発売日に購入したNikon Z6IIの使用感とか選んだ理由まとめ(1年レビュー)

こんにちは、アキです。

発売日に購入した『Nikon Z 6II』を使い始めてかれこれ1年以上が経過したので、そろそろ使用レビューやミラーレスデビューとして選んだ理由などをまとめてみようと思います。

当記事を書いている時点では“1年3ヶ月”使用レビューということになります。

Nikon Z6IIを選んだ理由

Nikon Z6II

購入した「Z6II」は2020年11月23日に「Z6」の後継機種として発売された第二世代モデル。

スペック詳細は公式サイトへどうぞ。

Z 6II – 主な仕様 | ミラーレスカメラ | ニコンイメージング

 

個人的にZ6IIを選んだ理由まとめ
  1. 機材を軽量コンパクト化したい
  2. 星景撮影における高感度耐性の魅力
  3. 登山中の手持ち撮影や微ブレ耐性の強さ
  4. 2400万画素でも十分なのかもしれない
  5. 旧機種(Z6)からちゃんと進化している
  6. なんやかんやニコンを応援したい

 

旧機種からちゃんと進化している

Z6IIが発表されたときに、一瞬「Z6でもいいんじゃね?」と頭を過りました。

でもよく見たらちゃんと進化しています。

実際に旧機種からセンサー性能には大きな変化はないためマイナーチェンジモデルだと思っていいです。Z6で不評だった細かな点が改善されており、ユーザーの声がしっかり反映された機種です。

センサー性能が同じとは言え、その他の撮影補助機能の向上により撮影の精度が上がるので事実上の描写力の向上とも受け取れます。AF性能の進化は大きい。

改善ポイントの中で個人的なピックアップ。

  • デュアルEXPEED6で画像処理能力が倍に向上
  • AF精度の改善(低照度AF、AF速度など)
  • CFexpress、SDカードの2スロット化
  • 900秒までの長秒露光に対応
  • バッテリー容量アップ
  • 撮影中のUSB給電が可能

「900秒までの長秒露光」「バッテリー容量アップ」「撮影中のUSB給電対応」などの追加、画像処理能力が2倍になりデュアルスロットでの膨大な撮影データの保存も安心で、夜間撮影やタイムラプス撮影に強くなりました。当初の目的だった「星景撮影」が強化されたことがZ6IIの決め手ですね。

処理能力が2倍になったことによる低照度AF精度の改善は、薄明時の風景撮影において非常にありがたいポイント。

もちろん処理能力は今後の機能強化の可能性も広げてくれます。ファームウェア更新によって旧機種には追加できない機能強化などで差別化に期待ができます。

せっかくの後継機種なのでもう少し進化が欲しいところでもあります。

 

あえて低画素機を選んだ理由

選択肢としては2400万画素のZ6II、4500万画素のZ7IIの2択だったけど、ちょうど星景撮影に興味を持っていた時期だったこともあり高感度耐性の強い低画素機を選びました。(発売日に購入するとしてZ7IIの価格に手が出なかったという理由もありますけどね。)

3600万画素のD810からの移行だったので画素数ダウンは少し気がかりでした。

風景撮影では高画素機でトリミング耐性やローパスフィルターレスにおける高画質化を追い込みたいところ。しかし高倍率ズームレンズで登山中の手持ち撮影を考慮すれば、微ブレの少ない低画素機が有利であるのも事実。

風景撮影がメインなんだけど星景も撮りたいし手持ち撮影もしたい。

悩みに悩んで「2400万画素でも十分かもしれない」と妥協。

 

なんやかんやニコンを応援したい

もともとZ6/Z7が登場しても手を出せなかった理由が、他メーカーの同等機種よりも遅れを取っている印象が強かったからです。

当時ミラーレス移行を考えれば考えるほどα7シリーズに辿り着きました。本音ではニコンを使いたい気持ちが強いのに、純粋に機能やレンズ選択を考慮するとどうしてもソニーEマウントに辿り着く。

これによりずっとミラーレス移行できずにモヤモヤしていました。

2018年のZ6/Z7の登場から思ったよりも早く、2020年には後継機種Z6II/Z7IIの登場でようやく他メーカーと2年遅れで横並びになれたという印象。

もとより「Zレンズに外れ無し」と言われるほど、ニコンZマウントレンズの評判の良さが後押しとなりました。旧機種を使い倒した先人達のレビューのおかげです。

例えば、ミラーレス移行して1本目に欲しい高倍率ズームレンズの比較。

選ぶ機種によって上記2本のどちらかを購入する予定でした。

ソニーEマウントでどんどん進化するタムロンレンズにF2.8スタートの高倍率ズームレンズが登場するも、対するニコンZマウントにはサードパーティが参入できない状況で、純正レンズのみという選択肢の少ない状況でした。

高倍率ズームレンズと言えば描写力を犠牲にして24-200mmという万能な焦点距離を得られるレンズだったはず。

タムロンのF2.8スタートは魅力的だが、蓋を開けてみればZマウントレンズは高倍率ズームレンズですら描写力の評価が高かった。便利ズームレンズの壁を超えているという。

もはやニコンZレンズは数値だけの進化は必要ないということなのか。この結果によりF値とかの数字には惑わされずニコンZマウントレンズの描写力を信じる覚悟ができました。

メーカーに拘りは無いつもりでα7シリーズへの浮気を考えていたけど、感染症拡大におけるご時世も相まってなんやかんやニコンを応援したいという気持ちが芽生えてしまいました。

 

 

Z6IIをしばらく使ってみた感想

Z6IIを1年以上使用してみて良かった点、イマイチだと思った点それぞれ交えて感想を紹介していきます。

ちなみにスマホ連携やタイムラプス撮影などはいまだに使用していません。この記事を書いている2022年3月現在はZ7との2台体勢になったので、1台をタイムラプス撮影などに活用していきたいと思います。

やはり軽量コンパクトは正義

まず僕がミレーレス化に求める一番の目的は「軽量コンパクト化」です。現在の撮影スタイルとして写真撮影=登山になりつつあったので、カメラ機材の軽量化のためにミラーレス化は外せない。

D810(左)と、Z6II(右)のサイズ比較。

  • D810+35-150mm
  • Z6II+24-200mm

登山中の撮影を想定した高倍率ズームレンズの組み合わせ。

カメラ本体がサイズダウンしたことで、レンズやカメラポーチのサイズダウンができました。それらを支える三脚や雲台をスペックダウンして軽量化することも可能です。

1つのサイズダウンから大きな軽量コンパクト化へと繋がります。

これにより登山ザックの空き容量が増えるので、レンズを追加したり、他の登山装備を増やしたりという選択肢も増えます。

登山において軽量コンパクトは正義です。

Lowepro トップローダーズーム

 

フォーカスピーキングはまずまず

フォーカスピーキング

フォーカスピーキングとは、MF(マニュアルフォーカス)操作時にピントの合っている部分に色を付ける機能です。これにより簡単にピント合わせを行えます。

「カスタムメニューd11 フォーカスピーキング」で設定可能。

上記GIF画像のようにフォーカスリングを回すと赤い部分(ピントの合っている部分)が移動していきます。ピーキング表示色は白・黒・赤・黄の4色から選択が可能です。

 

フォーカスピーキング

ピーキング検出を「3(高感度)」に設定すれば、ライブビュー映像を最大まで拡大表示させても色が表示されます。画面左下のピントマークと合わせて「ピントの山を追い込む作業」をすることで、ピント合わせの精度が向上した。

とくにオールドレンズ等のMFレンズで大いに役立つ機能で、これは実質「類似オートフォーカス」みたいなものでしょう。オートではないんだけどAFくらい簡単にピント合わせができるよっていうニュアンスで。

 

低照度AFは有能だけどピントは甘い

低照度AF(ローライトAF)は暗いシチュエーションでも被写体に対してAF検出、作動させることのできる機能。「カスタムメニューa10 ローライトAF」から設定可能です。

Z6IIでは画像処理エンジンがデュアルEXPEED6へ進化したことでAF精度がZ6よりも向上していて、-6EVまで測光可能になりました。今後のファームウェア更新でさらなる進化も期待できる部分でもあります。

D810の頃では迷ってしまってAF不可だったような暗いシチュエーションでも、Z6IIではピントを合わせに行ってくれるようになりました。風景撮影においては有能です。

しかしPCで等倍表示してみるとピントが甘いときもある。

画素数ダウンした影響でピントが甘く感じるだけ?

何だかよくわからないけどあまり暗すぎるとピントが甘く感じるので、後からMF操作で「ピントの山を追い込む作業」が必要になるのはD810の頃から変わりませんでした。というか日中でも結局はMF操作での追い込み作業をします。

だったら始めからMF操作でもいいような気もする。

しかしAFでばっちりピントが合っている時の描写力はピカイチ。

24-200mmの便利ズームレンズでも評判通りの解像感を得られます。もちろん完全な日中であればAFは高確率でバッチリなので登山中の手持ち撮影や、動きのある動物の撮影などは非常に捗りました。

 

EVFが見やすくて便利

電子ビューファインダー(EVF)はとても良好です。

ディスプレイ画面がそのままファインダーに表示されているので、ファインダーを覗き込んでカメラを構えたままメニュー画面操作や、撮影した写真のプレビューを確認できます。日中の屋外では光の関係でディスプレイが見づらいことがあるので、EVFでの表示確認は見やすくてとても便利ですね。

もちろんファインダーで拡大表示してピント合わせ、フォーカスピーキング表示なども可能です。

光学ファインダーからめちゃくちゃ進化しました。

 

デュアルスロットの安心感

Nikon Z6II

XQDシングルスロットだった旧機種からデュアルスロットへと進化。

CFexpress+SDカードの2枚をセット可能です。

実際に僕は「SDカードを戻し忘れる」という事故を何度か経験しているのでデュアルスロットは重要ポイント。基本はSDカード運用しつつCFexpressを入れっぱなしにしておいて事故を防止します。

XQDシングルスロットの場合、高価なXQDのスペアを何枚も用意して登山ザックやカメラバッグに忍ばせておくにはコスパが悪い。Z6II/Z7IIでは戻し忘れ防止だけでなく、安価なSDカードでスペアを用意できる点も高評価です。

なんやかんやデュアルスロットはありがたい。

ちなみにD810では「CF+SDカード」のデュアルスロットだったので、Z6IIの「CFexpress+SDカード」は違和感なく運用できます。今後はCFexpressにお世話になると思います。

 

ダイヤルボタンはイマイチ

左肩のダイヤルボタンは撮影モードの切り替えが割り当てられています。(以前に使っていたD610辺りの機種と同じ。)

撮影モードはそんなに頻繁に使い分けることが無いので、わざわざダイヤル1つに割り当てるような機能なのかなと疑問に思います。

 

左肩ボタンはD810のクローバーボタンが好みでした。大抵の機能操作は「iメニュー(カスタムメニュー)」で解決できるけどクローバーボタンは直感的に使いやすかったです。

このクローバーボタンはハイエンド機の特権のようで、ZシリーズではZ9のみの機能になっていますね。これはZ6/Z7系の後継機種に付けて機能の割り当てができたら嬉しいやつ。

というかD810からZ6IIに変わったときにダイヤル位置にISOボタンが無くて焦りました。(取説とか読まずにいきなり撮影に持ち出すタイプです。)ニコン機種というだけで基本的な操作感は似ているんだけど、ダイヤルボタンは完全な別物なのでややこしい気もする。

 

高感度耐性は気にしなくてもよかったかも

富士山と天の川と大雲海

D810(3600万画素)と比較すると圧倒的にノイズ耐性が高いと実感できるが、これは2400万画素へと画素数ダウンしているので当然の結果。この高感度性能にはZシリーズでのセンサーの進化による効果も多少は含まれているとは思います。

現在はZ7(4500万画素)も購入しています。

3600万画素と比較するとあんまり変化を感じませんが、画素数アップによるノイズ耐性の低下と、Zシリーズのセンサーの進化が相殺してプラマイゼロなのかもしれない。(高感度耐性だとかセンサースコアだとかは検証のプロにお任せしたい。)

ノイズについて気がかりがひとつ。

昨今、DxOから登場したノイズ除去ツール『DxO PureRAW』がとても優秀だと巷を騒がせています。(当然、僕も購入済みです。)

これがRAWファイルの高品質な画像処理を可能として、細部のディティールやシャープネスを保ちながらノイズ除去をする優れもの。処理後にはLightroomへ連携して普段どおりレタッチを行うことになります。

AI技術による処理らしくて100%完璧という訳ではないので、まだ頼り切るという状況には至っていませんが、それでも十分すぎる戦力となります。

なんかもう高感度耐性は気にしなくても良かったかもしれない。

 

画素数ダウンはやっぱり心許無い

1年以上使っていても画素数ダウンには慣れませんでした。

レタッチ時に細部までチェックすると明らかに画素数ダウンによる影響を感じてしまいます。等倍表示は当然のこと、3600万画素の感覚で拡大してしまうと画質低下がはっきりと分かります。

ディスプレイ環境においては4K、6K、8Kと進化していて、8K環境では約3200万画素以上が必要となるそうです。それに合わせて3000万画素以上のカメラがスタンダードになっている時代に差し掛かっています。

個人でプリントしたりSNSに投稿するサイズでは「2400万画素で十分」と言われていますが、僕はレタッチ時に等倍表示させて解像感を満喫するのが楽しみな人間。

撮影した写真というものは誰かに見せる前に、自分が一番初めに鑑賞します。

当初Z6IIのノイズ耐性に感動したのはつかの間、画素数ダウンによる物足りなさが上回ってしまいモヤモヤします。

小→大に慣れてしまうと、同じ環境で大→小に戻すのは難しい。

何て例えたら良いんだろう。

「高速道路は利用するし行動範囲は変わらないし人も乗せる」という環境で、普通車から軽自動車に乗り換えるとなったらけっこう心許無いでしょ。

そんなイメージかな。

 

Nikon Z7

そんなわけで4500万画素のNikon Z7を購入。

Z6IIとZ7の2台体勢に辿り着きました。

Z7の購入経緯や高画素機への思うところは別記事で紹介します。

 

 

人によっては解像感が落ちるかもしれない

私感になりますが「画素数ダウンによる事実上の画質低下」ということで、解像感は落ちたように感じます。(あくまでも感じ方は人それぞれです。)

久しぶりに使用したD810の解像感に感動すら覚えました。

Z6IIはカメラとしての補助機能は大きく向上して撮影が非常に快適になったけど「実際に撮影した写真」がどうなのかと言われたら物足りなさを覚えます。

ここで言う解像感というのは「移行前の環境」によって大きく左右されます。

これから初めてフルサイズに移行する方、別の2400万画素カメラからZ6IIへ移行する方などは満足の行く解像感を得られると思いますが、高画素機から画素数ダウンする方はイマイチに感じる場合があるかもしれないです。

もちろん使用レンズにも影響されます。

僕がZマウント大三元レンズを使用していれば感想は覆される可能性はあります。解像感は撮影環境に左右されるものなのでハッキリとは言い切れず「かもしれない」という表現にしました。

 

Z6IIをオススメする人

一眼レフカメラ(D810)からミラーレス一眼(Z6II)へ移行して「解像感」を除けば全てが大きな進化を感じることができ、購入して良かったと思えるカメラです。

一眼レフカメラと大きな違いを感じたのは「カメラ」というよりもスマホやタブレット端末のような「カメラ付き電子機器」を扱っているような感覚だったかな。

Z6IIをオススメする人
  • 動体やポートレート撮影する人
  • 星景など夜間撮影メインの人
  • 動画メインで撮影する人
  • タイムラプスを撮影する人
  • 高画素機のサブカメラが欲しい人
  • 同じ2400万画素カメラから移行する人
  • スマホ、タブレットなど小さな画面でレタッチしてる人
  • 1台スタイルで何でも撮影したい人
  • ここまで2つ以上に当てはまった人

低画素機は柔軟な撮影スタイルに対応できるので、手持ち・風景・星景・動画まで全てをバランス良くこなせるオールマイティな機種かと思います。(動体に対するAF性能は他メーカーの同クラス機種よりも評価は低いようです。)

「風景しか撮影しない」という人は素直にZ7IIをおすすめします。

というかZ9で全て解決なんですけどね。(買えません)

 

Z6IIにおすすめなレンズ

Z6IIを選ぶような撮影スタイルであれば1本目は何でも撮影できる24-200がマジでおすすめ。

僕は「登山をして写真を撮るよ」と言っても、ライチョウなどの動物を200mmで追いかけることがあったり、登山中の手持ち撮影、三脚に乗せて夕景や夜明けの風景撮影まで様々な撮影スタイルが入り交じります。

万能なカメラには、万能なレンズを使ってこそ長所が光ります。

機動力・描写力ともにバランスの良い組み合わせだと思います。

今だったら24-120も悪くないんだけど、VRの付いた24-200とは上手く使い分けたいところです。三脚撮影がメインであれば24-120でいいと思います。僕は両方使います。

とにかく「Zレンズに外れが無い」と言われているように、便利ズームレンズなのに広角端から望遠端まで見事に解像して小三元レンズに引けを取らない描写力です。

 

 

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