南八ヶ岳を1泊縦走【後編】赤岳→横岳→硫黄岳で高山ならではの醍醐味を満喫してきた

南八ヶ岳1泊縦走

こんにちは、アキです。

南八ヶ岳1泊縦走【前編】標高2,722mにあった赤岳天望荘が快適すぎて驚いた話の後編になります。先に前編を読んで下さいね。

後編では2日目の縦走記録をメインに記録しています。赤岳天望荘からいったん赤岳をピストン。再び赤岳天望荘に戻って横岳〜硫黄岳と縦走しました。もちろん富士山撮影もしていますよ。

登山記録(2018年7月17〜18日)

2日目はまず赤岳を踏むところからスタートです。赤岳天望荘から山頂までの標高差260mでコースタイムは約40分となっています。(位置関係でいうと北岳と北岳肩ノ小屋に非常に似ている。)

赤岳を踏んだら赤岳天望荘にまた戻るので荷物を置いていく人も多かった。サブザックなどに飲み物1本持っていれば十分かと。カメラも持って行きたかったから普通に荷物背負って登りましたけど。

その後は横岳〜硫黄岳をぐるっと周回して美濃戸口まで下山というプランです。

2日目のコース
赤岳天望荘→赤岳→赤岳天望荘→横岳硫黄岳→赤岳鉱泉→やまのこ村→美濃戸口

ヤマレコにも山行記録を投稿しています。コースタイム詳細はヤマレコを参照して下さい。

南八ヶ岳1泊縦走(赤岳~横岳~硫黄岳) – 2018年07月17日 [登山・山行記録] – ヤマレコ

赤岳天望荘〜赤岳

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朝食の後もふらっと赤岳天望荘前からの素晴らしい眺望を眺めていたが写真だと『富士山を探せ』状態だった。中央左に見えている山域はおそらく奥秩父山塊だと思う。先日登った国師ヶ岳金峰山のあるところです。

大弛峠から金峰山まで登山
国師ヶ岳から見る雲海と富士山

あ、そういえば。朝食後のトイレ(大)は激混みだったので朝食前だったり深夜帯に済ませておくと朝の行動がスムーズだと思います。僕が大から出たら行列ができていた。

ご飯を食べるとロケット鉛筆のように下から押し出されてくる感じで便意が襲う。僕だけでしょうか。宿泊登山のときはトイレ事情だけが気がかりである。

赤岳天望荘は男子トイレは小2つ・大3つに対して、女子トイレは7つ(相方情報)なので混んでいなかったそうです。宿泊客の割合も圧倒的に男性が多いので混み合うのはしょんない。

赤岳の登山道

赤岳までの登山道にはそれなりの傾斜の鎖場などありますが難所という感じもなくアスレチック感覚で登れます。登るのは簡単だけど、どちらかと言うと下山時に滑ったりしそうで危険ですね。

僕も普段は岩場・鎖場を登ることは少ないのでアスレチック的なコースは新鮮で楽しいです。楽しいとは言ってもビビリなので将来的にクライミング的なことは絶対にやらないと思う。

赤岳の登山道

下山時ここの鎖場で相方がビビりながら降りていた。

この日に岩場を登ることを想定していたので、前日にホムセンに立ち寄った時に買っておいた作業用グローブがなかなか良かった。ピチピチ気味なので滑ることもなかったが、言うならば凄い蒸れやすくビショビショになりやすいのが欠点だ。

速乾性の高い登山用グローブを買わないとな。

赤岳

八ヶ岳最高峰である赤岳(標高2,899m)へ到着。だらだら登っていたら1時間かかってしまったが、食後の運動ということにしておいた。

赤岳からは南アルプス・北アルプス・奥秩父山塊まで見渡せる大パノラマの絶景が待っていた。北岳とオベリスク、槍ヶ岳と涸沢カール、金峰山の五丈岩までも視認できたことで想像以上に感動した。八ヶ岳すげぇ。

赤岳から見る富士山

霞んでいても高山から眺む富士山は美しく、さっぱりとした色合いが涼しげでお気に入りな1枚です。別パーティのおじさんが「富士山噴火してるじゃん!」と言っていた。見えなくもない。

この標高でもウザいくらいに虫がつきまとうので虫除けスプレーは必需品です。

赤岳から見た位置関係

これから歩く横岳・硫黄岳方面を見てみるとマップで見たままの位置関係を視認することができる。赤岳の山頂まで来たことでようやく横岳の山頂を視認できた。6つの小ピークが固まった横岳はギザギザなエリアで、硫黄岳は平らなエリアである。

登りで通過した行者小屋、下山時に通過予定の赤岳鉱泉。この2つの山小屋はけっこう近い位置にあるように見えるがコースタイムだと40分の距離になる。

赤岳〜横岳

横岳と硫黄岳

赤岳を下山して地蔵ノ頭分岐まで戻ってきました。

ここから先の横岳は6つの小ピークが連なったギザギザな稜線のためか岩場・鎖場・ハシゴなどを楽しめる区間になっている。小ピークは手前から二十三夜峰→日ノ岳→鉾岳→石尊峰→三叉峰→無名峰→奥ノ院になっていて、この中の最高峰である「奥ノ院」が横岳の山頂になる。

横岳の登山道

横岳エリアはけっこうな岩場を登ります。岩場は降りるときの方が怖いので横岳→赤岳へと歩く方が大変だと思う。どっち回りで周回するかで難易度は変わりそうだ。(ググってみたら硫黄岳→横岳→赤岳という順番は中級者以上に人気のコースなんだそうです。)

相方は赤岳の岩場を降りるときはヒーヒー言っていたのにここの岩場はスイスイ登っている。登るのは平気らしい。登るだけ登って降りられなくなる猫っていますよね。

あのパンパンのザックには無駄にお菓子が詰まっている。

横岳から見る富士山

岩場を登っている際にふと振り返るとなんと富士山にゴジラがしがみついていた。デカすぎやろう。

最新だとハリウッド版ゴジラが108m、シン・ゴジラが108.5mだとか。2019年夏公開の新作ゴジラ楽しみですね。前作を観てないけど。

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赤岳ってイケメンですよね。

キリッとした男性的なカッコよさを感じました。横岳へと登る途中から見える赤岳は本当にカッコいいのでぜひチェックしてもらいたい。

この後は横岳山頂までの写真はとくになかった。富士山が隠れてしまったのでこの先に一眼レフカメラを取り出すことがありませんでした。残りの写真はRICOH GR2のみ。

純粋にアスレチックを楽しんで歩いていた。ギザギザな稜線と言っても尾根を右に巻いたり左に巻いたりとして進むので難所もなかったです。ビビリな僕でも楽しめるレベル。

赤岳天望荘から横岳山頂(奥ノ院)までは1時間15分ほどでした。2人でワイワイはしゃぎながらゆっくり歩いていたつもりだったがコースタイムは短く感じる。

横岳〜硫黄岳

横岳から硫黄岳へ

横岳を通過してもしばらく岩場が続くが、硫黄岳に近づけば緩やかな登山道になる。少しでも高度感のある鎖場などでは軽く玉ヒュンするビビりです。

硫黄岳のコマクサ群生エリア

硫黄岳へと近づくと目に入ったのが周囲を埋め尽くす圧巻のピンク色の小さな花。石しかない場所に力強く咲き乱れているその花の名はコマクサという。相方がコマクサを知っていたので分かった。

コマクサ – Wikipedia

他の植物の生息できない厳しい環境に生息するコマクサは「高山植物の女王」とされている。ちょうどコマクサの見頃時期だったようだ。花期は7〜8月。

登山記録をググってみてもコマクサを目的に来るハイカーもいますね。良いものを見れた。

硫黄岳山荘

硫黄岳の前には硫黄岳山荘があったので、ここでトイレ休憩。

八ヶ岳の山小屋の環境の良さに驚くばかり。写真では伝わらないかもだけど、どこの山小屋も広くて内装が綺麗で設備も整っていてちょっとした旅館のようでした。

硫黄岳山荘もトイレまでとても綺麗でアイスも販売している。八ヶ岳すごい。

硫黄岳のイワヒバリ

硫黄岳山荘を出てすぐの登山道にて男女2人組ハイカーが立ち止まっていた。何をしているのかなと思いながら近づくと話しかけられた。

「イワヒバリがいますよ!」

高山に生息している鳥らしく登山道をちょこちょこ歩いている3羽ほどのイワヒバリを確認できた。これがまた可愛らしい鳴き声で鳴くんですよ。警戒心が低いようでけっこう近づくことができた。

オスもメスも1羽に対して複数の異性を相手にする『多夫多妻』のシステムで繁殖しているという情報を教えて頂いた。「じつに羨ましい!」と奥さんらしき人の前で興奮を隠せない男性ハイカー(笑)

イワヒバリ – Wikipedia

コマクサに続いて高山ならではの生態を知ることができた。八ヶ岳楽しい。

硫黄岳

もう少しで硫黄岳の山頂です。

横岳エリアとはうって変わって安全で緩やかなガレ場歩きが続く。短い間隔でいくつものケルンがありますが、これは濃霧時に道迷いしないように設けられているのだとか。

硫黄岳 硫黄岳から見た横岳と赤岳

横岳から1時間半で硫黄岳(標高2,760m)へ到着。

振り返るとこの日歩いてきた稜線や赤岳と横岳も見渡せる。山頂は開けていて360°に広がる大パノラマを満喫できました。広々としていてご飯休憩に良さそうな場所です。

硫黄岳の火口

硫黄岳には南北の両側に爆裂火口跡(硫黄岳周辺の白い部分)がある。深さ550mという巨大な迫力ある火口跡です。ちなみに火口底にある本沢温泉には乳白色の温泉が湧き出ている。

硫黄岳でカップ麺

硫黄岳の山頂で食べる蒙古タンメン中本は格別だ。相方はふわふわたまご入りのカレーヌードル。なんか最近になって蒙古タンメンの辛さに慣れてしまった。

「辛すぎる!」と苦情が相次いだため蒙古タンメン中本は下方修正され、辛さを求める人のために北極ラーメンが登場した。と勝手に考察しています。

少し前までは『食後はお腹ゆるゆるになってトイレに篭る』という代償を払って蒙古タンメンを食べていたのに、いつの間にかお腹が平気になっていた。なにかおかしい。

食後はお腹の調子もよく下山開始。

下山時の話

12時半頃、硫黄岳から下山開始。

下山時はとくに見どころもなく赤岳鉱泉を目指して歩き続けます。道中には登山学習で来たと思われる中学生の団体とすれ違った。長野県の中学生は八ヶ岳を登るのか。

赤岳鉱泉

下山開始から1時間10分ほどで赤岳鉱泉へ到着。ペプシコーラを購入して一休み。

旅館のように小綺麗で広い。赤岳鉱泉の1番の名物は『ステーキ』である。日替わりメニューなのでアタリハズレがあるようですが、それでも豚しゃぶなども楽しめる。一度は宿泊していみたい山小屋です。

赤岳鉱泉・行者小屋 公式ホームページ

赤岳の登山道 赤岳の登山道

赤岳鉱泉からは涼しげな沢沿いの登山道を歩き進めます。2時間くらい歩いてやまのこ村へと帰還するも、駐車場は美濃戸口なのでもう1時間近く歩きました。

下山後は美濃戸口で利用した駐車場の真ん前にあった『yatsugatake J&N |八ヶ岳山麓のオーベルジュ』という山小屋へと立ち寄った。宿泊が可能な山小屋でもあるが、佇まいはオシャレなカフェレストラン。なんと登山客向けにお風呂も開放されていてありがたい。

レストラン利用すればお風呂は半額だったのでお風呂で汗を流しつつレストランを利用した。下山してすぐにお風呂とレストランがあるのは最高すぎる。八ヶ岳好き。

まとめ:八ヶ岳好きです

初めて八ヶ岳に訪れたのですが山小屋の環境が整っていてすごい好きになりました。今までで1番快適に感じた山域でした。また来たいなぁ。

赤岳天望荘で快適に過ごせて、イケメン赤岳と富士山を撮影して、横岳のギザギザアスレチックを楽しんで、高山植物の女王コマクサの群生が満開だったり、高山に生息するイワヒバリが可愛かったり、爆裂火口を覗き込んだり…などなど南八ヶ岳を十分に満喫できたんじゃないでしょうか。

『赤岳→横岳→硫黄岳』は初心者向けの定番コースなので、これから初めての八ヶ岳を考えている方はぜひ挑戦してみてはどうでしょうか。楽しいですよ。

以上が南八ヶ岳1泊縦走の登山記録【後編】でした。