こんにちは、アキです。
北横岳(八ヶ岳)にて念願の雪山デビューを果たしてきました。
1月には静岡県独自に不要不急の外出・県移動の自粛要請発令となり、雪山デビュー目前にして中止。どうなるかと思ったけど、2月には静岡県独自の自粛要請は解除されたため無事に雪山デビュー計画の再開となりました。
北横岳の登山記録(2021.2.10)
北横岳(南峰)・北横岳(北峰) / あきさんの北横岳(南峰)・北横岳(長野県)の活動データ | YAMAP / ヤマップ
北横岳(標高2,480m)は雪山デビュー定番の山として有名。
登山の出発地点となる頂上駅(標高2,240m)までは北八ヶ岳ロープウェイで上がれるため、雪のたっぷり積もった標高をお手軽に歩けるわけです。
頂上駅から北横岳までは標高差240m程度で、標準コースタイムは往復3時間程度のコース。初めての雪山でのアイゼンワークの慣らしには持ってこい。
もちろんロープウェイに頼らずに登れる中級者向けコースもあるので、ステップアップしながらロープウェイ料金を節約することも可能。
そんな定番の北横岳での二人登山の記録です。
北八ヶ岳ロープウェイに乗ろう
長野県茅野市内で前泊をして、翌朝に北八ヶ岳ロープウェイまで移動する計画。
ロープウェイは9時の始発へ乗るつもりだったけど、朝はダラダラ過ごしてしまい始発には間に合わずでした。始発どころか計画は1時間遅れスタート。
10時頃、北八ヶ岳ロープウェイ山麓駅へ到着。
道中は除雪されていて、数日間ほど晴れが続いたこともあり走りやすかったが、雪が残っていたり日陰では凍結も確認できたのでスタッドレスが必須。積雪直後や降雪時はチェーンも用意しておいた方がいいかも。
11時頃、ようやくロープウェイへ乗車。
大人往復2,100円です。
駐車場へ到着してからロープウェイ乗車までの支度に時間がかかってしまった。ウェアやゲイターなどは購入後に家で何回か装着して慣れておいた方がいい。
出発前の支度時間は改善したい課題だなぁ。
このロープウェイにはスキー客も乗車するため平日でもそれなりに乗客がいました。乗車中のマスク着用や会話禁止などの対策をとられていました。
標高を上げていくロープウェイの中でテンションが上がります。念願の雪山です。
車移動しているときに見上げた八ヶ岳は思っていたよりも雪が少なくて、本当に雪山歩きができるのか不安になったりもしたけど、現地まで上がってくると雪しかなくて安心です。
10分程度で標高2,237mの山頂駅へ到着。
トイレやカフェがあり、スキーや登山をしなくても観光だけでも楽しいと思います。
ここでアイゼンを装着して登山をスタートします。
コースも豊富なので北横岳方面だけでなく、縞枯山や茶臼山方面の周回コースなども楽しめます。来シーズンはステップアップしてそちらの周回コースを歩いてみたいな。
標高2,240mから登山スタート
山頂駅を出てからアイゼンを装着したり再び準備時間となるのですが、ここでも少し時間がかかってしまった。アイゼン装着後にトイレに行きたくなって外したりと無駄な時間が多かった。
11時30分頃、初めての雪山登山スタート。
これから登る頂上方面は真っ白ですね。
序盤は初めての12本爪アイゼンの感触に慣れるためにゆっくり歩きます。
爪が長く登りづらさは感じるも、ふっかふかの雪の斜面に対してガッシリとホールドされて安心感があります。ぜんぜん滑る気がしません。
あちらこちらに見かけるシュカブラ(風紋)が綺麗です。
雪だらけでの景色を撮影してばかりで足が進まない。
なんの変哲もない景色かもしれないけど、雪山デビューの二人は大興奮ですよ。
時折、休憩場所という看板もある。
ここはまだ全然疲れていないほどの序盤だけど、この辺りで風や天候に合わせてウェアの調整をしてくださいという意味なのかもしれない。
北横岳以外への分岐もあるので注意です。
先行ハイカーに付いていったら縞枯山方面へと間違えて進んでしまいました。
看板がこんなに埋まってしまう深さの冠雪。
ちなみに序盤は「坪庭」と呼ばれる平坦なエリアが続きます。
登山するほどの体力はなくても坪庭の周回コースをカメラを持って散策するのも楽しいと思います。もちろんアイゼンやスノーシューなどの準備は必須です。
今回使用しているグローブはインナーに「モンベル トレールアクショングローブ」で、オーバーグローブは「テムレス 02 winter」です。雪山だけど晴れていればインナーグローブだけでも十分なくらい暑かったので、調整できるようにこの組み合わせでした。
メインに用意した「ブラックダイヤモンド ソロイストフィンガー」はインナーグローブ一体型なので不便も多い。もっと気温が低かったり吹雪いている際じゃないと出番はなさそう。
坪庭はほぼ平坦なのでゲームで言うところのチュートリアルモードのようで、まずは平地でアイゼンワークに慣れさせてから傾斜のあるコースへと進ませてくれる感じ。
雪山デビューに優しい。
風抜けのいい場所なので至る場所にシュカブラがあります。
なにやら綺麗な山域が見えたのでパシャリ。
あれは御嶽山らしい。
雪のオブジェみたいなやつ。
樹林帯が近づいてきました。
積雪直後でもないのに見事な樹氷がたっぷりと残っています。
霧氷に囲まれた北横岳ヒュッテ
坪庭チュートリアルを終えると樹林帯へと突入してようやく雪山登山が始まります。
12本爪アイゼンは初めてなので傾斜を登る際に違和感がある。前爪が邪魔に感じますが慣れの問題でしょうかね。
少し登ったところで坪庭を見下ろせた。
坪庭を挟んで向こうの山が縞枯山方面。
さらに奥にヒョコッと見えるのが赤岳(左)と阿弥陀岳(右)ですね。
前方を歩く相方、見た目の装備はほとんど僕と一緒で「スカルパ モンブランプロ」や「ミレー ティフォン50000ウォーム」などはカラー違いで揃えています。
樹氷が美しいし青空が映える。
13時頃、北横岳ヒュッテへ到着。
撮影ばかりで足を止めていたので、標準コースタイム60分のところ90分もかかりました。雪山デビュー戦はどうしても景色に見惚れてしまうので、標準タイムよりも時間がかかることを計算しておくといいですね。
北横岳ヒュッテは閉まっていたけどトイレは開放されていました。ありがたや。ちなみに宿泊予約のある日は営業しているそうなので通年といえば通年。
北横岳ヒュッテ前で休憩タイム。
そんなに長い山行ではないのでパン類とスープの軽食です。雪山だと米は凍ったり固くなってしまうのでおにぎりよりもパンがおすすめ。沸かしたお湯を山専ボトルで持参したのでガス類も不要。
太陽が薄雲に重なってなにやら虹のような綺麗な現象が。
ハロかな?
休憩後、北横岳ヒュッテを過ぎると一面が真っ白な景色に囲まれます。
これにはテンションMAXな静岡県民。
これが噂のスノーモンスターかな?
かわいい。
頂上から見える蓼科山
北横岳ヒュッテから頂上までは標準タイム10分程度となっています。
真っ白な樹林帯を抜けると空が開けてきて頂上が近そうな雰囲気になります。
綺麗だったのでパシャリ。
空が開けた辺りで振り返ると景色も見えてきましたね。
森林限界が近いのか、低い植物はほぼ雪で埋もれているのか。
一面から木々が消え看板が見えてきましたが、あの先が頂上ですね。
14時頃、北横岳(標高2,471m)の頂上へ到着。
ここは北横岳南峰ということなので、もちろん北峰もあります。北横岳山頂は二峰に分かれているのです。
標準タイム1時間強のところ、山頂駅から約2時間30分と想像以上に時間をかけて登っていました。ほとんどは写真撮影によるタイムロスでしょうね。景色に見惚れてとにかく足を止めてしまう。
北横岳南峰からは、樹林帯越しに蓼科山(2,530m)が眺められます。
その向こうには北アルプスが立ち並びます。
うぇーい。
ちなみにNikon Z6IIは「ロープロ トップローダーズーム50AW」で携行しました。
富士山撮影のときの登山ではポーチはザック内に入れています。今回は登山中の撮影も楽しむために体にぶら下げていましたが、とくに登山の邪魔にはならなかったので北アルプス登山などはこの携行方法で運用していこうと思います。
これで急にライチョウに遭遇してもZ24-200mmでバシッと撮影できるはず。
蓼科山は諏訪富士と呼ばれるだけあって富士山に似ている。
黒胡麻プリンのようにも見えます。
ちなみに昨年11月上旬の秋季登山に訪れています。
蓼科山の反対(南側)には八ヶ岳連峰を見渡せる絶景が広がる。
左から硫黄岳、横岳、赤岳の三山が並ぶ。
もう少し雪山経験を積んだら硫黄岳、天狗岳あたりを冬季登山してみたいですね。
記念撮影や景色など一通り楽しんだら北峰を目指します。
南峰から10分もかかりません。
ちなみに僕はトレッキングポールはまだ買っていません。北横岳に関してはここまでピッケルの出番もなかったのでずっと手ぶらでした。故にカメラを持って撮影が捗ったのです。
雪山のステップアップをしていくならトレッキングポールはあった方がいいのかしら。ピッケルの使い方もまだ理解していないので、講習等を受けておきたいところですね。
北横岳北峰へ到着、体感では南峰から5分程度です。
南峰の標高2,471mに対して、北峰は標高2,480mと少し高いようです。
少し移動しただけで蓼科山の見え方が変わったが、北峰の方が高度感を感じる構図で良き。
そして14時30分くらいに下山開始、ロープウェイ最終が16時なので少し急ぎました。出発が遅れたり、コースタイムも伸びたりと時間がかかり過ぎました。
撮影などで足を止めなければ下山はあっという間で、40分ほどで山頂駅へ帰還しました。
ひとつ気がついたことがある。
ずっと雪の上なので土や泥で登山靴が汚れないのが雪山登山のメリット。帰宅したら日陰で乾かしておく程度でいいと思う。アイゼンは念のため水洗いしてから乾かしました。
雪山デビューの感想とか
まずは「雪山めちゃくちゃ気持ちいい」の一言。
はじめは違和感だらけだった12本爪のアイゼンワークは、下山するころには違和感なく歩けるようになっていました。慣れの問題だったようですね。しかしこの程度で慣れたからと油断は禁物で、一歩一歩慎重に踏み出すことを心がけて雪山登山のステップアップをしていきたい。
なので来シーズンはまずピッケル&アイゼンワークの講習を受けてみたい。今回はピッケルに関してはザックの飾りでしかなかったですからね。
雪山講習(モンベルのやつ)について調べてみると、
- 雪上技術(ピッケル&アイゼンワーク)
- 雪崩対策
- 緊急時対策(ビバーク技術)
これら3つの講習を受けることで雪山初級技術が一通り身に付くそうです。
追々、受講してきたいですね。
初めての雪山は支度に時間はかかるし、登山中は景色を楽しんだり撮影を楽しんだりとコースタイムが伸びがちになります。僕の雪山デビューはアホみたいに時間かかりました。
北横岳の場合はロープウェイの最終に乗り遅れないように、標準タイムの2倍近くを想定して計画すると無難かもしれません。乗り遅れても歩いて駐車場まで下山できますけどね。
これから北横岳で雪山デビューを考えている人は参考までにどうぞ。
そんなわけで、北横岳での雪山デビューの記録でした。