残雪期の黒斑山に登り、浅間山を眺めながらガトーショコラを食す

こんにちは、アキです。

3月中旬、残雪期の黒斑山(標高2,404m)にて雪山登山をしてきました。

北横岳に続いて2回目の雪山ということで選んだのが黒斑山でした。3月となると残雪期ですが、それでも12本爪アイゼンを使用できてアイゼン歩行の練習になりました。

黒斑山も北横岳と同じくらい雪山初心者におすすめされている山で、黒斑山から眺められる冬季の浅間山が「ガトーショコラ」に見えるということで興味が湧きました。ばっちり撮影してきたので美味しそうなガトーショコラの写真は後ほど。

黒斑山はYou Tubeのusawoのnatureしてくる。さんの『雪山登山デビューにおすすめの山は?雪山1年目で行ってみた体験談と反省点です。』を参考にしてチョイスしました。

黒斑山の登山記録(2021.3.17)

黒斑山 / あきさんの黒斑山車坂山の活動データ | YAMAP / ヤマップ

名称 黒斑山/くろふやま(標高2,404m)
登山口 車坂峠(標高1,973m)
駐車場 高峰高原ビジターセンター
温泉情報 登山口前の高峰高原ホテルにて日帰り温泉が利用可能。
トイレ情報 高峰高原ホテルの外に公衆トイレがありますが、冬季封鎖されているため登山客でもホテル館内のトイレが利用可能でした。

黒斑山は長野県と群馬県の県境付近にある浅間山系の山。

標高1,973mの車坂峠までは車でアクセス、高峰高原ビジターセンター駐車場を利用して登山をすることになります。ホテルがありバスの運行する道路なのでこまめに除雪作業がされているようですが、峠までは山道なので冬季に車で訪れる際はスタッドレスタイヤ・タイヤチェーンが必須。

登山口から黒斑山頂上までは標高差400m強ということで、雪山初心者には丁度いいボリュームだと思います。

コースは尾根沿いの表コースと樹林帯を突っ切る中コースの2つがあり、表コースで景色を楽しみながら上り、中コースで一気に下山するという一般的なコース周回の計画です。中コースはタイムが短くて下山におすすめされています。

ちなみに今回もいつもの相方との2人登山です。

登山口までのアクセス

かつて遠出嫌いだった僕も、気がつけば長野県(群馬県寄り)への遠征も苦にならず楽しめるようになりました。それだけ富士山以外の山にも魅了されているというわけです。

道の駅雷電くるみの里

黒斑山自体は日帰りハイクなのですが、昼頃に静岡県を出発して長野県まで移動、小諸市内で宿泊して翌朝から登山をするというプラン。登山時間よりも運転時間のほうが圧倒的に長いです。

日没前に小諸市内に到着したらまず「道の駅 雷電くるみの里」でひと休憩。八ヶ岳連峰や北アルプスを見渡せる展望の良い道の駅でした。

道の駅雷電くるみの里のくるみソフト

名前のとおり“くるみ”が特産物だそうで、くるみ関係のお土産に惹かれてしまい買い込んでしまった。くるみソフトも美味しかったです。

ご当地ソフトはドライブの楽しみですね。

相方の話では“小諸そば”も有名らしい。

高峰高原ビジターセンター

小諸市内で前泊をして翌朝9時頃、高峰高原ビジターセンター駐車場へ到着。

平日なのでガラガラです。

一応スタッドレスタイヤは装備しているけど4WD車ではないし、そもそも雪道走行の経験が少ないため道路状況はかなり心配していましたが、取り越し苦労だったようで積雪も凍結もなくて安全にたどり着きました。ノーマルタイヤでも問題ないレベル。

車坂峠から登山スタート

車坂峠登山口

登山口には登山届の用紙やポストが設置されているので利用しました。

ちなみに駐車場に到着してから1時間後くらいのスタートでした。僕らがモタモタ準備している間にも車が続々と到着して先に登山へ出発していくんですよね。前回の北横岳にて課題となった“遅すぎる準備時間”は改善されていない。

黒斑山登山

10時を過ぎてようやくスタート。

登山道はスタートから積雪していますが、序盤は傾斜が緩くてチェーンアイゼンでも十分な感じです。途中で付け替える手間を省くために始めから12本爪アイゼンを装着したけど。

黒斑山登山

だんだん傾斜がキツくなり12本爪アイゼンのグリップが良く効く。しかし前爪が邪魔で歩きづらく感じたので、まだチェーンアイゼンでも良さそう。

表コースは景色を楽しめる

黒斑山登山

尾根沿いの表コースは景色を楽しめるので、往路でよく使われるコースだそうです。その分アップダウンなどがあるため中コースよりも時間がかかる。

この表コースの下り部分では12本アイゼンじゃないと怖い箇所もありました。直前で先行パーティがアイゼンを付け替えていた。残雪期は付け替えのタイミングや手間があるので地味に面倒くさいな。

僕は12本爪アイゼンでぶっ通しました。

黒斑山表コースから見える八ヶ岳連峰

景色が開けたところで八ヶ岳連峰が見えた。

左端が赤岳、右端が蓼科山。遠目に見ると積雪がかなり減っているように見えるが、登ってみると現地はちゃんと雪山なので油断は禁物。

黒斑山表コースから見える北アルプス

北アルプスも見渡せます。

こちらは真っ白で綺麗ですね。

黒斑山表コースから見える高峰高原ホテル

トイレに立ち寄った高峰高原ホテルが豆粒に見えました。

下山したらお風呂入りたい。

黒斑山表コースから見える景色

先程も書いたけど、登ってみると現地はちゃんと雪山なんですよね。地上から見上げてみると「もう雪ないじゃん」なんて思うけど。

黒斑山表コースから見える浅間山

表コースを登っているとひときわ存在感を放つ山が見えてくる。

しましま模様が特徴的なあいつが浅間山です。

地上の小諸市から見ていたときから思っていたが、かなり雪が少ない。

黒斑山表コースの避難小屋

噴石対策や、悪天候時のために避難小屋(シェルター)がありました。

鉄板の外装が頑丈そうです。

槍ヶ鞘から浅間山が見える

槍ヶ鞘と浅間山

11時30頃、槍ヶ鞘(標高2,294m)というピークに到着。

ここですでに浅間山の眺望がひらけます。富士山っぽさを感じるデザインなんだけど浅間山は“郷土富士”には含まれていないようです。蓼科山(諏訪富士)よりも富士山感あるのにな。

槍ヶ鞘と浅間山

まだゴールじゃないよ。

トーミの頭を目指そう

黒斑山登山コース

槍ヶ鞘を過ぎたら表コースと中コースの合流地点。

ここからの崖沿いのコースが「外輪山」と呼ばれるコースで、外輪を縦走して黒斑山を目指します。槍ヶ鞘からはそれほど遠くないですけどね。

浅間山の噴火の影響によってできた面白い山域です。

外輪縦走コースは日当たりが良く雪解けが進んでいるが、アイスバーンになっている箇所もあって12本爪アイゼンじゃないと怖い。

トーミの頭から見る浅間山

槍ヶ鞘から10分ほどで、トーミの頭(標高2,300m)というピークへ到着。

浅間山の全貌を見渡せる展望が広がります。

浅間山の雪が少ないと思っていたけど、ここまで登ってこないと見られない角度には冠雪が残っていました。よかったよかった。

トーミの頭からの景色

浅間山も綺麗なんだけど、見下ろす樹林帯も綺麗。

黒斑山から見える富士山

なんと浅間山系からは富士山が見えます。

3月下旬の昼頃でも十分に視認できました。

富士山に重なる山域は奥秩父山塊ですね。左のピークから国師ヶ岳、白く積雪している辺りのピークが金峰山、富士山の右側に瑞牆山と並んでいます。

黒斑山へ到着

黒斑山と浅間山

12時頃、黒斑山へ到着。

黒斑山の頂上スペースからも浅間山の眺望が広がっています。

この日の“てんくら”では爆風予報で登山指数Cだったのですが、実はここまで無風。爆風が不安要素だっただけに拍子抜けの登山日和でした。

(ザックの頭がクタァってしてるのが気になる)

黒斑山から見る浅間山

頂上ではこの景色を眺めながら食事タイムとなります。

スペースは広々としていて他ハイカーさん達もここで食事休憩をしていました。

浅間山とガトーショコラ

相方手作りのガトーショコラを持参。

積雪した浅間山は、粉砂糖を振りかけたガトーショコラに似ていると言われています。3月下旬で積雪が少ないかなと思ったけど、実物と並べる丁度いいガトーショコラ感でしたね。(粉砂糖のかけ具合を浅間山に寄せてきたのかも)

浅間山とガトーショコラ

けっこうなボリュームがあったけど2人で美味しくいただきました。「ナイフがあれば周りのハイカーさんに配れたのにね。」という話も出たけど、このご時世に快く受け取ってくれるか分からないし、これはしょんないと思います。(自分らで食べたかっただけ)

浅間山

浅間山は活発に活動している火山なので噴火警戒レベルが頻繁に変動しているそうです。この日は警戒レベル1でしたが、翌週には警戒レベル2へと上がっていました。むしろ警戒レベル2が通常運転だったりするそうです。

噴火警戒レベルによっては黒斑山も立ち入り禁止エリアに含まれるので要注意。

浅間山の火山活動の状況

黒斑山からの景色

外輪山の1つ、剣ヶ峰(だと思う。)

あちらにも登れるようです。

浅間山

黒斑山から眺める浅間山。

トーミの頭の方が展望が開けていると思います。

中コースで一気に下山

黒斑山中コースの樹林帯

黒斑山で食事休憩を終えたら、中コースにて下山していきます。

中コースはずっと樹林帯なので景色は楽しめませんでしたが、ガトーショコラを満喫したあとに黙々と下山するにはぴったりです。日帰り温泉に直行しましょう。

黒斑山中コース

日の当たる箇所は土が見えている。

12本爪アイゼンじゃないと不安な箇所もあるし、チェーンスパイクでもいい箇所もあるし、何もいらない箇所もあったり付け替えの判断に悩まされる登山道という印象。

面倒くさかったので最初から最後まで12本爪アイゼンでしたけど。

中コースでの下山は50分でした。はや…

下山後は高峰高原ホテルの日帰り温泉

高峰高原ホテル

下山したら高峰高原ホテルの「こまくさの湯」で日帰り入浴。

冬季は大人一人500円という安さ。

標高2,000mから八ヶ岳連峰を一望できる絶景風呂です。

ちなみにタオルはレンタル可能なので手ぶらで気軽に立ち寄れますが、登山後の場合は下着類の準備は必須ですね。登山で必ず着用しているモンベルのジオラインが、ちょっと汗を吸うだけでめちゃくちゃ臭くなるのが悩みです。

2回目の雪山登山の感想

雪山初心者でも危険だと感じる箇所もなくて登りやすい山でした。

山行内容としては北横岳よりも手軽な印象でしたが、アクセス状況に違いがあるので注意ですね。厳冬期は車坂峠までの車でのアクセスは難易度が高いかもしれないので、天候や道路情報に気をつけて登山計画を立ててください。

やはりロープウェイで標高を稼げるので北横岳の方が車でのアクセス楽です。そのかわりロープウェイ料金はかかりますけどね。

今シーズンは北横岳・黒斑山だけで雪山登山は終わりました。はっきり言って物足りないです。1月の外出自粛発令によって計画がズレ込んだのがイタかった。

来シーズンは11〜12月あたりには雪を踏めるように早めの計画を立てたいと思います。雪山講習も受けたいんですよね。ピッケルで滑落停止とか体験しておきたい。

そんなわけでギリギリ雪山だった残雪期の黒斑山でした。

ぜひガトーショコラを持参して登ってみてください。

使用した撮影機材