こんにちは、アキです。
8月下旬、台風19号・20号の接近の影響による何かしらの面白い展開を期待して田貫湖へと富士山撮影に出かけた際の撮影記録です。
富士山撮影記(18.8.23)
深夜に出現した吊るし雲
ふとライブカメラを眺めていると富士山の側に吊るし雲が発生しているのを確認できました。さっそく朝焼けも期待して田貫湖へと出撃した。
1発目の撮影。小さい感じですが吊るし雲が渦を巻いていました。
今思うと平日にしてはカメラマンが多かった気がするけど「お盆からズラして連休をとっている人達が多いのかな。」くらいに思ってスルーしていた。
夜明け後に人の多い理由が発覚することになる。
狙いの朝焼けまではまだ時間があるのでバルブ撮影をして時間を潰します。例のごとく僕は『長時間露光計算君』というiPhoneアプリがないとバルブ撮影ができない。
長時間露光計算君!計算アプリを使用して星の軌跡をバルブ撮影してみた
この1枚は16分間シャッターを開きましたが長時間ノイズが多く残念な写真になってしまった。(この写真はなんとかノイズ除去の処理をしています。)
長時間ノイズの原因は長時間露光中にイメージセンサーが発熱することによって写真に赤青黄などのカラフルな点々が映り込む現象。気温が高いとイメージセンサーの温度も上がりやすくノイズが増えてしまう。
カラフルな点々のノイズ。(分かりにくいかも。)
先日、富士山の山頂で30分間シャッターを開いてもここまで酷い長時間ノイズは出ませんでした。気温が低い環境だったからイメージセンサーの温度も上がらずにノイズが抑えられたのかと。
なのでシャッター時間が長いほど長時間ノイズが増えるという訳でもないとわかった。
この長時間ノイズが厄介で、普段の星の撮影だったら星に紛れてしまってそこまで目立たないけど(むしろ星が増えて見える)、バルブ撮影で「星の軌跡」にしてしまうと点々のノイズが目立ってしまうのです。
ダークフレームと専用ソフトを使用して除去する方法などがありますが、そんな技術を持ち合わせていなかったのでPhotoshopでアレコレしてある程度のノイズは消してみました。また別記事に流れをまとめてみようと思います。
星の撮影はノイズとの戦いが大変なんだなぁ。
長時間露光で発生する長時間ノイズの原因とPhotoshopで軽減する方法
4時前、東の空が明るくなり始める頃には富士山の頭に笠雲になりそうな雲が湧き始めていた。
吊るし雲は源氏パイのような形状をしている。
朝焼けタイム
1焼けではアヒルのような形状をした吊るし雲が赤く染まる。北から流れ込んできたスラッシュ雲も朝焼けに染まるも吊るし雲を含めて全体的に雲が少なく構図に悩む。
せっかくの吊るし雲も小さいので寄ってしまおうかどうか。
2焼けでは再び真っ赤に染まり見事でした。
吊るし雲はキングギドラのようなヤマタノオロチのような形状でカッコいい。様々な形状に変化する吊るし雲が面白いのでシャッターは星の数ほど切ったのでセレクトが大変になった。笠雲も未完成ながら赤く染まっています。
結局、広角の定番構図はやめてせっかくの吊るし雲をピックアップするような構図で撮影した。
カメラ1台体制だと画角の判断に悩む。
フルサイズミラーレス欲しい…
朝焼け終了後に撮影した神々しい吊るし雲。
金色に輝く女神が降臨するかのような光景が圧巻でなにかご利益でもありそうだ。ググってみたら『女神雲』というワードが出てきた。
見てて飽きない。
この後しばらくシャッターを切らずに肉眼で眺めていた。
眺めていると富士山頂にかかる雲の流れが速かったので望遠レンズに交換して覗いてみた。強風が吹き荒れているのが確認できるがこの中でも登山客はいるんだろうなー。
「台風前だから…」「予約してあるから…」とかで強行する登山客も多いかと。
富士登山客の安全を祈りつつ帰り支度。
僕の周りに確認できたのは4人ほどのカメラマンしかおらず「吊るし雲ならどこからでも撮れたわけだし田貫湖には人が集まらなかったのかな。」くらいに思いました。
“平成最後の夏”の田貫湖ダイヤモンド富士
日の出前には撤収しようと湖岸から駐車場へと戻る際に「おや?」となる光景に出くわす。
帰る際には田貫湖のカメラマンは少ないと思っていたが随分と端っこの方に多くのカメラマンが集まっていた。この光景に違和感を感じました。
平日の田貫湖にしてはカメラマンが多い気がするし、たまたま夏季連休で人が多いにしては端っこに集まりすぎているし、ダイヤモンド富士のようなイベントにしては人が少なすぎるし、誰一人と撤収の気配もなく日の出を待っている雰囲気。
そこで「たしか田貫湖のダイヤモンド富士って8月だったかな…」なんて思ってスマホで調べてみると…
まさにそのダイヤモンド富士でした(笑)
すっかり忘れていた。
しかもとっくにど真ん中ピークが過ぎており、山頂ギリギリの端っこ辺りという終了間近のタイミングだった。なのでカメラマンもそこまで多くないし妙に端っこに集まっていたというわけです。
僕は吊るし雲を別の角度からも撮るために移動しようかとしていましたが、急遽ダイヤモンド富士に参戦することとなった。
適当な空きスペースにスタンバイするも木の枝が邪魔になる場所。
カメラ1台体制において判断の難しいところでしたが、富士山には未完成な笠雲が湧いているのでワンチャン彩雲を狙うという感じで望遠レンズにてスタンバイしました。
定番Wダイヤ構図でも撮りたかったが枝が邪魔だし、雲が邪魔でダイヤもスッキリしないかもしれないと判断。そもそもダイヤが真ん中ではないしいいかなって。
ダイヤ時刻が迫るにつれて狙いの笠雲が出来上がってゆく。
ここで思ったのが「じゃあ田貫湖ダイヤって今日で平成最後じゃね?」ってところ。終了間近の端っこダイヤだし、もう1日いけたとしても翌日は台風でダイヤは見れない。
なので『平成最後の田貫湖ダイヤモンド富士』ということになった。
だからどうしたと言われれば何もないけど。
ダイヤモンド富士の数分前には彩雲が出現。
染まったのは狙っていた笠雲ではなかったけど望遠レンズでスタンバイしていたのが功を成した。吊るし雲やら彩雲やら雲が楽しい。もう十分満足です。
肝心なダイヤモンド富士はやはり雲が邪魔でスッキリしない。吊るし雲は健在。
広角構図はコンデジ手持ち撮影でパシャッと。
帰り際の吊るし雲は朝焼け時よりも少し大きくなったかな。
この後は色んな角度から吊るし雲を撮り回りたかったが富士山が雲に飲まれてしまったので撮影無しで帰路についた。
まとめ
実は8月はこれが最初で最後の富士山撮影でした。まったく出撃せずに8月が終わってしまったが毎年こんなものだと思うので気にしてもしょんない。
吊るし雲を狙いに田貫湖へ出撃した撮影記録でした。田貫湖からの爆焼け吊るし雲は2015年くらいにも撮影しているので興味あったらリンクからどうぞ。
- 田貫湖で爆焼け吊し雲からの彩雲に遭遇した話
- 春の田貫湖ダイヤモンド富士2018! 山頂からズレていても綺麗でした
- 薄明の田貫湖でパール富士を狙った結果と、今回のレタッチ方法
- 富士山写真の定番!田貫湖の富士山撮影ポイント7選