こんにちは、アキです。
H&YフィルターのGND&ホルダーセットを購入しました。
着脱にマグネットシステムが用いられていることで話題のフィルターです。すでにスロット式の角型フィルターを揃えていますが、実際に使ってみないことにはマグネットシステムの使用感や利便性など分からないので手を出しちゃいました。
今後の撮影にマグネット式・スロット式のどちらをメイン運用にしようか、H&Yフィルターをしばらく使用してみて判断しようと思います。
この記事は初見レビューになります。
もくじ
H&Yのフィルターについて
H&Yは角型フィルターで高いシェアを誇る香港メーカーで、マグネットシステムによるフィルターの着脱が特徴的。従来のスロット式とは使い勝手が大きく変化しています。
マグネットシステムとは、専用ホルダーやフィルターフレームに仕込まれたマグネットの磁気だけでホルダーとフィルターを着脱するシステム。従来のスロット式のように差し込む必要がなく、簡単に着脱ができる革新的なシステム。
マルミ製品との違いは?
購入前に調べてみると、H&Yにそっくりなマルミ製品がありました。
マルミも同じ外見のマグネットシステム製品を取り扱っているが、実はこれはH&Yフィルターの“OEM製品”なんだそうです。よく見るとマルミ版の角型フィルターには「H&Y」という文字が入っているので、単なる類似製品ではなく、ちゃんとH&YからOEM供給されています。
H&Yの担当者へ質問をすると、双方の製品には大きな違いがあることが判明。
H&Yフィルターには大きな3つの特徴がありますが、そのうちマルミ製品には共通する特徴が1つしかありませんでした。
H&Y | MARUMI | |
マグネットシステム | ○ | ○ |
ドロップインシステム | ○ | ✕ |
ゴリラガラス | ○ | ✕ |
H&Yフィルターにはマグネットシステムの他にドロップインシステム、ゴリラガラス(強化ガラス)といった特徴も有名ですが、マルミ版にはマグネットシステム以外の2つの特徴がありません。
ドロップインシステムはマグネットシステムの利便性をさらに向上させる機能ですがマルミ版には非搭載。H&Yのゴリラガラスは割れにくい強化ガラスなのに対して、マルミ版は強化ガラスではなくB270という一般的なガラスなので取り扱いに注意が必要。
担当者の話だと、OEM供給ではあるけどマルミ版はH&Yのダウングレード製品になるそうです。その代わりに少し安いのがマルミ版の魅力でもあります。
マグネットシステムの利便性をフル活用したい場合はH&Yの「K-Series」を推奨します。
お得セットが分かりやすい
H&Yフィルターを買おうにも、種類が豊富でどれを購入すればいいのか迷ってしまいますが、スターターキット的なセット販売をしているのでありがたい。
確認できたのはこちらの4種のセット。
ホルダーKit+ドロップインCPLの標準セットに、フィルター各種が同梱。
僕は最も安い「Basic Set」を購入しました。標準セット以外にGND8(ハーフND)が1枚付属するだけの文字通りベーシックなセットですが、風景撮影でマグネットシステムを試すには十分なセット内容だと思います。
「Landscape Set」になるとリバースGNDや高濃度NDもセットになりそれなりに高価なので、一式を完全にH&Yフィルターへ乗り換えたいユーザー向けです。
K-Series Basic Setを購入
実際に購入した「K-Series Basic Set」や、マグネットシステムの使用感などを紹介します。
セット内容について
「K-Series Basic Set」のセット内容は4点。
- 専用ホルダー
- アダプターリング4種(67/72/77/82mm)
- ドロップインCPL
- Soft GND8
風景撮影に最低限必要なものが揃っています。
GND専用ソフトケース、ホルダーセット専用ソフトケースも付属しています。ドロップインCPLには専用ケース等はなく、ホルダーにセットした状態をデフォルトにして保管するようです。(個別ケースがないので、取り外した際の保管に困りました。)
4サイズ対応アダプターリング
メーカーに寄ってはサイズ毎に別途購入の必要があったりするので、アダプターリングが複数枚セットになっているのはありがたいですね。67〜82mmの使用頻度の高い4枚です。
特殊サイズのNIKKOR Z 14-24mm f/2.8 Sにも装着可能なアダプターリングは別売り。
ドロップインシステムが便利
ようやくドロップインシステムの紹介。
こちらもマグネットの磁気を利用した機能で、ホルダーに空いた隙間にフィルターを文字通りドロップインするシステムです。このドロップインシステム非搭載のマルミ版では、通常のねじ込み式のCPLをくるくる回して取り付けることになります。
ドロップインシステムは基本的にCPLの使用がメインです。
専用フィルターを隙間へストンっと入れるとマグネットの磁力で固定されます。角型フィルターを装着したままでも、ドロップインフィルターを好きに着脱することができて利便性が高いです。
星景撮影などCPLなどが不要な場合はフタとなるアダプタ(同梱)を取り付けます。
使いやすいドロップインC-PL
ドロップインCPLにはフィルターを回転させるダイヤルが付いている。
角型フィルターを取り付けたままでも偏光操作が簡単です。
フィルター落下防止ロック
マグネットシステムで一番の不安要素なのが「フィルターの落下」だと思っています。マグネットを引き離す方向へと力を加えればフィルターは簡単にポロンと落ちてしまいます。
気をつければ済む話なんだけど、夜間撮影など視界が悪いときに手が当たってしまうことだってあると思います。
しかしフィルター固定ネジがあったのでひと安心。
フィルターの位置が決まったらネジを締めてフィルターを固定してしまえば落下防止になります。でも手間を一つ増やすくらいならスロット式でもいいような気もしてしまう。
利便性は向上するが落としやすくなるマグネット式。
利便性は落ちるが落としにくいスロット式。
どちらも一長一短ですよね。
強固なゴリラガラスの安心感
K-Seriesのフィルターは強化ガラスで有名なゴリラガラスを採用。割れにくい、傷もつきにくい、落としても平気なガラスなのです。落下という不安要素はちゃんとカバーされています。
このゴリラガラスのプロモーション映像がもはや「落とすことが前提」みたいでウケます。
他社フィルターをマグネット式にできる
別売りの『クイックリリース・マグネティックフィルターフレーム』を装着することで、これまでスロット式で使用してきた他社フィルターをマグネットシステムでも使用可能です。
H&Yフィルターではソフト系フィルターを取り扱っていなかったので、僕はKenko ハーフプロソフトン(A)をマグネットシステムに対応させました。
基本的にはH&Y製のフィルターを購入してしまえば問題はない。
でもすべてのフィルターを入れ替えるのは大変だという場合はマグネティックフレームだけを購入すれば、手持ちの他社フィルターをマグネットシステムに対応させることができます。
その場合は通常のガラスのまま落としやすくなるので取り扱いに注意。
ゴリラガラスの安心感は異常です。
実際に使用してみた感想
H&Yフィルターセットで富士山撮影に挑んでみたところ映りに関してはごく普通にGNDという印象で、むしろCPLフィルターの効果の強さを感じました。
このCPLのためにH&Yを導入しても良いと言っても過言ではない。角型フィルターをあまり使用しない方には、可変ステップアップリングとCPLフィルターがセットになった「REVORING 67-82mm & MRC CPL フィルター82mmセット」がおすすめです。
そして気になった点がひとつ。
僕は今まで角型フィルターを一度も落としたことはなかったのに、はじめてのマグネットシステムの使用時に落としてしまった。
しかしゴリラガラスなので無傷で一安心。
落下についてはまだ使い慣れていない僕に原因があるもので、
「固定ネジの開放が甘い状態」に気が付かずにフィルター位置の調整をしたところ、ひっかかりによりスムーズにフィルターを動かせず、ならばマグネットを少し浮かそうと引き剥がした際に力加減を間違えてパコーンッと勢い余って前方へ吹っ飛ばしてしまったというケースです。
スロット式とマグネット式での操作感は別物になるので、慣れるまでは落下させないように注意して取り扱ってくださいね。
これが登山や水辺などで回収不能な場所へ落下してしまったらショック。落としやすさをカバーするための強化ガラスだけど、紛失しないように注意です。
まとめ
スロット式にはスロット式のメリットもあるので、どちらがいいかはまだ判断できかねます。もうしばらくH&Yフィルターを使い込んでみたいと思います。
個人的にはドロップインシステムの利便性に感動しました。光害カットフィルターのドロップイン版があれば嬉しいです。よろしくお願いします。
スロット式よりも圧倒的に利便性は高いし、落としやすさは慣れの問題だと思うし、ゴリラガラスで揃えれば万が一落としても安心です。
マグネットシステム・ドロップインシステム・ゴリラガラスの特徴は3つ揃えてこそ真価を発揮するので、ダウングレード版よりもH&Yの「K-Series」をおすすめしたいです。
なんとホルダーの固定ネジ部が改良されたMarkIIが登場。
従来の固定ネジよりも固定力が上がったことでフィルターの落下事故を軽減します。現在H&Y Filterより発売されているホルダー関連製品はMarkIIに差し替わっています。
僕がフィルターを落下させてしまったのも固定ネジが関わる操作ミスだったので、その辺りの改善されたホルダーは嬉しいですね。