こんにちは、アキです。
山梨県では富士山6合目より上部における登山計画書(登山届け)の提出が義務化されるということで、先駆けてオンラインによる登山計画書の提出方法をまとめました。
全国的に推奨されているコンパスの使用方法についてです。
富士山の登山届け提出が義務化
「山梨県登山の安全の確保に関する条例」により登山計画の作成をお願いします。
平成30年10月20日から、安全登山推進区域(富士山、八ヶ岳、南アルプスの指定された区域)に登山する際は、登山計画書の提出に努めなければなりません。
登山計画書の作成・提出はオンライン登山届提出システム「コンパス」が便利です。
山梨県は『富士山』の6合目より上部への登山における登山届けの提出を義務化とした。安全登山推進区域に含まれるのは山梨県側の「吉田ルート」だけになる。ただし静岡県側となる『須走ルート』は途中から吉田ルートと合流するため登山届けは必要になるので注意して下さい。
※シーズンオフの富士登山は登山届け提出が義務化されています。
『南アルプス』は白峰三山(北岳、間ノ岳、農鳥岳)、鳳凰三山や甲斐駒ケ岳などが義務化される。富士山撮影でもお世話になっている北岳や観音ヶ岳が含まれています。
『八ヶ岳』は山梨県側の登山コースが指定されていますが、八ヶ岳のメジャールートは主に長野県側になります。ただし長野県側では平成28年からすでに登山届けの提出が義務化されている。
登山計画書を作成する過程でルート管理や時間管理などを計画を立てることができ、無計画登山を防止できる。また同行メンバーがいる場合は登山計画をあらかじめ共有しておけばグループ行動がスムーズになる。
登山計画書があるだけで緊急時の捜索活動もスムーズになります。例えば、御嶽山噴火災害では登山届け提出が浸透しておらず、行方不明者の把握や犠牲者の身元確認が難航した。登山計画書の重要性が浮き彫りとなったケースでした。
「道に迷わない」という自信があっても事故や災害は起きてしまうのが自然界。
- 登山計画書について丨静岡県警察
- コンパス、登山計画書の提出方法丨山梨県警察
- 山岳情報丨長野県警察
- 登山計画書を提出しましょう丨長野県
コンパスで登山届けをオンライン提出
『コンパス』とは日本山岳ガイド協会が運営するオンライン登山届け提出システムです。全国の山域に対応しており、コンパスによる登山届け提出は自治体や警察も公式に推奨している。
パソコンやスマホで作成することができ、計画内容を同行者や家族と共有することができる。専用アプリを利用すれば登山口で「提出」と「下山通知」を行えます。
あらかじめ登山計画書を作成しておく
まずはアカウント登録をします。
登山計画の作成方法(マップから登山ルートを作成) – コンパス
作成方法の詳細は公式にて解説されているのでよく確認してから作成して下さい。
新規作成を始めると、まずマップから登山予定のルートを選択します。表示されている登山ルートから歩きたいルートをクリックしていき、出発から下山までのルートを作成します。
入山時と下山時の日時の入力は必須項目ですが、経由地や泊地などの通過時刻は任意です。(デフォルトでは目安コースタイムで自動入力されている。)
次に提出者の必要情報を入力します。(必須項目あり)
・登山山域・目的(必須)
・入山口・出発日時(必須)
・経由地・泊地
・下山口・到着日時(必須)
・エスケープルート
・装備・備品(必須)
・無線機の携行の有無(必須)
・無線機の周波数
・山岳関連団体への加盟の有無(必須)
・団体名
・山岳遭難保険・制度の加入状態(必須)
・保険の名称
・jRO会員かどうかの確認
・ヒトココID
山岳保険関連は加入を強制しているわけではありませんが、登山をするのなら何かしらの制度に加入することをおすすめします。
同行メンバーがいる場合は同行者情報も入力します。同行者もコンパスにアカウント登録していれば『友達リスト』から選択するだけです。そうでない場合は手動入力。
緊急連絡先はあらかじめ設定しておけば一覧から選択するだけです。このときの緊急連絡先はメールアドレスが1つ以上は設定されている必要があります。(緊急時の通知メール用)
友達リストや緊急連絡先はあらかじめ設定しておけるので有効活用しましょう。スマホから登山計画書を書く際などスムーズに作成できます。
ここまでの入力が終われば下書き保存をしておき、登山口を出発する際に提出します。変更箇所があればスマホから編集できます。
登山前にスマホから簡単提出
あらかじめ作成しておいた登山計画書は専用スマホアプリでも管理ができます。登山口にて提出ができ、下山したらすぐに下山通知ができます。
スタート時刻がズレてしまった場合など、現地で計画内容を編集してから提出できるためスマホアプリは導入しておくと便利です。
アプリのトップ画面には登山計画の提出状況が表示されます。提出中の間はずっと表示されているので下山通知を忘れることはなさそうです。
真ん中のアイコンをタップするとメニューが表示されるので『登山計画』を選択します。
Safariでマイページが開くので新規作成や、製作途中の登山計画を編集することができる。
登山前に急いで作成するよりは余裕を持って事前に計画しておくことをおすすめします。作成しておいた登山計画を提出するだけなので『製作途中』を選択します。
製作途中(下書き保存)の登山計画が一覧表示されます。
編集または提出したい登山計画を選択します。
選択した登山計画を開いたら『編集・提出』を選択します。
内容に変更がなければ『確認・提出』を選択すると登山計画がプレビュー表示されます。必須項目の記入漏れなどがあれば知らせてくれます。
提出を確定する場合は『登山計画を提出』を選択します。まだ提出しない場合はいったん下書き保存することもできます。
登山届けの提出が完了。
スマホがあれば登山口で出発する際に詳細を編集をしてから提出できるのがメリットです。
ルート変更、同行メンバーを変更、何かしらの都合で出発時刻が変更になる場合もあります。出発時に正確な情報に変更してから提出しましょう。
アプリのトップ画面に提出中の登山計画が表示されます。
下山後は『確認』から下山通知を行います。
登山計画の受け付けメールも届きます。
メールに記載されたURLからも下山通知が可能です。その下には下山予定時刻が過ぎても『下山通知』がない場合の詳細が記載されています。
- 下山予定時刻から3時間以上経過すると申請者へメールで通知
- 下山予定時刻から7時間以上経過すると緊急連絡先へメールで通知
下山後にスマホから下山通知
無事に山行を終えたら忘れずに『下山通知』を行いましょう。
アプリのトップ画面から『提出中の登山届け > 確認 > 下山通知』を選択して最後の確認画面で『OK』を選択すれば完了します。
下山通知を完了すると確認メールが届きます。(同じ内容の確認メールが緊急連絡先のメールアドレスにも届きました。)
ここまで難しいことはないのでコンパスでの登山届けの提出が広まったらいいなと思います。
登山予定がなかったり雨の日などに、練習がてら登りたい山域での登山計画書を書いてみてはどうでしょうか。計画を練っているだけでもソワソワして楽しいかもしれませんよ(笑)
実際に予定ルートのイメージトレーニングにもなりルート間違い防止にもなる。
まとめ
義務化となった中でも北岳、鳳凰三山、富士山(山梨側)はこれからも富士山撮影で登ることのある山域です。僕は北岳でしか提出したことがなかったが、これを機会に積極的に提出するように心がけようと思う。
富士登山における安全確保のためのガイドライン|富士登山オフィシャルサイト
そもそも義務化されていなくても登山時は登山計画書を提出するのがマナーかと思います。
インターネットから記入事項を入力するだけで簡単に登山届けも下山届けも行える。登山口にいながらスマホ1つで完結してしまう便利な時代です。覚えておいて損はない。
コンパスという登山届け提出システムの紹介でした。