こんにちは、アキです。
タムロンの望遠ズームレンズSP 70-300mm F/4-5.6 Di VC USD (Model A030)を登山用に導入しました。今更なレンズですが魅力や作例などを紹介します。
コスパの高さで有名なこのレンズ。昨年から登山用に揃えたい機材としてブログにも名前を出していたけどようやく手にすることになった。
7月の八ヶ岳登山では標準ズームで小粒な富士山ばかり撮影してしまい望遠域の強化が必要に感じたのです。
タムロンA030の主要スペック
SP 70-300mm F/4-5.6 Di VC USD (Model A030)
タムロン創業60周年記念モデルとして2010年に登場した旧モデルA005のコンセプトをそのままにリニューアルされたA030が2017年に登場した。
モデル | A030 |
焦点距離 | 70-300mm |
F値 | F4-5.6 |
サイズ | 最大径:82.2mm 長さ:142.7mm 重量:765g |
フィルター径 | 62mm |
絞り羽根 | 9枚 |
手ぶれ補正 | 4.0段 |
発売時期 | 2017年2月23日 |
70-300mmという焦点距離で、F4-5.6という明るさの望遠ズームレンズ。F2.8通しやF4通しの望遠ズームレンズよりも下のクラスになるが、焦点距離が300mmまであるため望遠ズームレンズとしてのポテンシャルは高い。
このクラスの望遠ズームレンズの大きな特徴は重量の軽さ。
765gのレンズ本体にキャップ・フード・保護フィルターを含めて873gとなる。
付属品込みで900gを超えないフルサイズ用レンズにはもれなく「軽量コンパクト」の称号を与えようと思う。(僕が勝手に軽量コンパクトと言っているだけで、サイズ感には個人差があるので注意してね。)
そして発売日に注目して欲しい。2月23日発売ということで富士山の日に登場したレンズなんですよ。これも何かの縁なのではないだろうか。
A005からリニューアルしたポイント
旧モデルA005からリニューアルされたポイントをまとめました。
- 手ぶれ補正4.0段分
- AFスピード・精度の向上
- 防汚コート採用
- デザインの一新
手ぶれ補正やオートフォーカスが強化され、より実用的に性能アップしている。撥水性、撥油性にすぐれた防汚コートの採用によりレンズ表面のメンテナンスが容易になった。
シルバーの帯になり全体的にシックな雰囲気となった。
A005をはじめとしたタムロンレンズの旧モデルによくあった金帯はダサいと不評でしたね。タムロンらしくてよかったと思うけど。
軽量な望遠ズームレンズの魅力と作例
描写力がどうとか解像感がどうとかよりも、軽量レンズから繰り出す70-300mmというポテンシャルをメインに語る作例なので全てレタッチ済みです。基本的に撮って出し作例の必要性を感じない人間です。
登山における軽量レンズの利便性
軽量な望遠ズームレンズはやはり登山時にありがたい。自身の体力に対して荷物が重く感じる場合は撮影機材を削る必要があり、大きく重たくなりがちなF2.8通し系レンズはどうしても優先順位が落ちてしまう。
約1.5kgある望遠レンズをA030に置き換え、削った重量分に別の機材や山道具を追加することもできる。
過去の登山経験では望遠ズームは泣く泣く留守番させることが多く、標準ズームの望遠域で我慢していたこともある。場所によっては富士山が小さくなってしまい勿体無い撮影もあった。
富士登山でも気軽に追加で持っていける。
登山用の三脚や雲台も軽量重視で選んでいるので、レンズを軽量化することで耐荷重的な負荷も軽減できて三脚雲台にも優しい。
三脚:GITZO GT2545T
雲台:SIRUI K-10X
富士山頂上、剣ヶ峰付近に沈む満月と御来光を眺めるハイカー達。
登山前から狙っていた構図をイメージ通りに切り抜くことができた。
望遠端300mmという頼もしさ
登山におけるレンズ1本での利便性を考慮すると70-300mmという焦点距離が頼もしい。
軽量ながら70-200mmよりも長い望遠域をカバーしており、これまで手持ちレンズ最大だった200mmでは見られなかった300mmという世界を撮影できるようになった。
登山だけなく通常撮影時での望遠域も少し強化されてしまった。
富士山頂上から見る御来光と山中湖。
広角で撮影していれば周囲に広がっていた雲海なども入ったが、御来光と山中湖だけにスポットを当てて切り抜いた1枚。
地上から撮影した富士山と彩雲。
超望遠レンズを持たない僕にとっては、山に限らず望遠端300mmまで対応したのは嬉しいな。APS-Cカメラで使用すれば450mm相当なのでAPS-Cユーザーにもおすすめだよ。
切り抜きのスキルアップに
高いところに登ると基本的には広角気味に「見えている景色すべて」をおさめがちだったところを、望遠レンズを使用することで景色の一部を切り抜くスキルを要する。
風景写真は広角が正義なのは揺るがないと思っていますが、しっかりと主題を決めて構図を作れば望遠域での風景の切り抜きも楽しい。
僕もスキルアップするために登山時の望遠レンズ使用機会を増やそうかと思う。
富士山頂上、剣ヶ峰から見える三島岳と雲海を切り抜いた。
お気に入りの1枚だけど、見返していると被写界深度はもう少し浅くてもよかったかなとか構図のバランスに不満を感じてしまう。でも撮影段階でレタッチの仕上げイメージが湧いて楽しかった思い出。
富士山頂上から見る田貫湖と影富士。
普段は田貫湖からの富士山を撮影しているところだが、「富士山の目線」という逆の視点を切り抜いた。
富士山界隈に至っては富士山という主題がはっきりとしているので望遠の構図作りで困ることはないと思うが、そこを富士山そのものに登ることで主題探しの練習になった気がする。
気にならないF値
A030はF4-5.6という暗い部類のレンズとなるが、暗いと言っても風景写真においては絞り込んで撮影しているから言うて明るいレンズである必要性は低いと思っています。(単焦点の描写力とかは抜きにしてね。)
経験上ではF2.8レンズだからといってF2.8で撮影をする機会はかなり少ない。僕の撮影環境ではとくに劇的な変化はないのでF4-5.6に関しては気にならないと思うのです。
山の上から狙ったドクターイエローと富士山。
こちらの写真は低山だったのでレンズ重量をシビアに気にすることはないけど、やはり軽量コンパクトなのでフットワークは軽くなる。サッと取り出して撮影できる。
4段分の手ぶれ補正や精度アップしたAFは心強く、F値を絞った手持ち撮影でも高い描写力を期待できる。
圧倒的なコスパおばけ
一番のおすすめポイントがお手頃価格なところ。かつて評判の良かったA005からリニューアルされるもほぼ同価格帯で流通しています。
フルサイズ用レンズとして考慮すれば圧倒的なコスパおばけ。
すでに望遠レンズを揃えていても「登山用に1本」と軽い気持ちで手にすることができ、もちろんライト層の一眼レフユーザーにも最初の望遠レンズとしておすすめできる。
- 登山時のレンズ重量がネックだった。
- 普段使いでも荷物は軽量にしたい。
- 1本の望遠レンズで300mmまで欲しい。
- コスパ重視でそこそこのレンズを。
- 初心者だけどはじめての望遠レンズが欲しい。
- タムロン大好き!
まとめ
軽量思考な僕にはピッタリな登山用の望遠レンズでした。
ちなみにニコン純正の70-300mm F4-5.6がさらに軽量で手ぶれ補正4.5段分だったりする。
もっと良いレンズはごろごろとありますが、A030はコスパも考慮した特化型レンズとして活躍を期待できる1本なので興味を持った方はぜひ手にしてみてはどうでしょうか。