お久しぶりです、アキです。
令和一発目の富士登山をしてきました。最後の登山から約4ヶ月のブランクなどお構いなしの富士山です。6月くらいから富士登山のチャンスは伺っていたけど、なんやかんや都合がつかず9月にずれ込んでしまった。しかも閉山後。
そんな久しぶりの登山と富士山を同時に満喫したという記録です。
閉山後の富士登山の準備について
閉山後の登山道は封鎖されてしまい、公式に「万全な準備をしていない場合は登山禁止」となりますので注意してください。山小屋やトイレがないので携帯トイレ・水・食料の万全な準備、もちろん登山計画書の提出も必要です。(落石事故の影響もあり、今後はヘルメット着用の呼びかけも増えてくると思います。)
- 万全な準備をしない登山者の夏山期間以外の登山「禁止」
- 夏山期間以外については、「登山計画書」を必ず作成・提出すること
- 山中のトイレが使用できない夏山期間以外において、万全な準備をした登山者が登山を行う場合、携帯トイレを持参して、自らの排泄物を回収し、持ち帰ること
僕も意図せずに閉山後の富士登山となったけど、前回の富士登山でシーズンオフを経験しているので準備の詳細はそちらの記事へ軽くまとめています。
【富士登山2018】平成最後!富士宮ルートではじめてのシーズンオフ
8回目の富士登山の記録
久しぶりの登山となるので距離の最も短い富士宮ルートを選びました。本当は御殿場ルートを登りたかったけど、ブランクによる体力低下を考慮して断念。無茶はしたくないので4コース制覇は来年に持ち越し。
あと記事タイトルでネタバレしてるけど、ちょうどタイミング良く満月日だったのです。なんとか撮影に絡め、富士山頂じゃないと撮影できないパール富士を狙いました。写真は後ほど。
鉄板コースの「富士宮口〜プリンスルート下山」となります。コースタイムや登山道の状況などはヤマレコの方が詳しく記載してると思うので、興味のある方はヤマレコもどうぞ。
富士山(シーズンオフ)富士宮〜プリンスルート – 2019年09月14日 [登山・山行記録] – ヤマレコ
閉山後でも賑わう登山口
23時30分頃に富士宮口5合目に到着すると、すでに車で混み合いゾロゾロと出発していく登山客の姿があった。閉山後すぐの週末、マイカー規制解除を狙った登山客で賑わうのは当然のことか。僕もその一人です。
さっそく失敗したのが「高度順応の時間」を考えずに家を出てきてしまったこと。御来光の時刻を考えるとすぐに出発したいところだったので、我慢できず30分くらいで出発。(良い子は1時間以上は5合目に滞在しよう。)
僕の高山病対策は「水がぶ飲み」です。
空は雲ひとつなく満月ということで深夜でも明るい。オート設定のコンデジの手持ち撮影でも夜景がそこそこ撮影できます。ブレるけどね。富士市や富士川、そして清水港に静岡市まで夜景が見える。抜けが良いです。
ヘッデンを消してみても登山道がはっきりと分かるくらいの明るさ。満月に導かれているようだ。外国人登山客もそこそこ登っていたけど中にはヘッデン無しの方もいた。満月で良かったですね。
ナイトハイクなので記録写真は少なく、一気に夜明けまで飛びます。
油断して高山病の症状に苦しむ
9.5合目くらいまではとくに問題なく登り続けることができた。定期的なランニングのおかげか心肺機能には余裕があり、筋力的にもキツさは感じられない。ただ高山病の症状がじわじわと出てきてしまった。対策したつもりだったのに。
原因は「寝不足」しかない。前日の朝に起きてから一睡もせずに弾丸ピストン状態で登山していることに気がつくも時すでにおすし。完全にやらかした。
経験から高山病の症状にも種類があることが判明。1つはよくある二日酔いのような頭痛、もう1つは目眩からくる吐き気という症状。たまにゲロゲロしている登山客いるでしょ。僕の今回の症状は「軽度の目眩」でした。これが酷くなるとゲロゲロすると思う。少し歩いてはクラっとして立ち止まる。というのを繰り返して登っていました。
- 高度順応不足(水分不足)……二日酔いのような頭痛
- 睡眠不足……目眩、吐き気
どちらも対策しないと高山病になるということ。まじで睡眠は大事。
大袈裟に綴っているけど一応は「軽度」だったので目前にした頂上を目指すことに。ペースを落とし御来光なんて気にせずにのんびり登ります。建物がもう見えているのに非常に長く感じた。
御来光待ちをする登山客が見えてきた。あそこまで頑張ろう。
なんとか御来光には間に合った。気温は高めでダウン類などを出す必要もなく、日が昇ればさらに気温が上昇する。まだまだ夏日だ。
そして達成感で高山病を忘れてしまう現象。
御来光と満月を追いかけて
御来光やー。
絶景を前にすると体力が回復する現象。人間の神秘。
振り返ると真っ赤に染まる剣ヶ峰がドンと構えている。沈みゆく満月と剣ヶ峰を絡めての撮影を考えたけど、昨年の富士登山で同じことをやっているので面白みを感じない。少し工夫して「測候所のドームのあった場所に満月を乗せてパールドームにする」という案にした。
この時点で、三島岳のすぐ横に沈みゆく満月を確認できた。
あれ?満月すでに低くない?
調子を落としてのんびりしていたので出遅れてしまった。早く目的の場所まで移動せねばとダッシュ開始。こうなると高山病なんて一瞬で忘れる現象。
お鉢巡りを反時計回りするように吉田口方面へとダッシュ。測候所と満月が重なるポジションを目指すが高さ的にギリギリの時間だ。間に合うだろうか。(ダッシュとか言ってるけど実際には水牛みたいなペース)
あーこの高さはもう無理だ。測候所に乗せることに失敗した。速やかに行動できていれば乗せることができただけに悔しい。昨年と同じようなパール剣ヶ峰の写真だ。
そして測候所の脇へ落ちていく満月。
ヒューン
カポン
隣の小屋でなんとかキャッチ。
諦めずにダッシュして類似レーダードームの復活に成功。これはこれで良しとしよう。自己満足の領域なので文句は言わせない。
お鉢巡りと影富士
御来光と満月を終えて小休憩。一息ついたところでようやく少し体調が悪かったことを思い出した。下山するにもお鉢をけっこう進んでしまったので、引き返すには距離があるしこのままお鉢を一周することにした。
僕としてのお鉢巡りは時計回りがセオリーなので、反時計回りには違和感しか感じない。
山中湖まで視界を遮るものがなく手を伸ばせば届いてしまいそう。
同じ頂上でも場所によって標高差があり、緩やかな坂道が地味にしんどい。しかし登りきれば山麓西側を見渡せるスーパー影富士スポットに辿り着く。
時間をかけ坂道を登りきったところで影富士の登場。いつ見ても影富士は圧巻だ。抜けが良く影富士日和、時間的にも余裕で間に合いました。
スーパー影富士スポットでは先客カメラマンが撮影をしていた。三脚を立てている辺りガチ勢のようだ。ちなみに僕は今回は三脚は置いてきた。
この写真、左上の小さな田貫湖がお気に入りポイント。すぐ下から大沢崩れが地上までずーっと伸びているのも面白い。これが滑り台だったら朝霧高原まであっという間に下山できるよね。
ここで足元に小さなカメラ(RX0M2)が転がっているのに気がついた。隣のカメラマンに「タイムラプスですか?」と尋ねると意気揚々と答えてくれ、少し会話をするとSNSで繋がりのあるキッズカツヤさん(@kidskatsuya)だと判明。
こんな場所で会うとは。以前にも静岡市の山の中でお会いしたこともあり、少し意外な場所で遭遇する人。彼もまた満月を追いかけて山頂に来ていたようで、影富士とのコラボを撮影していた。
抜けが良すぎて地元静岡市がくっきりと見えます。安倍川どころか大井川に牧之原市や御前崎市まで視認できた。300mm撮影の写真を拡大してみると職場まで見えてしまう。富士山が見える場所というのは、逆に富士山からも見えるわけですからね。
こういう「富士山の目線」が面白くて好き。
キッズカツヤさんと一緒に剣ヶ峰へと立ち寄る。3,776m日本最高峰、高山病が少ししんどかったけどあとは下山するだけ。悪化することなく無事に帰れそうだ。
御殿場口〜プリンスルートで下山
キッズカツヤさんは富士宮ルートで最短下山するということでお別れ。僕はプリンスルートを回りたかったので御殿場ルートで下山。少しだったけど楽しかったです。高山病の症状は会話をしていたことで気が紛れていたと思う。助かりました。またどこかでお会いしましょう。
工事現場の泥の水溜りみたいなのがコノシロ池です。水がなかったので残念だったが、いつか逆さ剣ヶ峰の撮影をしたいな。晴れの日が続くと水が無くなっちゃうのかな。
御殿場ルートで下山開始。写真だと無人だけど御殿場口から登ってくる登山客とけっこうすれ違った。日曜でこの天気なら閉山していても登りたいですよね。
閉山後の山小屋は基本的に閉鎖しているけど、御殿場ルートを歩いていると少し先に見える山小屋の前に多くの人影が見えた。なんで人がたくさんいるんだろ…と思いながら山小屋に近づいていく。
なんと「わらじ館」さんが営業していました。登山客がみんなここで足を止めていた。閉山後でも営業しているのは非常にありがたい。食事、飲み物、トイレが確保できます。
看板の「埋蔵金どら焼き」が気になって購入。一見普通のどら焼きだけど中には栗が入っていて、おそらく栗が埋蔵金ということなんだろう。こんな名物があるなんて知らなかったな。甘い生地、甘いあんこ、栗は甘露煮で甘くて登山では貴重なエネルギー補給になる。ご馳走さまでした。
宝永山山頂へ寄り道
砂走り的な道を下っていくと宝永山分岐へ到着する。宝永山まで伸びた尾根がスマートで素敵だ。天気も良くて清々しい気分だったので立ち寄ることにした。いつもは手前の分岐で火口内に降りていたので少し勿体ないことをしていたな。
8回目の富士登山でなんやかんや初めての宝永山山頂。ここもまた宝永山ハイキングに来ている登山客で賑わっていた。宝永山までなら子供連れのファミリーでも手軽に来られるようです。
宝永山から見た富士山と火口は大迫力で、ガバっと大きな口を開けているよう。山頂の火口よりも宝永山の火口の方が大きいって知っていましたか?
火口内へと降りていくと草が黄色に変わり始めている。高い場所の紅葉は早い。なんだっけなこの植物、忘れた。10月中にはカラマツ帯の紅葉もピークなので余裕があれば撮影したいな。
宝永山火口を抜けて6合目雲海荘じゃない方へと分岐を進みました。御殿庭方面への分岐かな。マンネリ化を避けて少し違う道を歩いてみたかっただけです。
残りはずっと樹林帯で退屈だったのでおすすめできないコース。他の登山客は全然見かけないし、クマ注意の看板もあったりと心細い。しかもゴール地点は駐車場脇からヒョコって出て何かスッキリしない。素直に6合目雲海荘を経由して下山した方がゴール感を味わえる。
ゴール感を味わいたかったので一旦マイカーをスルーして5合目レストハウスへと向かった。下山後のコークがゴールの味。ちなみに僕はペプシ派です。コークは標高的な問題なのか吹き出して手がベットベトに。勘弁してくれい。
少し高山病に苦しめられたけど緊急下山などの必要のないレベルで済みました。克服したつもりで油断していたのが反省点。マジで睡眠は大事です。
御来光、満月、影富士と富士登山を満喫できた。久しぶりの活動に富士登山を選ぶ辺り、僕は「富士山を撮りたい」というよりも「富士山と触れ合いたい」という気持ちの方が強いのかもしれない。また来るよ。お疲れさまでした。
まとめ
今回、登山客を見ていてヘルメットをしている人を多く見かけた。
8月に山頂付近での落石によりロシア人女性が亡くなる事故があったことを受けて、富士登山におけるヘルメット装備の意識が高まっていると感じた。僕はまだ登山用ヘルメットの準備をしていないので、近いうちに購入せねばと決意した。
また次回が数ヶ月後になるかもしれないけど、当ブログのことを忘れないでくださいね。
①【富士登山2014】初登山が富士山!なぜか雨の中を単独で富士登山した話
②【富士登山2015】一人で登ったのに下山時は三人だった富士登山の話
③【富士登山2016】初の二人での富士登山と初の “影富士” の話
④【富士登山2017】富士山の頂上で食べるカップ麺は格別だった
⑤【富士登山2018】一番人気の吉田ルートではじめての弾丸ナイトハイクをしてきた
⑥【富士登山2018】須走ルートをナイトハイクしてパール富士を狙ってきた
⑦【富士登山2018】平成最後!富士宮ルートではじめてのシーズンオフ
⑧【富士登山2019】富士宮口をナイトハイクして、満月を追いかけてきました