こんにちは、アキです。
2023年10月2〜3日にかけて奥穂高岳で周回登山したときの記録です。奥穂高岳や涸沢カールへ訪れたのは2020年以来の2度目で、今回も紅葉シーズンに訪れることができました。
この記事は【前編】になります。
以前の奥穂高岳の記録はこちら
もくじ
北アルプス奥穂高岳周回【前編】
前穂高岳・奥穂高岳・涸沢岳・涸沢カール / あきさんの前穂高岳・奥穂高岳・涸沢岳の活動データ | YAMAP / ヤマップ
上高地を出発し、今回は初ルートとして重太郎新道コースから前穂高岳を経由して奥穂高岳を目指すことにしました。定番の涸沢カール経由のコースだと緩やかなコースだけど、長い道のりをダラダラと歩くと少々退屈です。
なので重太郎新道から登って周回するという計画。
1日目は宿泊地である穂高岳山荘までの記録になります。
登山口(上高地)までのアクセス
登山前夜22:20頃、バス乗り場へ到着。
利用したのは23:00東京発・5:30上高地着の「毎日あるぺん号」です。仕事終わりにバスへ乗車、寝ている間に上高地へ到着するという便利な交通手段。
東京へ移住して便利になった。
外部リンク:毎日あるぺん号リニューアルWEBサイトの使い方
5:30頃、上高地へ到着。
6:00頃には出発できるように食事やトイレなど済ませて準備をします。
このとき登山系?グループYouTuberに遭遇。7、8人の全員がカメラを構えて喋りながら出発していった。なかなか賑やかな上高地でした。
岳沢小屋を目指して
6:00頃、重太郎新道へ向けて出発。
涸沢カールや槍ヶ岳のときなら渡らない河童橋を渡って岳沢湿地へ向かいます。初めてのコースって新鮮でワクワクしますね。
岳沢湿原の木道歩きスタート。
10分もしないうちに人の気配がなくなり、紅葉シーズンの上高地付近とは思えない静けさだった。静かに登山をしたい方にはおすすめのコース。
2023年は全国的に熊の出没が多かった年です。
上高地近辺でも熊の目撃が相次ぎ、この日の4日ほど前に熊に襲われて怪我人が出る事故もあったほど。人で賑わっている河童橋から700m程度しか離れていない岳沢湿原だったという。
まさにその現場を歩いています。
真新しいクマベルを鳴らしておきました。
原生林の中に広がる湿地、枯れ木がアクセントになって素敵な景色です。岳沢湿原は、平地歩きだけでも散策できるので登山をしない観光で訪れても楽しめます。
6:20頃、分岐から岳沢方面へと向かいます。
この先の目的地は岳沢小屋です。
湿原から登山コースへと変わり、ここから心拍が上がってきます。
本当に人が少なくて静かなんだけど、それはそれで熊が怖い。YAMAPを見ながら歩いていると、コース上に熊の目撃コメントがあってビビる。
天然クーラーと呼ばれる風穴からはキンキンに冷たい風が吹き出しています。裏銀座縦走の下山時にも同じような風穴に遭遇して感動したことを思い出します。
夏だったらすごく気持ちいいです。
樹林帯を進むとだんだんと不安な気持ちになってきたので熊鈴を装備しました。
久しぶりに登場した「子熊に金棒DX」ですが、良い具合に小キズが増えてきて味が出てきた。ボロボロに使い込んだ方がかっこいいアイテムってありますよね。
標高を上げていると、いつの間にか秋っぽい色合いに囲まれていた。
8:15頃、岳沢小屋へ到着。
岳沢小屋でトイレ休憩だけで、先の重太郎新道へと進みます。
外部リンク:岳沢小屋 | 槍ヶ岳山荘グループ
山小屋から見上げると稜線が見えてきた。少し雲がかかっているけど予報では晴れていく流れで、そのかわりに風が強めかもしれないといった様子。
山小屋前にあるテラスからの展望からは出発地点の上高地まで見えます。景色を振り返って「あそこから歩いてきたんだー」って眺めるのが登山の楽しみ。
重太郎新道から紀美子平まで
8:30頃、テント場を抜けて重太郎新道へ突入。
重太郎新道とは、今田重太郎氏(穂高岳山荘の初代主人)が開拓したコースということからネーミングされているそうです。ちなみに後に通過する紀美子平は、重太郎氏の娘である紀美子氏からとってネーミングされている。
岩稜帯として鎖場が増えてきますが、私感では簡単に進めました。しかし下りだったら少し怖いかもしれない。
9:15頃、カモシカの立場へ到着。
カモシカが立っていたら絵になりそうな展望ポイント。カモシカは見かけませんでした。
カモシカの気持ちになり立場へ立ってみました。
9:30頃、岳沢パノラマを通過。
パノラマに広がる景色を楽しめる展望ポイントです。
風で手が冷えてきたのでグローブを装着するところ(を撮られていた。)
ちなみに着ているTシャツは最近の1番のお気に入りで、富士山マラソン2022の参加賞Tシャツです。FUJISANの文字入りで、マラソン用だけあって速乾性が抜群。
裏銀座縦走でもお世話になった。
10:15頃、雷鳥広場を通過。
雷鳥はいませんでした。
展望ポイントは岩に名前が書かれています。
重太郎新道はガレ場も多いので浮き石など注意する必要のあるコースでした。鎖場や梯子などもあり、落石が多いそうなので先行者がいなくてもヘルメットを着用しておくのが無難かと思います。コースはハッキリとしているので無雪期の日中であれば迷う要素はなさそう。
前穂高岳アタック
10:40頃、紀美子平へ到着。
紀美子平とは、重太郎氏の娘の紀美子氏のこと。重太郎が登山道を開拓しているときに同行していた妻と娘がテント場として滞在していた場所であり、そこからネーミングされているそうです。
紀美子平へはザックをデポして前穂高岳をアタックします。先行ハイカー達も同じことをしているのでザックがたくさん転がっていた。
ここは完全に岩場が続くので浮石による踏み外しや転倒、落石には注意が必要です。さすがに私も紀美子平からヘルメット着用した。
岩に白ペンキでマーキングされているので、見失わずに登れば迷うことはない。GPSアプリ(YAMAP等)でルートを外れていないことをこまめに確認するのがおすすめ。
ルートを外れると危険な場所も多いです。
11:30頃、前穂高岳(標高3,090m)へ到着。
頂上は開けているけど全部ガレ場で、非常に歩きづらいので転倒に気をつけましょう。私はここの岩のどこかの隙間にサングラスを落としてしまった。ユニクロの安いやつなので買い直せばいいんだけど、残りの登山で目が辛くなるのが問題。
前穂高岳からは目の前に雲海に広がっていた。
その雲海越しに見えるのはみんな大好き富士山。
約142kmの遠景富士。
使用機材はZ6IIにZ24-200mmです。Z24-120を購入してからは出番の少ないレンズだったけど、やはり北アルプス登山においてはZ24-200は万能です。VR付き(手ブレ補正)の200mmで遠景富士を手軽に撮影できます。
再び紀美子平まで戻りますが、ガレ場は下山の方が怖かったです。ルートも分かりづらいところがあり、私は少しだけルートを外れてしまった。注意です。
吊尾根から奥穂高岳を目指す
12:50頃、吊尾根コースで奥穂高岳を目指して出発。
高度感のあるトラバース歩きはスリルがありました。トラバース中もずっとガレ場で、地味にアップダウンもあるので無雪期でも油断は禁物。浮石には注意です。
トラバース中は斜面(西側)を歩いていたけど、尾根の上へと出ると反対側(東側)の涸沢カールを見渡すことができました。カラフルなテントで賑わっています。涸沢では紅葉シーズンが1番混み合うのではないでしょうか。
ガレガレなトラバース道を登っていきます。
標識を通過し、奥穂高岳が近づいてきた気配がします。
奥穂高岳を視認できた。
先行ハイカー達が立っているのが見えます。
14:30頃、奥穂高岳(標高3,190m)へ到着。
かなりの強風と冷たい空気で長居できなさそうなので、記念撮影を済ませて先へ進みましょう。ここでは先行ハイカーと記念撮影を撮り合いました。
奥穂高岳から望むジャンダルム。
いつか挑戦するときが来るのだろうか。
奥穂高岳からも富士山が覗いているのが見えたが、先程の大雲海は消えてしまったようだ。
槍ヶ岳方面も美しい景色が広がる。
寒さで手が悴んできたので先を急ぎましょう。
先を急ぎたいもう1つの理由として、私の高山病の発症があった。重太郎新道を登っているくらいから体調が優れず、稜線へ出てからは頭痛(軽度)へと変わったことで高山病だと気がついた。
仕事明けに高速バスで仮眠はとっていたけど休息不足だったようだ。
穂高岳山荘にて宿泊
穂高岳山荘が見えてきてほぼゴールだが、ここの急登を降りるのが今回の登山での1番のタマヒュンポイント。
15:30頃、穂高岳山荘へ到着。
最後の岩場はこんな感じで、上りと下りが共通コースなのですれ違いが1番厄介です。譲り合ってゆっくり進みましょう。
休憩に立ち寄ったことはあるけど宿泊するのは初なので楽しみ。予約いっぱいの紅葉シーズンなのにたまたま空いていた個室を予約した。贅沢にも2名で使用させていただきました。
外部リンク:穂高岳山荘 公式サイト
17:00、夕食タイム。
シンプルだがおかずの種類が多くて嬉しいやつ。ご飯はおかわりできたので2杯食べた。
食後は、日没を撮影しようとカメラを持って山小屋の周辺をうろうろ。ちょうど大雲海に沈んでゆく日没を見ることができた。
その後は高山病の軽い頭痛に加え、発熱と悪寒を感じ始めたので部屋へ戻り布団をかぶりました。妻からイブ(鎮痛薬)を貰って飲み、余っている毛布を多めにかけて暖かくした。
ここで計画変更の会議。
明朝4時には山小屋を出発してもう少し稜線歩きをするつもりでしたが、縦走は中止して下山に変更。ザイテングラードから涸沢カールを経由し、安全な平地を歩いて上高地へと帰ります。
私の体調不良だけでなく、寒さで手が悴んで岩場が不安であったりと我々の登山スキル不足を感じていたことなど、諸々の事情を考慮しての判断でした。
暖かい時期にリベンジします。
【後半】の記録へ続く
上高地(登山口)→岳沢湿地→岳沢小屋→重太郎新道→紀美子平→前穂高岳→吊尾根→奥穂高岳→穂高岳山荘(宿泊)