出し”で、フィルター使用の写真はWBを揃えています。それ以外のパラメータは弄っていないので限りなく撮って出しに近い状態です。検証用に撮影したわけじゃないので時間が空いて、星の位置がズレていますが気にせずにどうぞ。

条件が良かったので星景撮影のド素人でも濃い天の川を撮影できた。天の川にはソフト効果の意味がないことを学びました。にじんだのは周囲の星、それも光源の強めの星だけ。従来のソフト効果(プロソフトンA)の約半分でもちゃんと星がにじんでいるのが分かる。

構図に入れた山も多少ボヤケているはずだけどクリアに描写されている。そもそも星景写真における景色は暗いので、プロソフトンクリア程度のソフト効果では気にならないレベルですね。

 

GIFにすると違いが分かりやすいかも。

 

プロソフトンクリア

NIKON D810 (17mm, f/2.8, 15 sec, ISO6400)

フィルター使用した写真を好みにレタッチしたやつ。コントラスト上げるだけで天の川が強調されます。明瞭度は上げていません。むしろ下げました。

これは天の川が主題。周囲の星は軽くにじむ程度なので主題の邪魔にならない。周囲の星があんまりがちゃがちゃしてしまうと天の川の存在感が薄れてしまう。(明瞭度を下げたのも同じ理由)岩のシルエットはシャープだし、山の見えている部分が極端にボヤケている印象もない。

まさにイイ感じ。

 

プロソフトンクリア

僕のテントを入れて天の川の撮影。

焦点距離は変わらず17mmだけど、構図を変えただけで粒の大きな星がうるさく感じるようになった。ちょっと存在感が強すぎるのでプロソフトンクリアすら要らなかった気もします。星景撮影に慣れていないので構図とのバランスが難しい。

 

同じ写真からテント部分を拡大トリミング。(なんやかんや細部検証してる)

ソフト効果がかかっているはずだけどロゴをくっきりと読める程度に細部までクリアだ。光を発している部分は程よくボヤケている。これは良き。

 

「富士山とオリオン」を撮影

空が明るくなり始める時間帯。光源の弱まっていくオリオンを強調させるためにプロソフトンクリアを使用しました。薄雲によるソフト効果が加わっているので作例としては参考にならないかもしれないけど、プロソフトンクリアを使用しています。

プロソフトン

NIKON D810 (35mm, f/2.8, 30 sec, ISO800)

大きめの光源だけ拾うという特性なので、ピンポイントで金星とオリオンだけをにじませているようにも見えます。金星は月と見間違えるほど。

富士山や山々はほんのりとボヤケている。霞によるソフト効果が加わっているのでフィルター効果の確認が難しいですね。ちょっと検証には向いていない条件の撮影日でしたが、ポテンシャルが伝われば幸いです。霞や薄雲がなければ全体的にもう少しクリアな写真だったはず。

 

同じ写真から富士山の部分を拡大トリミング。

月明かりにより富士山の地表がくっきりと浮かび上がっていますが、霞によるソフト効果が加わってふんわり感が強い。従来のプロソフトンAだとこれくらいボヤけるのかもしれない。

空気の澄んだタイミングでの撮影が楽しみですね。

 

使ってみた感想

プロソフトンクリア

使用してかなり気に入りました。

プロソフトンAの約半分のソフト効果は、星を主題にしたい撮影には少し物足りなかもしれないけど、星空を2番目においた撮影であれば効果は絶大。やんわりとしたソフト効果により主題を潰すことなく、星空を強調しすぎない丁度いいバランスだと思います。

全体的にソフト効果がかかるが、ボヤケてほしいところは程よくボヤケて、くっきりしてほしいところは程よくクリアに描写される。そんなソフトフィルターです。

荷物に余裕のあるときは「専用ホルダー&ハーフプロソフトン」の方が確実だけど、登山など荷物を最小限におさえたい場面ではプロソフトンクリアです。

登山をして富士山撮影をするスタイルに丁度いい。