こんにちは、アキです。
北アルプス裏銀座縦走3日目の記録です。
前回裏銀座縦走4泊5日②・日本一遠い温泉こと高天原温泉を目指して稜線歩きと水晶岳
北アルプス裏銀座縦走③
裏銀座縦走・雲ノ平・高天原(高瀬ダム〜新穂高温泉) / あきさんの前烏帽子岳(富山県)・双六岳・鷲羽岳の活動データ | YAMAP / ヤマップ
2日目に裏銀座縦走コースを脱線して訪れた高天原山荘、引き続き脱線して3日目に目指すのは雲ノ平です。日本最後の秘境と呼ばれている地です。
高天原山荘から雲ノ平はそれほど距離が離れていないので早めに到着する計画。時間がたっぷり余るので3日目は体力温存と休息デーとすることになりました。裏銀座縦走コースを進みたい気持ちを抑えて、念願だった雲ノ平を満喫する予定です。
3日目の朝
朝5:00、高天原山荘での朝食タイム。
高天原峠を経由するコースだと雲ノ平までは標準タイムで3時間程度です。本当に3日目は歩く時間が少ないので朝はのんびりできる。
景色を満喫しながらのんびり歩いても昼頃には雲ノ平へ到着するので、朝は思い思いにダラダラしていました。妻は朝風呂へ入るために再び高天原温泉へと向かった。
私は山荘前で景色を眺めたり写真を撮ったりして時間を潰していた。水晶岳の見える稜線から差し込む朝陽が綺麗でした。
日の当たる水晶岳。
昨日はあそこに立って高天原山荘を眺めていたんだなぁ。
ここで1回目のNikon Z6IIのバッテリー交換。
4泊5日の登山に持参した予備バッテリーはEN-EL15c(2個)だけで、本体に入っていたEN-EL15bを入れて合計3個。結果から言うとEN-EL15c(2個)だけでも十分だった。意外と持ちが良いです。いざとなればモバイルバッテリーで充電できるのも便利。
iPhoneの充電を考慮すると、予備バッテリーの数量を増やすよりモバイルバッテリーの容量を増やす方が何かと便利です。10,000mAhを2個持ってきましたが1個しか使いませんでした。20,000mAhあればカメラもiPhoneも安泰かと。
雲ノ平までの道のり
8:00頃、高天原山荘を出発。
5時の朝食に合わせて起床して、気がつけば3時間も山荘でダラダラと過ごしていた。朝風呂へ向かった妻の話では、他に利用客がいなく露天風呂を満喫できたそうだ。
高天原の湿原エリアに広がる青空と立ち枯れ。夜間に星空を撮影したら映えそうなスポットです。熊が出そうで怖いけど。
9:00頃、高天原峠らしき辺りを通過。
標準コースタイム45分のところを1時間かけており、順調にオーバータイムしている。景色を堪能しながらのんびり歩きます。
標高を稼ぐために樹林帯を歩きます。2日目に標高を下げた分を登り返さなくてはならないのです。高天原〜雲ノ平の標高差は700mくらいありますが、1時間もかからずに景色が開けてきました。
雲ノ平感が出てきました。
ごろごろと転がる溶岩が印象的な地形です。
11:00頃、雲ノ平山荘が見えた。
「雲ノ平」とは山のピークがあるわけではなく溶岩台地のことです。標高2,700m付近のため日本一標高の高い溶岩台地とされています。なので「ピークを踏む」という明確なゴールはないけど、この「空間に訪れること」が雲ノ平の目的となります。
アルプスや多くの緑に囲まれた溶岩台地はまさに秘境で、その中にポツンと佇む赤い山小屋がかわいい。まるで海外にでも来たかのような景観に溜め息が出ます。
1番手前に見えるのが祖父岳(標高2,825m)で、それを乗り越えると2日目に分岐した岩苔乗越へと戻ることができます。2泊かけて寄り道してきたけど、4日目からは再び裏銀座縦走コースへと戻ります。
自然に囲まれた木道歩きは気持ちがいい。
まるで海外の絵葉書のような景色、高山植物に囲まれた木道が映える。タイミングが良かったようで溶岩台地のあちらこちらが見頃のお花畑です。
11:45頃、雲ノ平山荘へ到着。
景色に足を止められてオーバータイムだったのにまだ昼前なので気が楽ですね。まだ雲ノ平を散策したいところだけど先にチェックインを済ませてしまいましょう。
公式HP雲ノ平山荘 – 天上の庭、雲ノ平
雲ノ平山荘で昼休憩
雲ノ平山荘の売店ラインナップ。
雲ノ平は「山ではない」と前述したけど、雲ノ平バッジが販売しています。しかしタイミング悪く品薄状態で変えませんでした。5種類中3種が品切れだった。
散策したかったけど、お昼時なので混み合う前に昼食タイム。
食堂はジャズの流れるオシャレ空間でした。どことなく外国人ハイカーも多くて、今までになかった雰囲気を味わえた。
妻が注文したのはチキンムアンバライス。
「ムアンバってなんだ?」という好奇心で選んでいた。ちょうどムアンバを食べているお客さんがいたので、そのスパイシーな見た目に惹かれたようだ。
しかし見た目に反してさっぱりとした優しい風味。私も一口もらったけど、なんだかよくわからない。もっと辛味や酸味が効いているのだろうと思い込んでいたせいだろうか。
ムアンバとは、トマトとナッツ類を煮込んで作るアフリカ料理だそうです。ヴィーガンに配慮をしたムアンバもあるそうです。
私は無難にビーフカリーを注文。見た目に惑わされてしまうかもしれないけど、スパイスを求める方は普通にカレーを選びましょう。
納豆たっぷり和風パスタも捨てがたかったけど、外国人多めの食堂で匂いを気にしてやめておいた。
食後はケーキセット(チョコケーキ)でマッタリ。
妻はシナモンアップルパイを注文していた。
山小屋のケーキってズルいよね。買わないわけにはいかないじゃん。
アラスカ庭園と祖母岳を散策
3:00頃、腹ごしらえと休憩をしたら秘境を散策しましょう。
ここまでの登山はまだ4時間弱なので、もう少し歩いても体力温存できます。
あちらこちらに花が咲き乱れているおかげで「秘境」と言うよりは「楽園」感がある。
なにやら雲行きが怪しくなり、パラつきはじめていたが散策を決行。
撥水性のあるシェルを1枚羽織って、カメラポーチだけを持って出発。雨が強くなってきたら急いで帰ればいいかなって。
小高い丘のような祖母岳(標高2,560m)が祖父岳に対面するように並んでいます。近いのでピークを踏んでおきます。
※実はこの前にアラスカ庭園という展望地へ行ったけど、あまりの名前負けな場所だったので紹介は端折ります。
祖母岳から見渡す雲ノ平もやはり山小屋がとても絵になる。
祖母岳のピークらしき場所には山頂看板はとくに見受けられませんでした。祖父岳に比べてマイナーピークのようですね。
最初はパラついていたけど、それ以上の雨になることもなく1時間ほどの散策は終了。
山小屋へ帰りましょう。
夕食は名物の石狩鍋
17:00、夕食タイム。
雲ノ平山荘では名物の「石狩鍋」という料理。
七味をたっぷりとかけて頂きます。味噌汁や豚汁に近いものだろうかと思っていたら、酒粕の風味が効いていてまろやか。これは体が温まります。
私は石狩鍋にどっぷりハマってしまい、帰宅後に妻に再現して貰ったほどに好みの料理でした。(見事に再現されていた)
雲ノ平山荘の食への拘りが見どころポイントです。公式HPには食に関する特集記事があるので、山小屋料理に興味のある方は目を通してみてください。(行ってみたくなりますよ)
公式HP雲ノ平山荘の食
夕焼けに染まる日本最後の秘境
夏なので夕食後もまだ外は明るいです。
2階のバルコニーから景色を眺めて食後の休憩。
18:40頃、雲に隠れていた夕日が姿を現した。
周囲のガスに乱反射したことで神々しい空間の出来上がり。でも出歩くのが面倒だったのでバルコニーからの撮影を続けます。
ガスってきたということはブロッケン現象を狙えます。バルコニーからも少しだけ確認できました。1日目に続いて2度目のブロッケン現象。
周囲のガスが夕焼けに染まり始めたことで文字通りの「秘境」のような空間になりました。これには爆焼けの予感がしたので、急いでカメラと三脚を手に取り外へ飛び出しました。
昼間通ったときに「この木道いいなぁ」って思ったので、狙っていたポイントへスタンバイ、と当時に爆焼けタイムへ。
これを撮影している頃、山小屋では食堂にてビデオ上映会をやっていました。雲ノ平山荘が建設されるまでのエピソードだったようです。
お花が良い感じに咲いているのがポイント。
夕焼けが終わり、戻る前に雲ノ平山荘の外観をパシャリ。星空とセットで撮影したくなるようなオシャレな佇まいですが、ガスっていて星は見えそうにないので無理には狙わず睡眠を優先します。
日没後にもう1枚。
4日目はこの木道をスタートして、まずは祖父岳(右奥の山)を目指します。
それから裏銀座縦走コースへ戻ったら、鷲羽岳(百名山)、三俣蓮華岳、双六岳、さらには双六小屋は通過し、4日目の宿である鏡平山荘までの長距離移動。どのピークも巻き道があるので距離もタイムも短縮可能だけど、すべて踏破する予定。
5日間で最も距離の長い1日となります。
高天原温泉での休息、雲ノ平での体力温存、4日目に向けて準備万端。
- 天候に恵まれれば360度が絶景の秘境が見どころ。
- 雲ノ平山荘の石狩鍋が、今回の裏銀座縦走でのベスト料理だった。
- 簡単に行ける場所ではないので雲ノ平グッズは何かしらゲットしておきたい。(バッジ買えなくて残念だった…)
今回の「北アルプス裏銀座縦走2023」の4泊5日の日程表です。
山行記録 | 主な山名 | 利用した山小屋 |
---|---|---|
1日目の記録 | 烏帽子岳 | 烏帽子小屋(休憩) 野口五郎小屋(宿泊) |
2日目の記録 | 野口五郎岳 百名山水晶岳 | 水晶小屋(休憩) 高天原山荘(宿泊) |
3日目の記録 | 祖母岳 | 雲ノ平山荘(宿泊) |
4日目の記録 | 祖父岳 百名山鷲羽岳 三俣蓮華岳 双六岳 | 三俣山荘(休憩) 双六小屋(休憩) 鏡平山荘(宿泊) |
5日目の記録 | ※下山のみ | 中崎山荘 奥飛騨の湯 |
山行記録 | 主な山名 | 山小屋 |
---|---|---|
1日目の記録 | 烏帽子岳 | 野口五郎小屋 |
2日目の記録 | 野口五郎岳 百水晶岳 | 高天原山荘 |
3日目の記録 | 祖母岳 | 雲ノ平山荘 |
4日目の記録 | 祖父岳 百鷲羽岳 三俣蓮華岳 双六岳 | 鏡平山荘 |
5日目の記録 | ※下山のみ | 奥飛騨の湯 (中崎山荘) |