NIKKOR Z 24-120mm f/4 S購入レビュー。規格外の解像力らしいZマウント小三元レンズ

こんにちは、アキです。

待望のZマウント小三元レンズNIKKOR Z 24-120mm f/4 Sが登場。

当初のNIKKOR Zレンズラインナップに記載されていた24-105mmは、注目機種Z9のオマケとして何の前触れもなく24-120mmに変わって正式発表。僕はずっと24-105mmを待っていたので迷わずに予約して発売日ゲット。

予約までに少し葛藤はありましたけどね。

例えば同時期のタムロンEマウントでは35-150mm F/2-2.8 Di III VXDや、28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXDみたいな明るい可変F値ズームレンズがトレンドでした。

Zマウントでも24-105mmは「F2.8-4」という可変F値になるような噂があったけど、蓋を開けてみればFマウント小三元レンズAF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VRと同じ「24-120mm F4」として発表。しかもFマウント版は描写の評判が悪かったこともあって少し複雑な気分にもなりました。

しかしZマウントレンズの描写力に間違いはありません。数値上の進化には惑わされず「Zレンズに外れ無し」という評判を信用しての購入です。

簡単なファーストインプレッションを紹介します。

NIKKOR Z 24-120mm f/4 Sを購入

NIKKOR Z 24-120 f/4 S

個人的な選んだ理由
  • 登山で使いやすい高倍率な焦点距離
  • 24-200mmと同等のサイズ感
  • 24-200mmより解像感のあるガチ撮影をできる
  • 独立したフォーカスリングが欲しかった
  • 光学手ブレ補正(VR)非搭載だけどボディ内手ブレ補正がある

僕は主に登山での携行を理由になるべく高倍率なズームレンズを好んでおり、24-70mmという焦点距離は避けて24-200mmが主力レンズとして活躍していました。

24-120mmは24-200mmと同等のサイズ感に仕上がっているので、携行用カメラポーチを変更する必要もなく扱いやすい。重量は約60gほど増しているが、独立フォーカスリングが追加されて操作性が向上しています。

レンズ本体には光学手ブレ補正が非搭載だけど、使用予定であるZ6IIやZ7ではボディ内手ブレ補正を使えるので気にするようなデメリットにはならないです。VR付きの24-200mmとは上手く使い分けていきたい。

 

ズバ抜けた解像力の次世代Zレンズ

ePHOTOzineによる検証ではZ24-120mm f/4 Sは、従来使用していた解像力チャートに収まらない解像力に到達したと掲載しています。

欠点の少なさ、全体的な評価の高さを考えればコスパ抜群なレンズかと思います。

唯一の悪い点「開放付近の周辺光量落ち」に関しては多くのレンズに共通する現象なので仕方がない。というか開放が最も解像するという面白いチャートですね。

 

S-Lineロゴが一新された

NIKKOR Z 24-120 f/4 S

僕が勝手に「次世代Zレンズ」と呼んでいる理由の1つはロゴの変化。

レンズ本体のS-Lineマークが新しくなっています。

2022年から発売されたZレンズはデザイン含めて次世代感を感じますね。

Z マウントレンズの「S-Line」は、脈々と受け継がれてきたニコン独自の設計指針と品質管理をさらに厳格化した NIKKOR Z レンズの中でも、さらに高い基準を満たすレンズにつけられた称号です。
「S-Line」の「S」には、「優れた(Superior)」、「特別な(Special)」、「精緻な(Sophisticated)」の意味が込められています。
なお、「S-Line」に属しているレンズには末尾に「S」という文字が名称の中に含まれます。

参照:Z マウントレンズの「S-Line」について | Q&A・よくあるご質問 | サポート | ニコンイメージング

公式の「S-Line」の意味です。

一定の基準を満たす高品質なレンズに与えられた称号が「S」らしいのですが、非Sの24-200mmでも描写力がピカイチなんですよね。もはや「Z」であることに価値があると思う。

 

独立フォーカスリングは正義

24-120mmには「独立フォーカスリング」が搭載されました。

Zマウントで独立フォーカスリングがあるのは大三元などの高価格帯レンズだけで、低価格帯レンズに搭載されたのは初じゃないでしょうか。

ちなみにフォーカスリングが無いレンズではコントロールリングでMF操作をすることになります。コントロールリングとは、電子的に「フォーカス操作・絞り操作・露出補正・ISO感度操作」などの機能を割り当てることが可能なカスタムリングです。

しかしコントロールリングはマウント近くに設置されていて操作しづらいのです。とにかく位置が悪い。MFでピントを追い込むには絶妙な力加減を要するので操作のしやすさは重要。

24-120mmは独立フォーカスリングが一番の魅力と言っても過言ではない。

MF操作をする風景屋にとって、従来のレンズ同等の独立フォーカスリングが設けられたのは嬉しい限り。リング動作は滑らかでMF操作がとても良好です。

 

24-200mmとの使い分けについて

焦点距離がかなり被っている2本のレンズ。

24-120mmの登場により24-200mmを手放したユーザーは多いと思いますが、それぞれのレンズにしかない特徴でちゃんと差別化されているので「使い分ける」ことは可能です。

  • 24-120…VR無し、S-Lineの描写力
  • 24-200…VR付き、200mmまで対応

手ブレ補正の構造は詳しくないんだけど、Zシリーズでもボディ内手ブレ補正とレンズ内手ブレ補正は協調して補正がかかるという話です。ボディ内手ブレ補正だけでも強力なんですが、中望遠〜望遠域ではレンズ側のVRの恩恵を受けられるようです。

僕にはどちらも必要なレンズだったので2本を使い分けることにしました。

そのためにサブ機のD810をZ7へ入れ替え。

  • Z6II+24-200…手持ち撮影多めの登山、旅行
  • Z7+24-120…三脚使用、高画素機でガチ撮影

主にこの組み合わ方での使用を考えています。

可能な限り登山は2台体制で頑張りたいところです。

 

Zマウント小三元レンズはあと1本

Zマウント小三元レンズ

2本のZマウント小三元レンズが手元に揃いました。

残すところは「70-200mm F4」だけ。

大三元はとっくに3本が登場しているのでペースが遅く感じますね。

24-120mmですらZマウントで規格外の描写力へと進化している。FマウントAF-S NIKKOR 70-200mm f/4G ED VRは小三元の3本の中で最も評判の良いレンズだったこともあって相当な期待ができます。VRも付いていたら嬉しいな。

まだロードマップにも登場していませんが、最近ではニコンがフルサイズミラーレスの「70-200mm F4」の技術特許を出願したという噂もあるので、Zマウント小三元レンズが3本揃うのはそんなに遠くはない未来かもしれませんね。

「小三元レンズ」とはF4通しの広角・標準・望遠の3本のズームレンズのことです。もっと明るいF2.8通しのズームレンズを「大三元レンズ」と呼び、小三元レンズよりも描写力、性能、価格が跳ね上がります。

 

 

撮影ファーストインプレッション

富士山の日と塔ノ岳
Nikon Z7 ISO100 30mm -1.3EV F8 1/50秒

さっそく登山に持ち出しましたが、軽量なレンズなので2台体制も平気でした。撮影は「日没時で雲の多めな山域」というシチュエーション。

使用カメラはAF性能改善前の旧機種(Z7)で、低照度AFオフの状態でもAFは瞬時にバッチリ決まりました。AFに頼り切った手持ち撮影だったけど細部まで解像していて驚きました。ピント合わせがシビアになる高画素機でも正確なAF性能です。

純粋にレンズ性能が高い。

低照度AFオンにしたZ6IIと合わせたらもっと暗いシチュエーションでも正確なピント合わせを期待できるし、独立フォーカスリングでのピントの追い込みも捗ると思う。

低画素機・高画素機ともに一長一短なので、使用するシチュエーションに合わせてカメラボディの組み合わせを考えるのが楽しくなりそうです。

またそのうち長期使用レビューをまとめようかと思います。